悩みを聞くだけの副業が儲かるとSNSで発信している人を見かけるけれど、本当に相談にのるだけで報酬がもらえるのか疑わしいと感じた人はいませんか?
この記事では、悩み相談の副業とは何か、そして詐欺的行為の見分け方や困ったときの相談先までを解説します。
✓悩み相談の副業詐欺とは何か
✓悩み相談の副業詐欺の見分け方
✓悩み相談の副業詐欺にあった場合の相談先
副業としての「悩み相談」って?
悩み相談の副業とは、メールやチャットツールを通じて悩みを持つ人の話を聞き、報酬を得る副業のことです。
中には、公認心理師や臨床心理士といった有資格者が副業として、カウンセリングを行っている場合もあります。
しかし、無資格者が副業で愚痴を聞いているだけの場合もあり、サービスの質には差があります。
相談に乗るだけで報酬がもらえることから、悩み相談の副業は簡単だと思われがちです。
しかしスキルシェアサービスのサイトでは、「悩み相談」に関するスキルをシェアしたいと考えている人の書き込みが2万件もあります。これだけでも、競争の激しい副業と言えるでしょう。
悩み相談の副業詐欺とは?
悩み相談の副業詐欺とは、どのようなものなのでしょうか。
3つの観点からご紹介します。
悩み相談の副業詐欺についての相談件数
独立行政法人国民生活センターに寄せられた、「簡単なタスクを行う副業に関するトラブル」の相談件数は、2020年度から増加傾向にあります。
2020年度と2023年度の相談件数を比較すると2023年度は約2.75倍に増加し、2024年度も増加する見込みであることから、今後も急速な増加が予想されるのです。
相談件数の増加に伴い平均契約購入金額も増えており、2020年度と2023年度を比較すると約4.25倍となりました。
悩み相談の副業も「簡単なタスクを行う副業」の1つであるため、悩み相談の副業詐欺の件数、平均契約購入金額も増加すると予想されます。
悩み相談の副業詐欺についての相談事例
20代の女性はSNSを通じて、ある副業サイトを見つけました。副業サイトには「5分間、人の悩みを聞くだけで20万円稼げる」と書かれており、興味を持ったそうです。
謝礼を受け取るためにはサイトの正式な会員になる必要があるため、女性は入会金5千円を支払います。
その後サイトの運営者からメールアドレスと電話番号の文字化けの解除料として、1万円が必要との連絡が来たため、追加で支払いましたが文字化けは解除されません。
さらに2万円を支払っても文字化けが解除されず、最終的には9万円の支払いを求められたため、女性は退会と返金を求めました。
しかし返金に応じてもらえなかったことから、東京都消費生活総合センターに相談をしたのです。
報酬を受け取るために何度も料金を請求されたら、悩み相談の副業詐欺を疑った方がよいとわかる事例です。
悩み相談の副業を謳う詐欺事件
2024年6月、朝日新聞デジタルにて「悩みの相談に乗るだけで報酬がもらえる」と謳う副業サイトを運営し、現金をだまし取ったとして20代から50代の男女26人の逮捕が報じられました。
容疑者らはSNSなどに広告を出稿して利用者を募集し、2021年1月から2023年9月にかけて、約8,600人から約20億円をだまし取ったと見られています。
逮捕された26人のうち21人は、相談者を装ってメッセージを送る「打ち子(サクラ)」であり、月の報酬として約50万円を受け取っていました。
簡単な副業だからと安易に契約してしまうと、大規模な詐欺事件に巻き込まれる恐れがあるため注意しましょう。
悩み相談の副業詐欺の見分け方
悩み相談の副業詐欺には、以下のような特徴があります。
- SNSを通じて勧誘する
- 稼げる金額が現実的ではない
- 「必ず稼げる」といった断定的な表現をしている
- コミュニティへの参加を求められる
- 金銭の支払いを何度も促される
前の項目でご紹介した事例や事件もこの特徴にあてはまっているので、これらの内容を覚えておくだけでも悩み相談の副業詐欺にあいにくくなるでしょう。
また、悩み相談の他にも副業詐欺には、さまざまな手口が用いられます。以下の記事では、副業の手口をまとめて紹介しているため、合わせて参考にしてください。
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悩み相談の副業詐欺にあった場合の相談先
悩み相談の副業詐欺にあった場合、どこに相談すればよいのでしょうか。
2つご紹介します。
警察
悩み相談に関する副業詐欺の犯人逮捕を求める場合は、警察に相談しましょう。
その際は、証拠として次のものを準備しておきましょう。
- 支払いをした証拠(クレジットカード明細、振込明細書など)
- 副業詐欺の犯人の情報(サイトのURL、サイト名、運営者情報など)
- SNSのメッセージなど、やり取りのスクリーンショット
ただし警察は、返金交渉は行わないので注意しましょう。
司法書士や弁護士
悩み相談の副業詐欺で被害にあい、返金を求める場合は司法書士や弁護士に相談しましょう。
証拠を準備してから相談するとスムーズである点は、警察と同様です。
支払い方法が振込だった場合は「振り込め詐欺救済法」に基づき、相手方の口座残高や被害額などに応じて、すべてまたは一部(被害回復分配金)を受け取れる可能性があります。
またクレジットカードで支払いをした場合、クレジットカード会社にチャージバック(クレジットカード支払いの取り消し)を依頼したり、割賦販売法に基づいた支払い停止の抗弁をしたりできます。
このような手続きをスムーズに進めるためにも、司法書士や弁護士に相談するのが大切です。
まとめ
悩み相談の副業とは、メールやチャットツールなどを通じて人の悩みを聞き、報酬を得る副業のことです。
しかし、近年悩み相談の副業を装った詐欺的行為が多発しているため、十分に警戒することが大切です。
この記事も参考にして、悩み相談の副業詐欺にあわないよう、慎重に行動してください。