クレジットカードをいくつか使っているけれど、もし任意整理をするとカードが利用できなくなるのではないかと不安に感じている人はいませんか?
この記事では、任意整理後にクレジットカードでできることと、できなくなることをご紹介します。
✓任意整理をしてもできること
✓任意整理をしてもクレジットカード代わりに使えるものとは?
任意整理するとできなくなること
前提として、任意整理の対象にしたクレジットカードは解約扱いとなるため使えなくなります。
クレジットカードが使えなくなるのは、司法書士や弁護士に任意整理を依頼した場合、債権者に送付した受任通知が届いたタイミングからです。
ここでは、任意整理の対象外としたクレジットカードに関連する取引について、利用できなくなることをご紹介します。
なお、以下では任意整理の相談先について解説しているため、そちらも合わせて参考にしてください。
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クレジットカードの新規作成
クレジットカード決済は本人の信用に基づき、クレジットカード会社が商品やサービスの購入代金を一時的に立て替える仕組みです。
任意整理をすると信用情報機関(※)に事故情報として約5年間、記録が残ります。
信用情報機関に事故情報として記録が残った状態を、いわゆる「ブラックリストに載る」と表現することもあります。
この状態では信用に基づく取引であるクレジットカードの新規作成はできません。
※個人の支払い能力に関する情報を収集し、与信事業者に対する信用情報の提供を行う機関
クレジットカードの更新
任意整理をした後は、クレジットカードの更新も新規作成と同様にできません。
クレジットカードの更新も信用に基づく取引であるため、信用情報機関に事故情報として任意整理の記録が残っている間はできなくなる可能性が高いでしょう。
ただし、クレジットカード会社はそれぞれ異なる審査基準を設けているため、すべてのクレジットカードが更新できないとは断言できません。
クレジットカードと連携しているETCカードと家族カードの使用
クレジットカードと連携するETCカードや家族カードを所有している場合、それらのカードも使えなくなります。
ETCカードについては交通事故やトラブル防止のため、即時利用停止になるわけではありませんが、一定の期間が経過すると使えなくなるので注意しましょう。
クレジットカードに付帯するサービスの利用
任意整理をすると、クレジットカードに付帯するサービスも利用できなくなります。
具体例は以下のとおりです。
- キャッシング・リボ払い・ポイント・特典など
- 旅行保険・ショッピング保険
- 公共料金の引き落としサービス
公共料金の支払いが滞ると生活に支障が出るため、支払い方法の変更を忘れないようにしましょう。
任意整理をしてもできること
任意整理をしても、カード決済でできることを2つご紹介します。
任意整理対象外のクレジットカードの利用継続(一定期間)
任意整理対象外のクレジットカードは、そのクレジットカード会社が信用情報機関に照会をするまでの間は、継続して利用することができます。
ほとんどのクレジットカードの規約では「会員(カード名義人)の信用状態に不安が生じた時、カード会社は契約を解約できる」という条項があります。
そのため定期的にカード会社が信用情報機関へと照会を行い、任意整理をしたという情報を得たタイミングでそのクレジットカードが解約となる可能性があります。
これまでの利用状況が良好であったことから解約にならない場合でも、利用限度額は変更される可能性があるため注意してください。
デポジット型クレジットカードや家族カードの使用
任意整理中でも、以下のようなクレジットカードであれば使うことができます。
- デポジット型クレジットカード
- 家族名義のクレジットカードの「家族カード」
デポジット型クレジットカードとはカード発行時に保証金(デポジット)を支払う必要のあるカードです。
保証金=カードの限度額と設定されており、万が一支払いが滞った場合は保証金から代わりに支払いが行われる仕組みなので、信用に基づく取引とは見なされません。
家族カードとは、クレジットカードの契約者の家族に追加で発行されるクレジットカードのことです。
家族カードでの支払いは、名義人である家族の信用情報に基づくため問題なく使えます。
どちらも利用自体はできますが、返済が滞るような使い方は避けましょう。
任意整理後にクレジットカードの代わりに使えるものは?
任意整理後にクレジットカードの代わりに使える決済方法には、何があるのでしょうか。
2つご紹介します。
デビットカード
デビットカードとは、利用と同時に登録した銀行口座から支払った金額が引き落とされる仕組みのカードであり、即時払い式のカードに分類されます。
分割払いはなく一括払いのみで、預金残高以上の利用はできません。
信用に基づく取引とは見なされないため、任意整理後も問題なく使えます。
ただし任意整理中にデビットカードを使いすぎてしまうと、返済するためのお金がなくなってしまう可能性があるため、使い過ぎには注意が必要です。
プリペイドカード
プリペイドカードとは、事前に入金した金額の範囲内で商品やサービスを購入するカードです。前払い式のカードに分類されます。
自分であらかじめ入金した金額までしか使えないことから、信用に基づく取引とは見なされず、任意整理後も利用することができます。
こちらもデビットカードと同じく、返済が終わるまでは入金額に限度を設けて使うのがおすすめです。
まとめ
任意整理後には信用に基づく取引ができなくなります。それ以外の取引は引き続き可能ですが、返済に支障が出るような使い方は避けましょう。
この記事も参考にして、任意整理後の生活がスムーズにできるよう、準備を進めてみてください。
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