任意整理をしたものの、当初の計画よりも早めに返済を進めていいのかわからず困っている方はいませんか?
この記事では繰り上げ返済について詳しく解説します。
✓任意整理後に繰り上げ返済をするメリット
✓任意整理後に繰り上げ返済をするデメリット
✓繰り上げ返済につながる返済計画のポイントは?
任意整理後の繰り上げ返済は可能か
繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に元金の一部やすべてを予定よりも早く返済することです。
任意整理後に繰り上げ返済をしても法律上問題ありません。
繰り上げ返済には次の2種類の方法があります。
方法 | 概要 |
一括返済 | 債権者に残額を確認し、その金額を一括で振り込む |
一部の繰り上げ返済 | 債権者に返済額を伝え、その金額を振り込む |
一括返済の場合、完済が確認され次第完済証明書をもらえるので、必要な方は債権者に伝えましょう。
任意整理後に繰り上げ返済をするメリット
繰り上げ返済のメリットは以下のとおりです。
- 信用情報の早期回復が期待できる
- 返済のためにかかる振込手数料が減る
- 一括返済をする場合、まれに返済額を減額してもらえることがある
- 精神的に楽になる
繰り上げ返済にはメリットがあることを覚えておきましょう。
任意整理後に繰り上げ返済をするデメリット
繰り上げ返済のデメリットは次のとおりです。
- 繰り上げ返済をすることで生活が苦しくなる可能性がある
- 一部を繰り上げ返済しても、その後滞りがあると延滞手数料などが発生する可能性がある
- 特定の債権者だけに返済した場合、個人再生や自己破産への切り替えに支障をきたす場合がある
繰り上げ返済を急ぐことで毎月の生活費や貯蓄に余裕がなくなり、日常生活が圧迫されるリスクがあります。
無理のある返済を続けると思わぬ出費に対応できなくなり、再び借金に頼る状況を招きかねません。
また、債権者が複数いる際の繰り上げ返済にも注意が必要です。
特定の債権者のみに繰り上げ返済を行うと、その後の状況変化に支障をきたす可能性があります。
例えば、やむを得ない事情で返済が続けられなくなり、個人再生や自己破産への切り替えを検討する場合です。
個人再生や自己破産は裁判所へ申し立てを行いますが、特定の債権者への優先的な返済が「偏頗(へんぱ)弁済」と見なされると、申し立てが認められなかったりペナルティを課せられる可能性があるからです。
任意整理後に繰り上げ返済をする場合は、その後の支払いに支障をきたす可能性がないかを十分に検討してから行うようにしましょう。
また任意整理の繰り上げ返済を検討している場合も、然るべき機関や事務所へ相談しましょう。以下の記事では、任意整理に関する相談ができる場所を紹介します。
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繰り上げ返済につながる返済計画のポイントは?
無理のない返済計画を立てることで、繰り上げ返済を行うための「ゆとり」が生じやすくなります。
繰り上げ返済へつながりやすい返済計画のポイントを、2つご紹介します。
一般的な返済期間を知っておく
任意整理をした場合、一般的な返済期間は3年、長くても5年と言われています。
生活やこれまでの返済状況にもよりますが、3年間の36回払いから5年間の60回払いまでに支払い期間を収めると、債権者の理解も得られやすくなります。
生活費には少しゆとりをもたせる
収入から生活費を引いた金額が返済に充てられる最大の金額になります。
しかし、この金額に決めてしまうと、ケガや病気で働けなくなった時に返済が滞ってしまいます。
そのため、月々の返済額は生活費に少しゆとりを残して決めるのが望ましいです。
借金を早く返してすっきりしたいという気持ちから、焦って返済額を多めにするとかえって完済からは遠ざかってしまう恐れがあることを覚えておきましょう。
まとめ
任意整理後の繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に、元金の一部やすべてを予定よりも早く返済することを指します。法律上問題ない行為ですのでご安心ください。
この記事を参考にし、無理のない借金返済を続け、完済を目指しましょう。
丹誠司法書士法人では任意整理に関する相談を受け付けています。借金でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
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