ある日突然「あなたは1,000万円の支援金を受け取れます」「私の遺産を受け取ってほしい」というメールが届き、あやしいサイトに誘導されたことはありませんか。
これは、支援金詐欺の典型的な手口です。
本記事では、高額支援を謳う詐欺サイトによくある手口を紹介します。お金を騙し取られたときの相談先や、被害にあわないための予防策もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
✓高額支援を謳う詐欺サイトによくある手口
✓支援金詐欺に騙されたと気づいたときの相談先
✓高額支援サイトに騙されないための予防策
高額支援を謳う悪徳サイトとは?
高額支援を謳う悪徳サイトとは、いわゆるサクラサイトの一種です。
数十万円~数十億円の支援金をちらつかせてサイトへ誘導し、「サイト登録料」「手数料」などさまざまな名目でお金を騙し取ろうとします。
「あとで大金を受け取れるから、数千円~数万円を支払っても取り戻せる」と思わせて、お金を支払うハードルを下げようとします。
まったく身に覚えがなくても、大金がもらえる期待や欲求を煽られると判断力が低下しやすく、詐欺業者に騙されてしまう方が多く見受けられます。
しかし高額支援サイトの目的はお金を騙し取ることであり、いくら手数料を支払っても支援金は受け取れません。
高額支援を謳う詐欺サイトによくある手口
心当たりのない支援金の話を持ちかけられても、詐欺業者が使う手口を知っていれば被害にあうリスクを軽減できます。
ここでは、高額支援を謳う詐欺サイトによくある手口を紹介します。
1.高額支援を約束するメール・LINE・SMSなどが届く
支援金詐欺は、前触れもなく高額支援を約束するメールやLINE、ショートメッセージなどが届くことから始まります。
<メッセージ例>
- あなたには1,000万円の支援金を受け取る権利があります
- 自分では使いきれないので、3億円の遺産を受け取ってほしい
- 高齢者を対象とした支援金の受給者になりました
- おめでとうございます!抽選の結果、あなたに1億円が当たりました
- 昔、支援金に助けられたことがあります。だから今度は自分が支援したい
上記のように、メッセージは支援団体を名乗るパターン・資産家(支援家)を装うパターン・懸賞に当選したことを装うパターンなどさまざまな種類があります。
2.詐欺サイトへ誘導される
届いたメッセージには全文が表示されておらず「詳細はこちら」「受け取りを希望される方はサイトに登録をお願いします」としてURLが記載されています。
支援金詐欺の入り口はメールやLINE、ショートメッセージなどですが、それ以降のやり取りはサイト上で行われます。
3.サイト登録料の支払いを求められる
メールやLINEに記載されたURLにアクセスすると、サイトの登録に必要な個人情報(名前・住所・銀行口座など)の入力が求められます。
その後「支援金を受け取るには有料サイトへの登録が必要」とし、お金を支払うよう要求してきます。
4.その他、さまざまな名目で支払いを要求される
サイトの登録料を支払った後も、以下のようにさまざまな名目で支払いを求めてきます。
- 支援者とやりとりするためには、有料ポイントの購入が必要です
- 支援金を受け取るために、電子マネーで事務手数料をお支払いください
最初は数千円といった少額から始まりますが、支払いを重ねるごとに数万円、さらには数十万円と金額が膨れ上がることが多いです。
支払いをためらうと、ほかの利用者を装う人物が現れ「私もすでに500万円受け取りました」「あなたも受け取ったほうがいいですよ」と支払いを勧めてきます。
また「あなたが手続きをしないと、ほかの人もお金を受け取れなくなる」などとプレッシャーをかけてくることもあります。
高額支援を装った悪徳サイトの目的は「お金を騙し取ること」のため、ほかの利用者を装う人物も含めすべての登場人物がサクラです。
5.新たな支援者が現れ、さらにお金を騙し取られる
最初にやり取りしていた支援者とは関係のない「新たな支援者」が現れ、同じような手口でお金を要求してきます。
サイトによっては、2人以上の「支援者」が登場するケースも見受けられます。言われるがままに支払うと、気づいたときには数百万円の被害にあっているケースもあります。
騙されたと気づいて返金を求めても、応じてもらえないことが多く、さらに相手の情報はインターネット上でしかわからないため直接交渉も困難です。
しかし、早めに対処すれば、支払ったお金を取り戻せる可能性があります。
具体的な返金方法は以下の記事で紹介していますので、参考にしてください。
「大金を受け取れると言われ、サイトの登録料を払ってしまった」「どうすれば返金される?」など、支援金詐欺の被害に悩んでいませんか。 支援金詐欺は時間が経つにつれて返金が難しくなりますが、早い段階で対処すれば支払ったお金を取り戻せる可能性[…]
支援金詐欺に騙されたと気づいたときの相談先
支援金詐欺にあったときは一人で解決しようとせず、以下の専門機関に相談しましょう。
消費生活センター・警察
地方公共団体が運営する消費生活センターでは、支援金詐欺被害を含む、消費生活全般の相談に無料で対応しています。
消費者ホットライン(電話番号:188)に連絡すると最寄りの消費生活センターの窓口につながり、相談員が解決に向けてアドバイスしてくれます。
また、警察相談専用電話(電話番号:#9110)でも支援金詐欺被害に関する相談が可能です。
ただし、消費生活センターや警察が対応してくれるのは助言や情報提供のみであり、返金に向けた対応はしてくれません。
詐欺被害の解決実績が豊富な司法書士・弁護士
返金に向けて具体的なアクションを起こしたいときは、司法書士・弁護士に相談するのがおすすめです。
個人で返金交渉すると逆上されたり証拠を隠滅されたりする可能性があるため、相手方にはなにも言わないほうが良いでしょう。
詐欺被害の解決実績が豊富な司法書士・弁護士を代理人に立てることで、お金を取り戻せる可能性が上がります。
丹誠司法書士法人では、詐欺被害や消費者トラブルに強い司法書士が、返金に向けたサポートを行っています。ぜひ一度、お話をお聞かせください。
詐欺をはたらく高額支援サイトに騙されないための予防策
正しい知識を知っておけば、詐欺サイトに騙されるリスクを回避できます。ここでは、支援金詐欺に騙されないために日頃からできる予防策を4つ紹介します。
突然大金がもらえる「うまい話」はないと心得る
面識のない相手から大金がもらえることはあり得ません。
「まさか自分が詐欺にあうわけがない」と思っていても、言葉巧みに誘導されるうちにお金を支払ってしまうことがあります。
突然のうまい話に飛びつかず、まずは冷静になって判断することが重要です。
高額支援を謳うメッセージが届いても絶対に返信しない
「大金を受け取ってください」という内容のメールやLINEがきても返信せず、記載されているURLにもアクセスしないようにしましょう。
不審なメールを開封すると、そのメールアドレスが有効であることを送信者に知られてしまい、さらに大量の迷惑メールが送られてくる可能性があります。
差出人が不明なメールは、開かずに削除しましょう。
支援者の名称をインターネットで検索する
高額支援を謳う詐欺業者は、支援団体や銀行、政府関係機関を名乗ることがあります。
メールやLINEに支援者名や団体名が出てきた場合はインターネットで検索し、実在するかを確かめましょう。
少しでも違和感がある場合は、サイトへのアクセスや個人情報の入力を避けることが重要です。
電子マネーでの支払いを求められたら警戒する
支援金詐欺では、匿名性が高い「プリペイド型電子マネー」での支払いを要求されることが多いです。
プリペイド型電子マネーは「誰が使ったか」という履歴が残らず、詐欺業者にとって都合が良いためです。
高額な支援金を匂わせながらプリペイド型電子マネーでの支払いを要求されたら、お金を騙し取られる可能性があるため、警戒してください。
まとめ
支援金詐欺は、高額支援を謳いながら「送金料」「手数料」などの名目でお金を要求してくるのがよくある手口です。
しかし、今回紹介した具体的な手口を知っておけば、あやしいメールが送られてきても冷静に対処できます。
「高額支援サイトにお金を支払ってしまった」「騙されているかもしれない」と思ったら一人で悩まず、公的機関や司法書士・弁護士に相談しましょう。