任意整理は裁判所を通さず、財産を手放す必要もないため、ほかの債務整理に比べると日常生活への影響が少ない手続き方法です。
ただし、任意整理後は信用情報に事故情報が登録されるため、一定期間はクレジットカードが使えなくなったり、ローンを組めなくなったりするなどの影響があります。
そのため、任意整理を検討している方は、手続き後の生活にどのような影響があるのかを事前に理解しておくことが大切です。
本記事では、任意整理後の生活で変わること・変わらないことを解説します。
手続き後の生活で気を付けたいポイントもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
- 変わらないこと6つ
- 任意整理後に変わること5つと対処法
- 任意整理後の生活で気を付けること
- 任意整理後でもローン審査に通った人の特徴
\任意整理による影響は?/
任意整理をしても変わらないこと6つ

任意整理とは、借り入れ先と交渉し、将来発生する利息を減らしたり、返済期間を延ばしたりして、返済負担の軽減を目指す手続きです。
ここでは、任意整理をしても生活に影響しないことを6つ紹介します。
1.車や住宅などの財産を手放す必要はない
任意整理をしても、車や住宅、家財道具などの財産を手放す必要はありません。
ただし、車のローンや住宅ローン、ショッピングローンなどに残債がある状態で、それらを任意整理の対象に含めた場合、ローン会社の判断で引き上げられる可能性があります。
車や住宅を残したい場合は、車のローンや住宅ローンを任意整理の対象から外しておきましょう。
2.仕事への影響はない
任意整理をしたことを理由に、会社から降格・減給・解雇などの不利益な扱いを受けることはありません。
また、任意整理は裁判所を通さず借り入れ先と個別に交渉するため、勤務先へ通知が送られることもありません。
そのため、任意整理をした事実を会社に知られる可能性は低いでしょう。
3.保険は自由に加入できる
任意整理をしても、生命保険や医療保険などには加入できます。
任意整理をすると信用情報機関(※)に事故情報(ブラックリスト)が登録されますが、保険会社には信用情報を確認されません。
そのため、事故情報が登録されていても新規の保険加入は可能です。
※信用情報機関:個人の信用情報を管理し、クレジットカード会社やローン会社へ情報を提供する機関
すでに加入している保険についても、任意整理を理由に保険契約を解約されたり、保障を受けられなくなったりすることはありません。
4.選挙権がなくなることはない
任意整理をしても、これまでどおり選挙に参加できます。
任意整理は、裁判所を通さない話し合いの手続きであるため、選挙権や被選挙権(選挙に立候補する権利)などの公民権に影響は及びません。
5.結婚に制限はない
任意整理をしても、婚姻手続きそのものは通常どおり行えます。
また、任意整理の事実が戸籍や住民票に記載されることはなく、戸籍や住民票から結婚相手に知られることもありません。
6.家族の進学・就職・結婚にも影響しない
任意整理による直接的な影響が及ぶのは、手続きをした本人だけです。
家族の信用情報に事故情報が登録されることはなく、子どもの進学や就職で不利になることもありません。
任意整理の事実が戸籍や住民票に記載されることもないため「子どもの結婚に支障をきたすかもしれない」といった心配も不要です。
\任意整理を検討する/
任意整理後に変わること5つ|対処法も解説

任意整理によって大きく変わらないことが多い一方で、不便を感じる場面もあります。
ここでは、任意整理後に変わることや、対処法について解説します。
1.クレジットカードの新規作成や更新ができない
クレジットカード会社は信用情報をもとに審査を行います。
そのため、任意整理後、信用情報機関に事故情報が登録されている間(完済から5年)は、新規カードの作成や更新ができません。
また、本人名義のクレジットカードや、そのカードに紐づく家族カードも利用できなくなります。
<対処法>
- デビットカード・プリペイドカードを使う
- 電子マネー・QRコード決済(PayPay・楽天ペイ・Suicaなど)を利用する
- 任意整理をしていない家族名義のクレジットカードに紐づく家族カードを使う
デビットカードやプリペイドカードは審査不要で発行できるため、任意整理後でも利用できます。
また、信用情報は個人ごとに管理されるため、任意整理をしていない家族が契約者であれば、その家族カードは引き続き利用できます。
2.ローンやキャッシングを利用できない
任意整理によって信用情報に事故情報が登録されると、住宅ローンや自動車ローン、教育ローンなどの審査に通らなくなります。
カードローンやクレジットカードのキャッシング機能も利用できなくなるのが一般的です。
<対処法>
- 配偶者名義でローンを申し込む
- 事故情報が削除されてからローンに申し込む
配偶者に安定収入があり、信用情報にも問題がなければ、配偶者名義で教育ローンを申し込める可能性があります。
子どもの進学を控えている場合は、教育費が必要になる時期を見据えて、早めに資金計画を立てておきましょう。
3.分割払いができない
任意整理後、信用情報に事故情報が登録されている間は、スマートフォンやパソコン、家電製品などを分割払いで購入しにくくなります。
任意整理後にスマートフォンを購入する際は、以下のような方法を検討しましょう。
<対処法>
- 一括払いで購入する
- 格安スマホや中古・型落ちモデルを選ぶ
- 任意整理をしていない家族名義で契約する
家族の信用情報に問題がなければ、家族名義で分割払いを利用できます。
また、10万円以下のスマートフォンは、利用料金の延滞や滞納がないなど一定の条件を満たせば、分割払いを利用できる可能性があります。
4.場合によっては賃貸契約や更新ができない
任意整理をすると、賃貸物件の入居審査に影響することがあります。
特に、信販系の保証会社を利用している物件では、保証会社が信用情報を確認するため、審査に通らない可能性があります。
<対処法>
- 信販系以外の保証会社を利用する物件を探す
- 連帯保証人を立てられる物件を選ぶ
- UR賃貸住宅・公営住宅・シェアハウスを検討する
保証会社ではなく、家族や親族を連帯保証人として契約できる物件であれば、任意整理後でも契約できる可能性があります。
UR賃貸住宅や公営住宅、シェアハウスのなかには、信販系保証会社を利用しない物件もあるため、入居先の候補として検討してみましょう。
5.奨学金の保証人になれない
任意整理をしても、子どもが奨学金を利用することはできます。
ただし、信用情報に事故情報が登録されている人は、奨学金の連帯保証人になれません。
<対処法>
- 任意整理をしていない配偶者・祖父母・親族などに保証人を依頼する
- 日本学生支援機構の機関保証制度を利用する
保証人を依頼できる方がいない場合は、保証機関が連帯保証人になる「機関保証制度」を利用すれば奨学金を申し込めます。
\任意整理で人生は終わらない!/
任意整理後の生活で気を付けること

任意整理によって毎月の返済額が減ると、お金に対する不安が和らぎ、気持ちにも余裕を持ちやすくなります。
ただし、再び借金問題を抱えないためには、その後の生活やお金の管理も重要です。
ここでは、任意整理後に意識したいポイントを3つ解説します。
着実に返済を進める
任意整理後は、債権者(お金を貸している側)との約束どおりに支払いを続ける必要があります。
返済が滞ると、債権者との合意が無効となり、残っている借金の一括返済を求められることがあるため、注意が必要です。
毎月の返済を滞りなく続けるためには、返済額を踏まえて家計を管理し、計画的にやりくりすることが大切です。
口座の自動振替を利用したり、返済専用の口座を用意したりすると、支払い忘れの防止につながります。
家計管理を徹底してお金の浪費を防ぐ
任意整理によって返済の負担が軽くなっても、家計管理を怠れば、再び借金に頼ることになるかもしれません。
まずは、毎月の収入と支出を把握し、家計の状況を明確にすることが大切です。
家計簿や家計管理アプリを活用して支出を記録すると、何にどれくらいお金を使っているのか把握しやすくなります。
家計を見直すなかで、不要なサブスクリプションや衝動買いなど、減らせる支出があれば削減を検討しましょう。
また、ギャンブルや過度な娯楽にお金を使う習慣がある場合は、この機会に改めることも重要です。
闇金業者には絶対に手を出さない
任意整理後は、信用情報に事故情報が登録されるため、新たな借り入れができなくなります。
一方で借金の返済は続くため、急な出費でお金に困ることもあるでしょう。
そのような状況でも、闇金業者は絶対に利用してはいけません。
闇金業者は「審査なし」「ブラックでも融資可能」などと甘い言葉で勧誘してきます。
一度でも借り入れると、高額な利息を請求されたり、執拗な取り立てを受けたりする恐れがあります。
任意整理後に生活が苦しくなった場合は、以下のような対処法があります。
- もう一度任意整理をする
- 自己破産や個人再生を検討する
- 市区町村が実施している生活福祉資金貸付制度を利用する
一人で抱え込まず、状況が悪化する前に公的機関や司法書士・弁護士に相談することが大切です。
\再スタートの方法を確認する/
任意整理後でもローン審査に通った人の特徴

任意整理後はローンを利用できませんが、完済から5年が経過して信用情報から事故情報が削除された後であれば、再びローン審査に通る可能性があります。
ローン審査を通過するためには、申込時期や金融機関の選び方など、いくつかのポイントを押さえることが大切です。
ここでは、任意整理後でもローン審査に通った人の特徴を4つ解説します。
事故情報が削除された後にローンを申し込んでいる
任意整理後は、一般的に3年から5年ほどかけて借金を返済しますが、完済すればすぐにローンを利用できるとは限りません。
信用情報に事故情報が残っている間は、ローン審査に通りにくい状態が続きます。
そのため、任意整理後にローンを申し込む際は、事故情報が削除されていることを事前に確認しておくと安心です。
個人の信用情報は、主に以下の3つの機関で管理されています。
- 株式会社日本信用情報機構
- 全国銀行個人信用情報センター
- 株式会社シー・アイ・シー
信用情報は、各機関の公式サイトや郵送手続きなどを通じて確認できます。
ローン審査を受ける前に開示請求を行い、事故情報が残っていないか確かめておきましょう。
任意整理の対象とした金融機関にはローンを申し込まない
信用情報から事故情報が消えた後も、任意整理をした金融機関には、過去の取引情報が社内に残っている可能性があります。
そのため、任意整理の対象となった金融機関や同じグループ会社では、ローンの審査に通りにくいケースがあります。
ローンを利用する際は、任意整理の対象ではなかった金融機関を選ぶとよいでしょう。
審査に通りやすいクレジットカードを作り、返済実績を積み重ねている
任意整理後に事故情報が削除されると、信用情報に利用履歴がほとんどない状態になり、住宅ローンやマイカーローンの審査に通りにくい場合があります。
そのため、まずは審査に通りやすいクレジットカードを作り、毎月遅れなく支払う実績を積み重ねることが大切です。
半年ほど継続して支払い実績を作ることで、金融機関からの信用を少しずつ回復でき、ローン審査に通りやすくなります。
短期間で多重申し込みをしない
ローンを申し込む際は、短期間に複数の金融機関へ申し込まないことも大切です。
カードローンや住宅ローン、カーローンなどの申込履歴は、信用情報機関に最長6ヶ月間残ります。
そのため、短期間に複数の金融機関へローンを申し込むと、金融機関から「複数の借入によって返済が難しくなるのではないか」「資金繰りに困っているのではないか」と懸念され審査に通りにくくなることがあります。
「申込ブラック」と呼ばれます。
ローンを申し込む際は、一度に複数の金融機関へ申し込むのではなく、1社ずつ申し込むようにしましょう。
万が一審査に落ちた場合も、すぐに別の金融機関へ申し込むのではなく、申込履歴が消えるまで半年程度空けてから申し込むことをおすすめします。
\月々の返済額を見直してみる/
借金問題にお困りの方は丹誠司法書士法人へご相談を

任意整理後は、信用情報に関する影響を受ける一方で、仕事や家族との生活はこれまでどおり続けられるケースがほとんどです。
変わること・変わらないことを正しく理解し、早めに対策することで、不安を抑えながら生活を立て直しやすくなります。
借金問題を一人で抱え込まず、早めに司法書士や弁護士へ相談することも大切です。
司法書士や弁護士へ任意整理を依頼すれば、将来利息のカット、分割返済の交渉を任せられ、自分で手続きを進める負担を軽減できます。
司法書士・弁護士が債権者へ受任通知を送付することで、督促や取り立てが止まるのも大きなメリットです。
丹誠司法書士法人では、6万件以上の相談実績をもとに、一人ひとりの状況に合わせた解決策をご提案します。
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