自己破産は、持っている財産をお金に換える代わりに、借金返済を帳消しにしてもらう制度です。
借金の悩みから解放される手段ではあるものの、「車まで処分されるのでは」と不安に感じる方は多いでしょう。
結論から言うと、自己破産をしても車を残せるケースはあります。
ただし、ローンの有無や車の査定額によって扱いが変わるため、自身の状況を正しく把握しておく必要があります。
本記事では、自己破産で車がどう扱われるか、車を残せる条件、やってはいけないNG行動を解説します。
自己破産以外に検討できる手続きも紹介しているため、車を残しながら借金を整理する方法を検討する参考にしてください。
- 自己破産で車が処分されるケース(ローンあり/なし)
- 車を残せる条件と方法
- 車を残すためにやってはいけないNG行動
- 自己破産以外の債務整理で車を残す方法
- 自己破産後に車を手に入れる方法
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自己破産すると原則として車を失う

自己破産は、借金を帳消しにできる代わりに一定の財産を処分しなければならない手続きです。
車も財産の一つであるため、自己破産をすると原則として車は手元に残りません。
ただし、自動車ローンが残っているかどうかで車が失われる仕組みが異なるため、順に説明します。
自動車ローンが残っている場合|ローン会社に引き上げられる
多くの自動車ローンには「所有権留保」という条件が付いています。
所有権留保とは、ローンを完済するまで車の所有権をローン会社のままにしておく仕組みです。
自己破産をすると、契約どおりにローンを返済できなくなります。
そのため、ローン会社は所有権留保にもとづいて車を引き上げます。
引き上げ時期は、司法書士や弁護士がローン会社に「この人の債務整理を引き受けました」と伝える書面(受任通知)を送った時から数日〜2週間後が一般的です。
この受任通知が送られると、ローン会社は引き上げの手続きを始めます。
自動車ローンが残っていない場合|手続き中に処分される
自己破産では、借金の返済義務を免除してもらう代わりに、一定以上の価値がある財産を手放さなければなりません。
自動車ローンが残っていない車も財産の一つであるため、破産手続きの中で売却され、債権者(カード会社・消費者金融・銀行など)への返済に充てられます。
ただし、すべての車が処分されるわけではありません。
査定額が低い車や、生活に不可欠と裁判所に認められた車は、手元に残せる場合があります。
詳しくは、「ローンが残っていない車を残せるケース3つ」の見出し内で解説します。
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自動車ローンが残っている車を残せるケース

自動車ローンが残っている車は、自己破産をするとローン会社に引き上げられるのが原則です。
引き上げを回避するには、親族や友人などに第三者弁済でローンを完済してもらうのが現実的な方法です。
ただし、以下2点に注意が必要です。
- 車の査定額が20万円を超えていると、自己破産の手続きで結局処分される
- 本人のお金を親族に渡してローンを返済した場合、実質的に本人が返済したとみなされ、借金の免除が認められなくなるおそれがある
第三者弁済は、車の査定額が20万円以下と確認でき、かつ第三者自身のお金だけで返済できる場合に限り検討しましょう。
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自動車ローンが残っていない車を残せるケース3つ

自動車ローンを完済した車であっても、以下の3つのケースに当てはまれば処分を免れる可能性があります。
- 車の査定額が20万円以下
- 裁判所に車の処分が不要と認められた
- 家族が破産管財人から車を買い取った
それぞれ詳しく解説します。
車の査定額が20万円以下
自己破産では、すべての財産が処分されるわけではありません。生活に最低限必要な財産は「自由財産」として手元に残せます。
車は本来自由財産に含まれませんが、多くの裁判所では、査定額20万円以下の車を例外的に自由財産として認めています。
また、減価償却期間を過ぎた車は、原則として「無価値(0円)」として扱われます。
減価償却期間とは、車の資産価値がゼロになるまでの年数です。
普通自動車は初年度登録から「6年」、軽自動車は「4年」が目安です。
ただし、輸入車や高級車、人気車種は減価償却期間を過ぎていても市場価値が残っている場合があります。
20万円を超えているかが不安な場合は、中古自動車販売会社の査定書や自動車価格月報で査定額を確認しておきましょう。
裁判所に車の処分が不要と認められた
査定額が20万円を超えていても、裁判所で「自由財産の拡張」が認められれば車を手元に残せます。
自由財産の拡張とは、本来は自由財産に含まれない財産でも、裁判所の決定により処分しなくてよいものとしてもらう制度です。
車の自由財産の拡張が認められる可能性があるのは、たとえば以下のようなケースです。
- 公共交通機関がない地域に住んでおり、通勤に車が不可欠
- 通院や介護のために車が必要
自由財産の拡張を認めてもらうには、「車がなければ生活が成り立たない」と裁判所に納得してもらう必要があります。
車が生活維持に欠かせない理由を記した申立書に加え、医師の診断書や勤務先の証明書などを準備しましょう。
家族が破産管財人から車を買い取った
破産管財人とは、裁判所から選任された、破産者の財産を管理・売却する役割を担う人です。
自由財産の拡張が認められなかった場合でも、家族が破産管財人に査定額相当の金額を支払えば、車を買い取れる場合があります。
買い取った車は家族名義になりますが、家族の承諾があれば引き続き使用できます。
ただし、家族だからといって必ず買取が認められるわけではありません。
買い取りを希望する場合は、早めに破産管財人へ打診しましょう。
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車を残すためにやってはいけない行動3つ

車を残したいからといって、不正な行為をすると、借金の帳消し(免責)が認められなくなるおそれがあります。
ここでは、車を残すためにやってはいけない行動を3つ紹介します。
車の名義を変更する
自己破産の前に車の名義を家族に変える行為は、「財産隠し」とみなされます。
発覚すれば名義変更は取り消されるうえ、借金の免除も認められなくなるリスクがあります。
特に悪質な場合は、詐欺破産罪として刑事罰(10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金、もしくはその両方)が科される恐れもあります。
車のローンを優先して返済する
自己破産を検討している段階で、車のローンだけを返済する行為は「偏頗弁済(へんぱべんさい)」にあたります。
自己破産では、すべての債権者(カード会社・消費者金融・銀行など)を平等に扱わなければなりません(債権者平等の原則)。
特定のローンだけを優先的に返済する偏頗弁済は債権者平等の原則に反するため、借金の免除が認められなくなるリスクがあります。
車のローンを隠す
車のローンを裁判所や破産管財人に申告せず隠す行為も、不当な行為として扱われます。
自己破産では、すべての借入先を漏れなく申告する義務があります。
仮に申告しなくても、破産管財人が信用情報機関に照会すれば借入状況は把握されるため、隠し通せません。
ローンの未申告が発覚すれば、借金の免除が認められない原因になります。
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車を残したいときに検討すべき自己破産以外の手続き

借金を整理する方法は自己破産だけではありません。「任意整理」「特定調停」「個人再生」といった手続きでも、借金の負担を軽くできます。
自己破産では原則として車が処分されますが、ほかの手続きなら車を残しながら借金を整理できる場合があります。
それぞれの手続きと車への影響を解説します。
任意整理
任意整理とは、司法書士や弁護士が債権者(カード会社・消費者金融・銀行など)と直接交渉し、負担の小さい返済条件に改善する手続きです。
任意整理では、整理する借金の対象を自分で選べます。
自動車ローンを対象から外せば、ローンが残っていても車を手元に残せます。
財産の処分も求められません。
借金の元本自体は減額されませんが、返済を続けていけるだけの安定した収入があれば誰でも利用できる手続きです。
特定調停
特定調停とは、簡易裁判所を通して借金の返済方法を債権者と話し合う手続きです。
任意整理と同じく、整理する借金の対象を自分で選べます。
自動車ローンを対象から外せば、車を手元に残したまま手続きを進められます。
一方で、借金の元本は減額されにくく、裁判所への出頭や書類の準備を自分で進める必要がある点がデメリットです。
個人再生
個人再生とは、借金の返済が困難になった場合に、借金を一部減額したうえで分割払いにできる手続きです。
自動車ローンがない場合であれば、原則として車を手元に残せます。
一方、自動車ローンが残っている場合は、自己破産と同様にローン会社に車を引き上げられる恐れがあります。
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自己破産後に車を手に入れる方法4つ

信用情報機関とは、クレジットやローン、分割払いなどの利用状況などの客観的な事実(信用情報)を保有・管理する機関です。
自己破産をすると、信用情報機関が保有する信用情報に事故情報が登録されます。
いわゆる「ブラックリストに載る」状態です。
登録期間は約5〜7年です。
ローン会社は審査の際に信用情報を確認するため、登録期間中は自動車ローンの審査に通りにくくなります。
しかし、車を手に入れる方法はあります。ここでは、主な方法を4つ紹介します。
事故情報が消えるのを待つ
自己破産の手続きから約5〜7年が経過すると、事故情報は削除されます。
削除後は、ローン審査に通る可能性が復活します。
事故情報が消えたかどうかは、信用情報機関へ開示請求をすれば確認できます。
オンラインや郵送でも手続きできるため、ローン申し込みの前にチェックしておくと安心です。
家族名義でローンを組んでもらう
自己破産で事故情報が登録されるのは原則として破産した本人だけで、家族の信用情報に影響を与えません。
そのため、家族名義で車のローンを組んで購入する方法があります。
現金一括で車を購入する
ローンを組まずに現金で一括購入すれば、信用情報に関係なく車を手に入れられます。
購入費用は、破産手続き開始後に取得した財産から捻出できます。
中古車であれば数十万円台から購入できる車もあるため、まとまった金額がなくても検討の余地はあります。
カーリースやカーシェアリングを利用する
車を所有しなくても、カーリースやカーシェアリングを使えば車に乗れます。
カーリースは月額定額で車を使用できるサービスです。
ただし、契約時に審査があるため、事故情報の登録期間中は利用が難しい場合があります。
カーシェアリングは、会員登録をして使った分だけ料金を支払う仕組みです。
ローン審査がないため、事故情報が残っている期間中でも利用できる場合があります。
買い物や通院など、限られた用途であればカーシェアリングで十分対応できるでしょう。
\解決への第一歩/
自己破産と車の問題は「丹誠司法書士法人」へご相談ください

自己破産をしても、ローンの状況や査定額によっては車を手元に残せます。
一方で、名義変更やローンの優先返済といった行動を取ると、借金の免除自体が認められなくなるおそれがあります。
自己判断で動く前に、正しい方法を確認しておくのが大切です。
車を残しながら借金を整理するには、任意整理や個人再生といった自己破産以外の手続きも考えられます。
どの手続きが合っているかは、借金の総額や収入、車のローン残高によって変わるため、まずはご自身の状況を整理するところから始めましょう。
丹誠司法書士法人では、債務整理のご相談を無料で受け付けています。
「車を残せるのか」「どの手続きを選べばよいのか」といった疑問に状況に応じてお答えしますので、お気軽にご相談ください。
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