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個人再生を利用するための条件とは?手続きの種類ごとにポイントを解説

個人再生を利用するための条件とは?手続きの種類ごとにポイントを解説

「借金返済が苦しいが、自己破産はしたくない」場合に有力な解決策となるのが、個人再生です。
個人再生すれば、財産を処分せずに借金を大幅に減らして、生活を再建できます。

もっとも、個人再生は利用条件が複雑です。正しく理解しておかないと失敗に終わることになりかねません。

本記事では、個人再生の条件をわかりやすく解説します。借金返済でお困りの方は、ぜひご一読ください。

  • 個人再生の概要と手続きの種類
  • 個人再生の基本的な利用条件
  • 手続きの種類ごとの利用条件
  • 住宅ローンの残る自宅を維持するための条件
  • 個人再生の条件を満たしていない場合の対処法

個人再生とは

個人再生の概要を解説する見出しの画像

個人再生とは、裁判所に再生計画を認可してもらうことにより、借金を大幅に減額した上で分割払いにできる手続きです。

借金返済の問題を法的に解決する方法(債務整理)のひとつとして活用されています。

個人再生の種類:小規模個人再生と給与所得者等再生

個人再生には、以下の2種類の手続きがあります。

  • 小規模個人再生
    継続的な収入がある人全般を対象とする標準タイプの手続き
  • 給与所得者等再生
    サラリーマンや公務員など定期的な収入がある人に限り利用できる特殊タイプの手続き

これら個人再生の手続きは借金問題の解決に強力な効果を発揮するものの、利用条件が限定されています。

次項からは個人再生の条件を解説します。

個人再生の基本的な条件(要件)

個人再生の基本的な条件を解説する見出しの画像

個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類の手続きがあります。
どちらの手続きを選ぶとしても、まず押さえておかなければならない基本的な利用条件が存在します。

ここでは、小規模個人再生と給与所得者等再生に共通する代表的な5つの利用条件を解説します。

支払不能になる恐れがあること

個人再生は、現状の収入や財産だけではいずれ返済できなくなる状態(支払不能の恐れ)でなければ利用できません

個人再生しなくても何の問題もなく返済できる場合は、個人再生の利用は認められません。

借金の総額が5000万円以下であること

借金を含む債務(支払いをしなければいけない義務)が合計で5000万円を超える場合も、個人再生は利用できません。
この5000万円には、利息や遅延損害金(延滞金)も含まれます。

ただし、住宅ローンは5000万円から除外できる場合があります。

返済していけるだけの継続的な収入があること

個人再生は、減額された借金を3〜5年で返済する手続きです。
そのため、返済を続けられるだけの「継続的または反復した収入を得る見込み」がなければ利用できません。

単に継続的であるだけでなく、収入が返済可能な金額であることも求められます。

収入が継続的で十分な金額か否かは、裁判所が客観的な資料をもとに判断します
自分では「家計を切り詰めれば何とかなる」と思っていても、裁判所に「条件を満たしていない」と判断されることもあります。

実際、個人再生できなかったり失敗したりするケースの多くは、収入の条件を満たしていないことが原因です。

法律で定める「最低弁済額」以上の金額を返済すること

個人再生では、返済総額を自分で設定できます。
ただし、法律(民事再生法)で定められた「最低弁済額」未満にはできません

裁判所に再生計画を認可してもらうには、返済総額を最低弁済額以上に設定する必要があります。
最低弁済額の目安は、以下のとおりです。

借金の金額 最低弁済額(減額の限界)
100万円未満 借金の金額(減額なし)
100万円以上500万円未満 100万円
500万円以上1500万円未満 5分の1
1500万円以上3000万円以下 300万円
3000万円を超え5000万円以下 10分の1

たとえば、借金が1,000万円の方であれば200万円まで減額できるケースがあります。

持っている財産の価値総額以上の金額を返済すること

個人再生には、持っている財産の価値総額(清算価値)以上には借金を減額できないとするルール(清算価値保障原則)が存在します。

返済総額を清算価値以上の金額に設定しなければ、裁判所に再生計画を認可してもらえません。

また、個人再生では、返済総額を最低弁済額以上にしなければならないルールもあります。
さらに、給与所得者等再生では、返済総額を可処分所得の2年分以上の金額にする必要もあります。
そのため、以下の金額が個人再生で減額できる限界となります。

  • 小規模個人再生
    最低弁済額と清算価値のいずれか高い金額まで減額可能
  • 給与所得者等再生
    最低弁済額・清算価値・可処分所得の2年分のいずれか最高額まで減額可能

個人再生する場合は、事前に財産の価値を査定しておきましょう。

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返済可能な収入を事前に確認するため、家計の収支を洗い直しましょう

小規模個人再生に固有の条件

小規模個人再生に固有の条件を解説する見出しの画像

小規模個人再生は、給料のような定期的収入でなくても、継続的な収入があれば利用可能な、個人再生の標準手続きです。

小規模個人再生は給与所得者等再生よりも返済額を大きく減額できる場合があり、加えて利用条件も比較的緩やかに設定されています
ただし、小規模個人再生の条件として、債権者(借金の貸主)から反対意見(不同意)を出されないことが必要です。

ここでは、小規模個人再生に固有の条件である「債権者の同意」を解説します。

一定数以上の債権者に反対されていないこと

個人再生では、申し立てをした本人(再生債務者)が、減額の程度や分割払いの方法などの「借金の返済条件の変更案(再生計画案)」を作成します。
小規模個人再生では、この再生計画案に賛成するか反対するかを債権者に問う決議が実施されます。

この再生計画案の決議で、以下の債権者からの反対(不同意)回答が出されると、個人再生手続きは打ち切り(廃止)になり失敗に終わります

  • 債権者の総数の2分の1以上が反対する旨の回答を提出した場合
  • 反対する旨の回答を提出した債権者の有する債権合計額が、全体の過半数以上の金額になる場合

なお、消費者金融・クレジットカード会社・銀行など金融機関の債権者が不同意を出すことは少ないため、不同意を出す債権者は限られます。
債権者に再生計画案を同意してもらえるか不安な場合は、司法書士や弁護士に相談しましょう。

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給与所得者等再生に固有の条件

給与所得者等再生に固有の条件を解説する見出しの画像

個人再生のひとつである給与所得者等再生は、サラリーマンや公務員などの「定期的な収入がある人」が利用できる、特別タイプの手続きです。

この給与所得者等再生は、小規模個人再生と違って、債権者に賛成か反対かを聞く決議が行われません。
そのため、債権者の意向に左右されにくい点にメリットがあります。

ただし、利用条件は、給与所得者等再生の方が小規模個人再生よりも限定されています
ここでは、給与所得者等再生の代表的な利用条件を説明します。

給料のような定期的で変動の少ない収入があること

個人再生では、返済可能な継続的収入があることが最低条件です。

給与所得者等再生の場合は、継続的であることに加えて、収入が「給料のような変動の少ない定期的収入」でなければいけません

継続的・反復した収入であっても、毎月ほぼ同額がもらえるような場合でないと、給与所得者等再生を利用できない可能性があります。

可処分所得の2年分以上の金額を返済すること

可処分所得とは、収入から生活費・税金・健康保険料など最低限の支出を差し引いたものを指します
この可処分所得はかなり高額になるケースもあります。

個人再生では、返済総額を自分で設定できます。
しかし、法律(民事再生法)で定められた「最低弁済額」と、持っている財産の価値総額(清算価値)までしか減額できません

さらに、給与所得者等再生の場合は、借金の残債を「可処分所得の2年分」未満に減額することも禁じられます。

そのため、給与所得者等再生では、最低弁済額と清算価値だけで減額できる金額を決められる小規模個人再生に比べて、あまり減額できないケースが多いです。
個人再生する場合は、まず小規模個人再生できるかを検討し、債権者から多数の反対が出る見込みのときに給与所得者等再生を選択するのが基本です。

過去7年以内に自己破産の免責許可などを受けていないこと

給与所得者等再生には「再利用の制限」があります。

具体的には、以下の手続きに関する裁判所の決定が確定した時から7年以内である場合、給与所得者等再生を利用できません。

  • 自己破産の免責許可決定が確定した
  • 給与所得者等再生の再生計画認可決定が確定した
  • 個人再生の「ハードシップ免責(やむを得ない事情で返済困難になった際の免責)」が確定した

なお、小規模個人再生には「7年ルール」がありません。そのため、過去7年以内に自己破産や給与所得者等再生をしていても利用可能です。

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給与所得者等再生は、小規模個人再生を利用できない場合の救済手続きです

住宅ローンの残る自宅を維持するための条件

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個人再生には「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」と呼ばれる制度があります。

住宅資金特別条項を使うと、住宅ローンだけ個人再生の対象から外して、ほとんど契約どおりの返済を続けられます
契約どおりに返済するため住宅ローンの残る自宅を競売にかけられることがなく、他の借金だけ個人再生で減額できます。

この住宅資金特別条項は、小規模個人再生でも給与所得者等再生でも利用可能です。

ただし、住宅資金特別条項を使うには、特別な追加条件をクリアしなければいけません

ここでは、住宅資金特別条項を使うための代表的な条件を説明します。

自宅が法律で定める「住宅」であること

住宅資金特別条項を利用するには、維持したい自宅が、法律(民事再生法)で定める「住宅」に該当していなければいけません。
具体的には、以下の条件に当てはまる建物であることが必要です。

  • 申し立てした本人(再生債務者)の所有であること
  • 日常的に暮らしていること
  • 床面積の2分の1以上が居住用であること

なお、該当する建物が複数ある場合は、一番メインで使っているものだけが住宅資金特別条項の対象です。

住宅ローンが法律で定める「住宅資金貸付債権」であること

対象とする住宅ローンが、民事再生法で定める「住宅資金貸付債権」に当てはまらない場合、住宅資金特別条項は利用できません。

住宅資金貸付債権に当たるのは、以下のものです。

  • 分割払いの借金(貸付債権)であること
  • 抵当権(※)が設定されていること
  • 住宅や宅地の建設・購入・改造のための資金であること

※:抵当権とは、借金が返済されなかった場合に不動産を強制的に売却(競売)して、代金を優先的に返済に充てられる法的権利です。

一般的な住宅ローンは、ほとんど住宅資金貸付債権に該当するでしょう。

自宅に住宅ローン以外の担保が付けられていないこと

住宅資金特別条項を利用するには、自宅に住宅ローン以外の担保が付けられていないことも必要です。

たとえば、自宅に住宅ローンを担保するための抵当権以外に、事業の借金を担保するための抵当権も併せて付けられていると、住宅資金特別条項は利用できません。
また、税金の滞納で自宅が差し押さえられている場合も、住宅資金特別条項が使えなくなります。

保証会社が代位弁済をしてから6か月が経過していないこと

住宅ローンを滞納すると、保証会社が代わりにローン代金を返済します(代位弁済)。
代位弁済されると、住宅ローンの返済を請求する権利はローン会社から保証会社に入れ替わります。

保証会社が代位弁済した後でも住宅資金特別条項は利用できますが、代位弁済日から6か月以内に裁判所へ個人再生を申請(申し立て)しなければなりません
なお、6か月以内に裁判所に申し立てすると、代位弁済はなかったことになり、住宅ローンは再びローン会社に戻ります(巻き戻し)。

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上記の他にも多くの利用条件があるため、法律家へ相談することをおすすめします

個人再生の条件を満たしていない場合の対処法

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本記事で説明した利用条件を満たしていない場合、個人再生は利用できません。

しかし、生活の立て直しを諦める必要はありません。
借金返済の問題を法的に解決する方法(債務整理)には、個人再生以外にも以下の手続きがあります

  • 任意整理
    司法書士や弁護士が貸主と交渉して、より負担の小さい返済条件へと改善する手続き
  • 特定調停
    裁判所が選任した調停委員を間に入れて、貸主と話し合う手続き
  • 自己破産
    裁判所の免責許可決定により、一定の財産を処分する代わりに、借金全額を帳消し(免責)にしてもらう手続き

個人再生できない場合は、他の債務整理手続きで借金返済の問題を解決できます。

ただし、どの手続きが最適かは、資産状況や家計、今後の希望によって異なります
司法書士や弁護士に相談して、自分に合った手続きを選択しましょう。

\借金のこと、一緒に考えましょう/

債務整理の条件でお悩みの場合は丹誠司法書士法人へ

債務整理の条件で悩んでるときの相談先を解説する見出しの画像

個人再生は、財産を処分せずに借金を大幅に減額した上で分割払いにできる非常に強力な手続きです。
その反面、利用条件が厳しく、誰でも利用できる手続きではない点に特徴があります。

まずは、本記事を読み返して、自分が個人再生の利用条件を満たしているかを確認してください。
もし利用条件を満たしていないとしても、悲観する必要はありません。
任意整理・特定調停・自己破産といった債務整理方法もあります。

また、どの手続きを選ぶにしても、早めに行動することが大切です
対処が早いほど、負担の小さい手続きを選びやすくなります。

行動の第一歩として、まずは丹誠司法書士法人にご相談ください。
債務整理の実績豊富な認定司法書士が、お話をうかがい最適な方法をご提案します。

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