メッセージアプリを通じて、知らない人から自分が受け取れる支援金があるとの連絡を受けたけれど、本物の支援家かわからず対応に困っている人はいませんか?
この記事では、支援家から確実に支援金を受け取る方法はあるのか、また注意したい詐欺的行為についてご紹介します。
✓支援金詐欺メールの種類
✓支援金詐欺メールを受け取った場合の対処法
✓支援金受け取りを依頼するメールに応じて、送金してしまった場合の対処法
支援家から確実に受け取りする方法はあるのか
知らない人から支援金を受け取るよう求めるメールが届くのは、「支援金詐欺」と呼ばれる詐欺的手法であるため、支援家から確実に支援金を受け取る方法はありません。
支援金詐欺とは、金銭的な支援を持ちかけておきながら、手数料や保険料などの名目でお金をだまし取る詐欺的行為のことです。
独立行政法人国民生活センターでは、支援金詐欺について以下のように注意を促しています。
- 無償支援としてお金を本当に受け取れることはないため、知らない人からのメールは無視する、スマートフォンの設定でブロックするなど対処法を決めておく
- 一度被害にあうと、同様の手口で再度だまされてしまうことがあるので注意する
- 少しでも不安を感じたら周囲に相談する
高齢者・障がいのある方は特に狙われやすいので、周囲の人も気を付けて見守ることが大切です。
支援金詐欺メールの種類
支援金詐欺メールには、どのような種類があるのでしょうか。
3つご紹介します。
1.支援団体を名乗るメール
支援団体を名乗るメールには、次のような2つのパターンがあります。
- 被災者に対する支援団体を名乗り、支援金の寄付を求めるメールを送付してくる
- シングルマザーや高齢者といった生活に困窮する人を対象に、NPO法人や支援協会などを名乗って支援金の受け取りを求めるメールを送付してくる
寄付をしたいという善意や、生活に困っている人の弱みにつけ込む手法なので、団体が実在するのか、その実態はどのようになっているのかをしっかり確認しましょう。
2.相続税対策として支援金の受け取りを依頼するメール
相続税対策として、支援金の受け取りを求めるメールが送られてくる場合があります。
年間110万円以下の贈与については、贈与税が非課税になる制度を利用して、相続税対策だと信じ込ませようとする手法です。「節税」や「相続対策」などと謳われているメールには注意が必要です。
3.支援家を装うメール
本物の支援家や有名人を装い、支援金を受け取ってほしいという内容のメールを送ってくる場合です。
困っている人を助けたいという善意に見せかけた詐欺的手法なので注意しましょう。
支援金詐欺メールを受け取った場合の対処法
支援金詐欺メールを受け取った場合、どのような対処をするのが望ましいのでしょうか。
3つご紹介します。
メールに返信しない
支援金詐欺メールは「大金を受け取れるかもしれない」という期待を抱かせる内容となっているため、つい何らかの反応をしたくなってしまいます。
しかしここで返信をしたり、URLをクリックしたりしないことが、詐欺的行為による被害を未然に防ぐ第一歩です。
万が一、メールに返信してしまった後の典型的な流れは、次の通りです。
- 詐欺サイトに誘導される
- サイトの登録料や手数料などの支払いを求められる
(サイト内のポイントで支払うよう求められるケースもある) - 迷っていると他の利用者を装って、支払いを勧められる
- その後も、さまざまな名目で支払いを勧められる
(後で返金すると言われる場合もある)
一度詐欺サイトにアクセスしてしまうと、その後も何かしらの理由をつけて、繰り返しお金を支払うよう求められます。
詐欺だと気づいた時には、すでに多額のお金がだまし取られている場合もあります。まずはメールに反応しないことが重要だと言えるでしょう。
クレジットカードや電子マネーなどの個人情報を入力しない
支援金を受け取るための手数料の支払いを理由に、クレジットカードや電子マネーの情報を入力するよう促される場合があります。しかし、支払いをしても支援金は受け取れません。
要求に応じて支払いをすると、お金をだまし取られるだけではなく個人情報の漏洩にもつながります。
個人情報が漏洩すると、悪徳業者間で共有しているリストに掲載されたり、クレジットカードやSNSの不正利用につながったりするリスクがあります。
スマートフォンのブロック機能を設定する
支援金詐欺の手法が巧妙化しているため、メールを見ただけで見分けるのは難しいと感じる人がいるかもしれません。
そのような場合は、メールやSMS、SNS、アプリのブロック機能やフィルター機能などを利用し、不審なメッセージを受信しないようにするのがおすすめです。
「支援金受け取りのお願い」というメールから送金した場合の対処法
もし支援金詐欺だと気づかず、「支援金受け取りのお願い」と書かれたメールに誘導されて送金してしまった場合、どのような対処が必要なのでしょうか。
3つご紹介します。
銀行やクレジットカード会社に連絡する
支援金詐欺に気づいたら、まずは振込をした金融機関やクレジットカード会社に連絡しましょう。
金融機関に連絡すると振り込め詐欺救済法に基づいて、振込先の口座を利用停止(口座凍結)し、被害金額の一部またはすべてを、被害回復分配金として受け取れる可能性があります。
被害回復分配金の支払いを受けるためには、被害者が金融機関に連絡をした上で所定の「申請書」、運転免許証などの「本人確認書類」、明細書などの「振込を証明するための書類」を提出する必要があります。
詳細は金融庁のホームページに記載されているので確認してみましょう。
一方クレジットカード会社では、利用履歴をチェックして不正利用か否かを判断します。不正利用が認められた場合は、取引の停止や取り消しをしてもらえます。
適切な手続きをすることで返金される可能性が高まるため、早急に連絡しましょう。
警察に相談する
支援金詐欺かどうかわからず、その判断も含めて相談したい場合は、警察相談専用電話「#9110」を利用するのがおすすめです。受付時間は平日8:30〜17:15となっていますが、各都道府県警察本部によって異なります。
また、相談内容についてのアドバイスはもらえますが、返金に向けた対応はしていないため注意しましょう。
司法書士・弁護士に相談する
詐欺被害にあった場合、法律の知識を持つ司法書士や弁護士に相談すると、返金や法律上の手続きがスムーズに進められます。
詐欺被害に関する豊富な知識や経験を有するため、解決へ向けたアドバイスをしてもらえるのです。
支援金詐欺メールのスクリーンショットや振込明細書などの証拠になるものをそろえ、相談してみましょう。
まとめ
支援家から確実に金銭を受け取る方法というのは存在しません。メールの目的は、あなたのお金をだまし取ることです。
支援金詐欺を未然に防ぐためにも知らない人からのメールには安易に返信せず、必要であればブロックするなどの対処をすることが大切です。