債務整理を検討しているものの「どこに相談すればいい?」「無料で相談できる窓口はある?」などの疑問を抱いていませんか。
本記事では、債務整理を無料で相談できる窓口や司法書士・弁護士に依頼するメリットを紹介します。借金問題を解決して生活を立て直したい方は、ぜひ参考にしてください。
✓債務整理を司法書士・弁護士に依頼するメリット
✓債務整理にかかる費用の相場
✓債務整理の相談で準備しておくもの
債務整理とは
債務整理とは、借金の返済額を下げたり将来利息をカットしたりすることで、お金の悩みを解決する手続きです。
ここでいう「借金」には、消費者金融や銀行、クレジットカードのキャッシング・リボ払いはもちろん、住宅ローンや奨学金の返済なども含まれます。
債務整理には、おもに以下の4つの方法があります。
- 自己破産:すべての借金をゼロにする(非免責債権を除く)
- 個人再生:原則3~5年間で分割して返済できる金額まで減額
- 任意整理:将来利息のカットや月々の返済額の減額、分割払いなどについて債権者と交渉
- 特定調停:債務者・債権者が合意した負債総額や支払い方法等に沿って分割弁済
どの手続きが適しているかは状況によって異なります。まずは公的機関や司法書士・弁護士などへ相談することが重要です。
ただし特定調停の場合は、債務者が自ら手続きを行うことで費用を抑える債務整理であるため、司法書士や弁護士に依頼するケースは稀です。
債務整理・借金返済の無料相談ができる窓口
借金問題でお困りの場合、債務整理の相談費用も最小限に抑えたいと考えている方が多いでしょう。
ここでは、債務整理や借金問題の解決に向けて無料でアドバイスがもらえる相談窓口を9つ紹介します。
- 司法書士事務所
- 弁護士事務所
- 日本司法支援センター(法テラス)
- 弁護士会・司法書士会の法律相談センター
- 日本貸金業協会
- 日本クレジットカウンセリング協会
- 全国銀行協会
- 国民生活センター・消費生活センター
- 市役所・区役所
以下でそれぞれ詳しく解説します。
司法書士事務所
自力での借金返済が難しい場合は、法務大臣の認定を受けた認定司法書士へ債務整理の相談をするのがスムーズです。多くの司法書士事務所では、債務整理に関する相談を無料で受け付けています。
裁判所を介さない任意整理は、司法書士が代理人となって手続きを行えます(1社あたり元金140万円以下の債務に限る)。
自己破産や個人再生の手続きでは司法書士が代理人になれませんが、書類作成のサポートまで対応可能です(債務額の制限なし)。
以上のように、司法書士は対応できる業務に制限があるものの、債務整理の依頼費用は弁護士に比べて安価な傾向があります。司法書士が任意整理を代理する場合、債権者1社につき受け取れる報酬額は5万円までというルールがあります。しかし、弁護士の場合は報酬の上限が定められていないため、価格に差が生じやすくなっています。
債務整理の手続きにかかる費用を少しでも抑えたい場合は、司法書士への相談を検討してみてください。
弁護士事務所
弁護士はすべての債務整理において、依頼人の代理人として債権者との交渉や裁判所への申立てが可能です。債務額の制限もないため、1社あたりの元金が140万円を超えている方、任意整理以外の債務整理を検討している方に向いています。
弁護士事務所の相談料は「30分〇円」など時間に応じて設定していることもありますが、無料で相談できるケースもあります。
ただし、弁護士は業務内容が非常に幅広いため、得意・不得意のジャンルがあるケースがほとんどです。とくに債務整理は専門的な知識やノウハウが必要なので、弁護士に依頼する場合は「債務整理に関して豊富な経験があるか」を確認しましょう。
日本司法支援センター(法テラス)
国が運営する日本司法支援センター(法テラス)は、法律に関する相談や支援を行う相談窓口です。経済的に余裕がない場合、債務整理を含む法律相談を無料で受けられるほか、弁護士・司法書士への依頼費用を一時的に立て替えてもらえるサービスもあります(原則として分割での返済が必要)。
ただし、法テラスの無料法律相談は1回30分程度、同一の問題につき3回までの制限があります。また無料相談や弁護士・司法書士費用の立て替えを依頼する際は「依頼者と家族の収入や預貯金が一定額以下であること」などの厳しい条件があり、あまり現実的な方法ではありません。
弁護士会・司法書士会の法律相談センター
一般的に、弁護士会・司法書士会の法律相談センターでの法律相談は有料ですが、債務整理に関しては無料で相談に乗ってくれるケースも少なくありません。
ただし「1人1回まで」「無料相談は30分程度」など、回数制限や時間制限が設けられていることがほとんどです。また、実際に債務整理の手続きを依頼する場合は、費用が発生します。
日本貸金業協会
日本貸金業協会とは、消費者金融業者や事業者金融業者、クレジットカード会社などの貸金業による自主規制機関です。日本貸金業協会が運営している「貸金業相談・紛争解決センター」では、借入れや返済、多重債務などに関する相談を無料で受け付けています。
ただし、日本貸金業協会が対応できるのは債務整理や借金に関する相談対応や助言までです。手続きに必要な書類を作成したり、代理人となって債権者と交渉したりすることはできません。
日本クレジットカウンセリング協会
日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)とは、消費者の保護を目的とした公益財団法人です。クレジットカードや消費者ローンなどの利用によって多重債務を抱えている方に対し、無料の電話相談やカウンセリングを行っています。
カウンセリングは弁護士や消費生活アドバイザー、臨床心理士などが共同で行い、任意整理にも無料で対応してもらえます。弁済計画の策定や業者との交渉もすべて無料のため、費用を気にせずに依頼できるのがメリットです。
ただし、営業で返済が困難になった法人・個人事業主は対象にならないため、注意が必要です。
また、任意整理以外(自己破産・個人再生・特定調停など)に関してはアドバイスのみであり、手続きに関する業務はできません。
全国銀行協会
全国銀行協会(全銀協)とは、銀行取引の適正性の確保や消費者保護のために活動する一般社団法人です。全銀協では、多重債務や住宅ローン、カードローン等の返済に困っている個人を対象に、無料のカウンセリングサービスを行っています。
ただし、電話や面談での相談や借金返済に関するアドバイスのみで、実際の債務整理に関する業務は依頼できません。
国民生活センター・消費生活センター
消費生活全般の相談窓口である国民生活センターや消費生活センターでも、多重債務や債務整理に関する相談ができます。
通話料以外はすべて無料のため気軽に相談できますが、相談員が対応できるのは借金問題の解決に向けたアドバイスや情報提供のみです。
市役所・区役所
市役所や区役所の生活相談窓口や福祉課でも、債務整理の相談に応じてもらえます。自治体によっては借金問題に関する専門の相談員が常駐していたり、弁護士や司法書士による無料の法律相談を開催したりと、相談しやすい環境が整えられていることも多いです。
ただし、市役所や区役所の相談員ができるのは助言のみで、消費生活センターと同様に、手続きに関する業務には対応していません。
実際に債務整理の手続きをする際は、司法書士・弁護士に依頼しましょう
債務整理を司法書士・弁護士に依頼する5つのメリット
自分で債務整理の手続きをする場合、裁判所へ提出する書類作成から貸金業者との交渉に至るまで、すべて一人で行う必要があります。貸金業者と交渉力の格差があれば不利になってしまうため、法律の知識が豊富な司法書士や弁護士などに任せるのがおすすめです。
以下では、債務整理を司法書士・弁護士に依頼するメリットを5つ紹介します。
1.賃金業者からの取り立てが止まる
司法書士や弁護士に債務整理を依頼すると、クレジットカード会社や消費者金融などの貸金業者に対して「受任通知」が送付されます。借入先に通知が届いた時点で、取り立てが止まります(貸金業法の第21条1項9号)。
通知の送付後は、すべて司法書士・弁護士経由でのやり取りになるため、債権者からの取り立ての電話やメールに悩まされる心配がなくなります。
2.司法書士・弁護士が最善の解決策を提案してくれる
前述のとおり、債務整理の手続き方法は複数あります。どの方法が適しているかは借金額や収入、財産などの状況によって異なるため、自己判断は困難です。
その点、司法書士や弁護士に相談すれば、一人ひとりの状況を正確に把握したうえで最適な解決方法を提案してもらえます。
3.借金問題をいち早く解決できる
借金問題の解決が遅れると利息や遅延損害金がどんどん膨らみ、状況がさらに悪化してしまいます。そのため、生活を立て直すにはできるだけ早めの対処が重要です。
債務整理の実績が豊富な司法書士・弁護士に依頼することでスムーズに手続きが進み、スピーディな解決を目指せます。
4.返済額を減額できる可能性がある
自分で手続きをした場合、法律の知識や交渉経験の不足により、債務者との交渉が失敗に終わってしまうケースも少なくありません。とくに、裁判所を介さない任意整理は当事者間の話し合いのため、交渉力次第で借金の減額幅が変わります。
その点、司法書士・弁護士に任せれば、無理なく返済できる条件で和解できるよう、豊富な知識とノウハウを駆使して交渉してくれます。その結果、借金の減額や将来利息のカットに成功する可能性が高まります。
5.過払い金を取り戻せる
司法書士や弁護士は貸金業者から取引履歴を取り寄せ、法定利息に基づいて引き直し計算をし、過払い金(支払いすぎた利息)の有無を確認してくれます。
引き直し計算は自分でも行えますが、間違えると過払い金の請求ができなくなるリスクもあります。
司法書士や弁護士へ依頼することで引き直し計算の手間を省けるとともに、支払いすぎたお金が戻ってくる可能性も上がります。
債務整理にかかる費用の相場は?
無料で債務整理の相談に応じている窓口は数多くありますが、実際の手続きには費用がかかります。ここでは、自分で債務整理をする場合や司法書士・弁護士に依頼する場合の費用相場を解説します。
自分で債務整理をする場合
自分で債務整理の手続きをする場合の費用相場は、以下のとおりです。
債務整理の種類 | 費用の目安 |
自己破産 | 裁判所への支払う手数料
・同時廃止事件:1.4万円程度 ・管財事件:22万円程度 |
個人再生 | 裁判所への支払う手数料:約3万円
(個人再生委員が選任された場合は15~25万円の報酬が別途必要) |
特定調停 | 申立手数料と手続費用:業者1社につき500円程度 |
任意整理 | 切手代、印紙代など1,000~2,000円程度 |
自分で債務整理をする場合は取り立てをストップできないため、手続きと並行して返済を続ける必要があります。
滞納のリスクや一括請求のリスクも高まるため、自力での債務整理はおすすめできません。
司法書士や弁護士に債務整理を依頼する場合
司法書士や弁護士に債務整理を依頼する場合、債務整理の種類や債権者の数によって費用が異なります。依頼費用の目安は、以下のとおりです。
債務整理の種類 | 司法書士に依頼した場合 | 弁護士に依頼した場合 |
自己破産 | 平均30万円 | 平均50万円 |
個人再生 | 平均40万円 | 平均60万円 |
任意整理(債権者1社あたり) | 平均5万円 | 平均6万円 |
上記のほか、債務額を減額できた場合や利息を取り戻せた場合の報酬金、事務手数料などが発生することがあります。
債務整理の相談時に準備しておくもの
公的機関や司法書士・弁護士に債務整理の相談をする場合、以下の書類を準備しておくとスムーズです。
- クレジットカード・消費者金融のカード
- 督促状
- 家計収支のメモ
- 顔写真つきの身分証明書
まとめ
債務整理の無料相談ができる窓口は数多くありますが、公的機関が対応できるのは問題解決に向けたアドバイスにとどまるケースがほとんどです。
すでに自力での借金返済が難しい状況なら、最初から司法書士または弁護士に相談し、債務整理を依頼するのがスムーズです。
丹誠司法書士法人では、法務大臣の認定を受けた認定司法書士が債務整理に関する相談を受け付けています。
「債務整理するか迷っている」「どの方法が適しているかわからない」といった場合も、お気軽にご相談ください。
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