注目キーワード

任意整理は借り入れ先の一部だけでも可能!対象を選ぶメリットや注意点を解説

「借金の返済は苦しいが、整理したくない借金がある…」
このように考えて債務整理に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
たとえば、家族が借金の保証人になっている場合や、仕事で使う車にローンが残っている場合など、家族や仕事といった「守りたいもの」があるケースです。

任意整理であれば、すべての借金を対象にする必要はなく、「一部だけ」選んで手続きをすることができます
「この借金だけ整理する」「この借金はそのまま返す」といった選び方が可能です。

本記事では、任意整理を一部だけ行う具体的なケースメリット・注意点を解説します。
任意整理に踏み切れないとお悩みの方は、ぜひご一読ください。

  • 一部だけの任意整理の可否
  • 一部だけ任意整理する典型的な5つのケース
  • 一部だけ任意整理する場合の注意点
  • 任意整理の対象を選択する際のポイント

\任意整理の進め方を確認する/

任意整理は一部だけできる?手続き対象を選べる仕組み

任意整理は一部だけできる?手続き対象を選べる仕組みについて解説する見出しの画像

任意整理では、借り入れ先の一部だけを手続きの対象にできます

たとえば、以下のように手続きの対象を選ぶことが可能です。

  • A社:保証人付きの借金→任意整理の対象から外す
  • B社:自動車ローン→任意整理の対象から外す
  • C社:カードローン→任意整理の対象にする

任意整理は、借り入れ先ごとに司法書士や弁護士が個別に交渉し、負担の小さい返済条件へ見直しを行う手続きです。
借り入れ先ごとに手続きの対象を選べる点は、任意整理の大きなメリットです。

一方、借金返済の問題を法的に解決する債務整理には個人再生や自己破産などの手続きもあります。
これらは通常すべての債務をまとめて手続きの対象とするため、借り入れ先を自由に選ぶことはできません

\手続きの対象選びについて相談する/

一部の借り入れ先のみ任意整理できる理由

一部の借り入れ先のみ任意整理できる理由を解説する見出しの画像

任意整理は、借金問題を法的に解決する「債務整理」のひとつです。
債務整理には、「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」の4つの方法があります。

これらの手続きは同じ債務整理であっても、次の表のように仕組みが異なります
そのため、借り入れ先を選べる手続きと選べない手続きがあります。

債務整理の種類 裁判所の関与 債権者の選択 特徴
任意整理 なし 可能 個別交渉で返済条件を見直す
特定調停 あり 可能 裁判所を介した手続きにより返済条件を見直す
個人再生 あり 原則不可 借金を減額した上で分割返済
自己破産 あり 不可 すべての借金を免除

裁判所を通す手続きである個人再生や自己破産の場合、「債権者平等の原則」によって、すべての債権者(※)を平等に扱うことが強く求められます。
借り入れ先の一部だけ対象から外すことはできません
※:債権者とは、消費者金融や銀行など、返済を請求する権利を持つ人や会社のこと。

一方で、任意整理は手続きの対象とする債権者を柔軟に選べます
個人再生や自己破産ほど厳しい債権者平等は求められません

また、任意整理は特定調停と異なり、裁判所で手続きを行う手間もかかりません
そのため、借り入れ先を選んで債務整理したい手続きから外したい借り入れ先がある場合には、任意整理が選ばれることが多いです。

\自分は一部だけ整理できるか相談する/

任意整理が必要ない典型的な5つのケース

任意整理が必要ない典型的な5つのケースについて解説する見出しの画像

借り入れ先の一部だけ任意整理をすることは、珍しくありません。

ここでは、借り入れ先を選択する場合に、手続きの対象外とする典型的なケースを5つ解説します。

総額や毎月の返済額が少額な借金

任意整理をしても返済額を抑えられなかったり、かえって金額が増えてしまうような借り入れ先は、対象から外した方が返済負担を軽減できるケースもあります。
任意整理の費用は借り入れ先1社ごとに計算するため、対象を減らすことはコストを下げることにもつながります。

そのため、「任意整理をしても効果が得られない」借り入れ先は、対象から外すことが多いです。

具体的には、以下のケースです。

  • 借金の総額が小さい
  • 毎月の返済額が小さい(概ね5000円以下)

家族・親族や勤務先からの借金

家族や親族、勤務先などからの借金を債務整理の対象にした場合、司法書士や弁護士の介入によって、相手から「直接話し合うつもりがない」と誤解されることがあります。
そのため、人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に勤務先を対象にすると、仕事上の不都合を生じるかもしれません。

実際に、任意整理の場合、家族・親族・勤務先からの借金は、対象から外すことが多いです。
対象から外せば、家族・親族・勤務先に任意整理していることを知られずに済みます。

保証人・連帯保証人が付いている借金

借金の中には、保証人や連帯保証人が付いているものもあります。
たとえば、奨学金です。

ただし、保証人が付いている借金を任意整理の対象にすると、貸主は、保証人に借金を肩代わりするよう請求します。
借主が契約どおりに借金返済ができないと判断されるため、借金残額を一括で支払うよう求めるのが通常です。

保証人に迷惑をかけたくない場合は、任意整理を選択することで、保証人付きの借金だけ手続きの対象から外せます
保証人付きの借金を外して任意整理をすれば、保証人に負担が及ぶことはありません。

自動車ローンや住宅ローン

住宅ローンや自動車ローンの残額がある場合に自己破産や個人再生をすると、家や車は手放さないといけなくなるケースが一般的です。

ただし、任意整理であれば手続きの対象を選べるため、住宅ローンや自動車ローンを対象から除外できます。
そのため、家や車を残したまま、手続きを進められます。

車や家を残したいまま借金を整理したい場合は、任意整理を選ぶのが最適です。

個人事業の取引先や仕入れ先への支払い

個人事業主が取引先や仕入れ先を債務整理の対象にすると、支払期限の延長や減額交渉など、相手に支払い条件の見直しを求める必要が生じます。
支払い条件の見直しは、取引先に「資金繰りが厳しいのでは」「今後の取引は大丈夫か」といった疑念を抱かせる可能性があります。
その結果、取引先や仕入れ先からの信用を失い、個人事業を続けられなくなる恐れがあります。

そのため、個人事業主(フリーランスや自営業)の場合は、取引先や仕入れ先への支払いを任意整理の対象から外すことが一般的です。

丹誠司法書士法人 広報
債権者の一部だけ任意整理することは、珍しくありません

借り入れ先の一部だけ任意整理する場合の4つの注意点

借り入れ先の一部だけ任意整理する場合の4つの注意点を解説する見出しの画像

借り入れ先の一部だけ任意整理すると、保証人への迷惑や自動車の引き揚げなどを避けられます。
個人再生や自己破産にはない、任意整理特有の大きなメリットです。

ただし、手続きの対象とする借り入れ先を選べるからといって、むやみに除外する借り入れ先(債権者)を増やすと、思わぬ不利益が生じる恐れがあります。
そのため、任意整理の対象とする借り入れ先は慎重に判断することが大切です。

ここでは、「一部だけの任意整理」をする際に気をつけることを4つ解説します。

対象を絞りすぎると返済計画を立てられない可能性がある

任意整理の対象にしない借金は、今までどおりに返済を続けなければいけません。
そのため、任意整理をした後は、手続きの対象にした借金と対象にしなかった借金の両方を返済していくことになります。

手続きの対象から外した借り入れ先への返済額が大きいと、月々の支払い額が高額になる可能性があります。
その結果、収入では支払い切れなくなり、全体の返済計画が立てにくくなります。

任意整理を成功させるには、「対象外にした借金も含めて、すべての借金を返済できる」ことが最重要です。
対象から外す借り入れ先を選ぶ際は、「返済の見通し」を慎重に検討しましょう。

対象にしなかった金融機関からの借り入れやローンもできなくなる

任意整理をすると、信用情報機関が保有する信用情報に事故情報(いわゆる「ブラックリスト」)が掲載されます。

金融機関は、信用情報を確認して貸し付けやローンの可否を判断します。
信用情報に事故情報が掲載されている人の審査通過は難しいでしょう。

そのため、任意整理をすると手続きから除外した金融機関であっても、借り入れやローンを利用できなくなる可能性があります。

対象にしなかったクレジットカードもすべて使えなくなる

信用情報に事故情報(ブラックリスト)が掲載されると、クレジットカードの利用もできなくなります

金融機関は、定期的に会員の信用情報をチェックしています。
そのため、任意整理の対象にしなかったクレジットカードもいずれ利用できなくなる可能性が高いです。

「このクレジットカードは使い続けたい」といった理由だけで、特定のカード会社を対象から外すのは、おすすめできません。

任意整理後に個人再生・自己破産する場合に不利益が生じる

一部だけの任意整理をしたものの、減収や事故などにより途中で返済できなくなり、改めて個人再生や自己破産を行うケースがあります。

しかし、一部だけの任意整理に失敗した後に個人再生や自己破産を行う場合、以下のような不利益が生じる可能性があります。

  • 自己破産の場合
    特定の債権者にだけ優遇した返済(偏頗弁済)をした、または不用意に財産を減らしたとして、裁判所に免責を許可してもらえなくなるリスクが発生する
  • 個人再生の場合
    偏頗弁済した金額が返済総額に加算され、減額できなかったり、再生計画を認可してもらえなかったりする恐れがある

一部だけの任意整理をする場合は、多少の収入の変動があっても返済を続けられるよう、無理のない返済計画を立てましょう

丹誠司法書士法人 広報
一番大事なことは、すべての借金を確実に返済することです

\将来のリスクを踏まえた返済計画を相談/

任意整理の対象とする相手を選択する3つのポイント

任意整理の対象とする相手を選択する3つのポイントについて解説する見出しの画像

対象を選択できるのは任意整理の大きなメリットですが、安易に特定の借り入れ先(債権者)を手続きの対象から外すと失敗する原因になりかねません。
生活を確実に立て直すためには、任意整理の対象先を慎重に選択する必要があります。

ここでは、任意整理の対象とする借り入れ先を選択する際に気をつけておくべきポイントを3つ解説します。

すべての借り入れ先・支払いを司法書士・弁護士に伝える

司法書士や弁護士に任意整理を相談すれば、「手続きの対象とすべき債権者」と「外しても問題ない債権者」をはっきりと示してくれるはずです。

危険なのは、自己判断で「この債権者は外しても大丈夫」と考えて、司法書士や弁護士に申告せずに済ませてしまうケースです。

司法書士や弁護士は、全体の収支や負債を総合して任意整理の返済計画を考えています。
申告漏れがあると、正しい診断ができず、任意整理に失敗する原因となりかねません。

任意整理を成功させるため、司法書士や弁護士にはすべての借金や負債を申告しましょう。
外したい借り入れ先がある場合は正直に申告した上で、「外してもよいか」を相談することをおすすめします。

対象から外す借り入れ先を厳選する

安易に任意整理の対象からいくつもの借り入れ先を外すと、返済額を調整できず、手続きが進みません。
そもそも任意整理できない可能性もあります。

任意整理の対象から外す借り入れ先は、「外さなければ生活や仕事に重大な悪影響が生じるか否か」を基準に厳選しなければいけません。

具体的には、次の5つのパターンを基本と考えてください。

  • 総額や毎月の返済額が小さい借金
  • 家族・親族・勤務先などからの借金
  • 保証人・連帯保証人が付いている借金
  • 自動車ローンや住宅ローン
  • 個人事業の取引先や仕入れ先への支払い

これらに該当しないものは、基本的に任意整理の対象とした方がよいでしょう。
ただし、司法書士や弁護士に状況をすべて申告したうえで、任意整理の対象範囲を判断してもらいましょう。

家計の収支を見直して返済可能か判断する

任意整理は、3年以上にわたり毎月の支払いが続くこともあります。
返済に必要な収入が確保できていれば、任意整理で返済計画を立て直すことが可能です。

まずは、家計の収入と支出をすべて詳細に洗い出しましょう。
子どもの進学費のような将来の出費も計算に入れておくと、より正確に返済可能額を判断できます。

任意整理の対象とする借り入れ先の選択は、生活や仕事上の必要性だけでなく、「返済の見通し(無理なく返済を続けられるかどうか)」という観点から判断することも大切です。

丹誠司法書士法人 広報
任意整理の対象の選択に迷ったときは、司法書士や弁護士に相談しましょう

\返済額軽減の可能性をチェック/

一部だけ任意整理する場合の最終判断【メリット・デメリット総まとめ】

一部だけ任意整理する場合の最終判断【メリット・デメリット総まとめ】について解説する見出し画像

一部だけの任意整理には、メリットとデメリットの両面があります。

重要なのは、メリットだけでなく「一部だけ任意整理する場合のデメリットやリスクも踏まえて、対象にする借り入れ先を選ぶこと」です。

<メリット>

  • 司法書士や弁護士の費用を抑えられる
  • 家族・親族・勤務先に知られる可能性を減らせる
  • 保証人に迷惑をかけずに対応できる
  • 自動車や住宅などローンで購入した商品を残せる
  • 個人事業の取引先や仕入れ先からの信用を維持できる

<デメリット>

  • 対象を一部だけに限定し過ぎると正確な返済計画が立てられない
  • 返済計画が立てられず、任意整理の手続きを進められない
  • 対象から外した借金の返済が苦しくなり、任意整理に失敗するリスクが高まる
  • 任意整理後に個人再生や自己破産する場合に、偏頗弁済の問題が生じる可能性がある

任意整理は単に「整理する相手を選ぶ」だけでなく、全体の収支や法的なバランスを踏まえた高度な判断が求められます。
そのため、自分だけで判断するのは難しく、早めに司法書士や弁護士へ相談することが重要です。

\任意整理のメリット・デメリットを確認する/

最適な任意整理を希望する方は丹誠司法書士法人へ!

最適な任意整理を希望する方は丹誠司法書士法人への相談を提案する見出しの画像

借り入れ先の一部だけを選択できるメリットは、個人再生や自己破産にはない任意整理特有の魅力です。

ただし、任意整理の対象選択は、将来のリスクを見据えた客観的な判断が必要です。
目先の便利さだけを基準に対象を選択すると、返済に行き詰まり、任意整理前よりも状況が悪化してしまうかもしれません。

任意整理で対象とする借り入れ先の選択に迷った場合は、実務経験のある司法書士や弁護士に相談しましょう。

丹誠司法書士法人では、任意整理に精通した認定司法書士が、無料相談を受け付けています。
個別のご事情に応じて、対象とする借り入れ先の最適な選択をご提案します。

借金返済で生活が圧迫されている方は、お早めにご相談ください。
生活の再建を、全力でサポートします。

  LINEで簡単!無料相談

  WEBで手軽に!無料相談