「自宅と会社との往復で新しい出会いがない!出会い系サイトやマッチングアプリを使いたいけど、危険なニュースもあるし正直怖い…。」
このような気持ちから、登録をためらっている人は大勢いらっしゃるでしょう。
この記事では、出会い系サイトやマッチングアプリを使う上での注意点からトラブル事例まで詳しくご紹介します。注意点を知っておくことで、安全な使用方法が見えてくるでしょう。
✓マッチングアプリを使う時の注意点
✓出会い系サイトやマッチングアプリでのトラブル事例
✓出会い系サイトやマッチングアプリでトラブルがあった時の相談先
✓出会い系サイトとマッチングアプリの現状
出会い系サイトやマッチングアプリを使う時の注意点
出会い系サイトやマッチングアプリを使う時には、どのような注意点があるのでしょうか。
それぞれご紹介します。
出会い系サイトを使う時の注意点
出会い系サイトを使う時は、まず禁止事項を把握しましょう。警視庁のホームページでは出会い系サイトの使用について、以下のような人・書き込みを禁止しています。
1 児童(18歳未満者をいう。以下同じ。)は使ってはいけません
2 次のような内容を書き込むことは禁止されています
(1)児童に性交等をもちかけること
(2)人に、児童との性交等をもちかけること
(3)対償を示して、児童に性交等以外の異性交際をもちかけること
(4)対償を受けることを示して、人に児童との性交等以外の異性交際をもちかけること
(5)性交等や対償供与が含まれない、児童に係る異性交際を持ちかけること引用元:警視庁「いわゆる出会い系サイトに関する注意」
18歳未満の児童が利用できないだけではなく、大人が児童に援助交際や異性交際を求めることも禁止されています。
また、最後の項目以外は罰則があるので注意しましょう。
児童がトラブルや危険に巻き込まれないためにも、大人が率先して出会い系サイトを利用する際の禁止事項を理解し、守ることが大切です。
マッチングアプリを使う時の注意点
独立行政法人国民生活センター(消費生活センター)では、マッチングアプリを通じて投資を持ちかけられ、送金すると連絡が取れなくなったという相談が増えたと発表しています。
国民生活センターではトラブル防止のため、以下の項目に当てはまった場合、警戒するよう呼びかけています。
項目 | 概要 |
相手の特徴 |
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連絡方法 |
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投資の勧誘方法 |
|
トラブルを防ぐためにも、相手から結婚を前提として投資を持ち掛けられた場合は、上記の要件に当てはまっていないかを確認してください。
出会い系サイトやマッチングアプリでのトラブル事例と相談先
画像:独立行政法人国民生活センター「出会い系サイト」より
国民生活センターでは、マッチングアプリを含む出会い系サイトについての相談件数を、毎年上記のように公表しています。
相談件数は毎年1,000件程度減少する傾向にあるものの、トラブルに巻き込まれる可能性が低いとまでは言い切れないでしょう。
出会い系サイトでのトラブル事例
出会い系サイト利用時のトラブル事例を2つご紹介します。
SNSから出会い系サイトに誘われ、高額な料金を請求された事例
SNSで知り合った相手に別の出会い系サイトでのやり取りを持ち掛けられ、高額な会員登録料を支払うように言われて不審に思った相談者が、国民生活センターに相談した事例です。このような相談は国民生活センターに多数寄せられていて、高額な情報商材を購入させられた事例もあります。
国民生活センターで対応できるのは、あくまでも相談やアドバイスです。返金へ向けた手続きやサポートを求める場合は、司法書士や弁護士に依頼するのが望ましいでしょう。
出会い系サイトでトラブルに巻き込まれた場合の返金方法は、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
いまやマッチングアプリや出会系サイトは、ポピュラーな「出会いの場」といえるでしょう。インターネットを通じて出会い、結婚するカップルも多くいらっしゃいます。 出会系サイトやマッチングアプリの利用が一般的になった時代だからこそ、サービスを[…]
サクラと思われる人物に、高額な料金を支払った事例
出会い系サイトを通じて異性と会う約束をしたものの、結局会えなかったという事例です。
相談者は数か月間で複数回、会う約束をしたけれど、直前にいつもキャンセルとなり会えなかったことから、利用料金の返金を希望し、国民生活センターに相談したそうです。
詐欺まがいの悪徳業者の場合、異性の会員を装ったサクラに一般会員とメールのやり取りをさせ、多額の料金を支払わせようとする場合があります。
しかしこの事例も、個人が事業者へ返金を求めるのは難しいでしょう。返金を求める場合は、司法書士や弁護士に相談してみましょう。
マッチングアプリでのトラブル事例
画像:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「マッチングアプリの動向整理」より
消費者庁が2021年12月23日に開催した「第43回インターネット消費者取引連絡会」では、マッチングアプリの利用について、その動向を整理した資料が配布されました。
20代〜40代までの516人の男女を対象に、マッチングアプリ利用時のトラブルや困ったことの有無をたずねた所、性別や世代に関係なく半数以上の人が「あった」と回答したのです。
この結果を基にして、マッチングアプリでのトラブル事例を2つご紹介します。
出会い系サイトへ誘導され、高額な費用を支払った事例
相談者は、マッチングアプリで出会った相手から「スマホが壊れた」という理由で、別の出会い系サイトでのやり取りを持ちかけられたそうです。サイトの会員になるための費用として3,000円、個人情報の交換費用として70,000円を支払いました。
しかし個人情報の交換ができなかったため、返金を希望して国民生活センターに相談したのです。
相談者は相手から「これまでかかった費用は返金される」と聞いていたそうです。しかし相談時にはすでに、相手がマッチングアプリから退会していました。
他のサイトへ誘導し、「入会費用」「ポイント料金」「個人情報交換」などさまざまな名目で少しずつお金を支払わせ、ある程度高額になった時点で連絡が取れなくなるという手口が存在することを、覚えておきましょう。
投資商品を勧められ、合計270万円支払った事例
相談者はマッチングアプリで知り合った相手から、暗号資産への投資を勧められました。
案内されたURLから海外投資業者のアプリをインストールし、指定された銀行口座に50万円を入金し売買をしたところ利益が出たため、相手を信じてしまったそうです。
その後複数の口座に合計270万円を振り込んだところ、さらに振込の依頼があったため投資詐欺だと気づきました。
しかし相手とはマッチングアプリでしかやり取りができず、海外投資サイトの事業者とも連絡が取れなかったため、国民生活センターに返金ができるかたずねたのです。
暗号資産への投資は返金が困難な場合が多いため、マッチングアプリで知り合った人からの投資の誘いには乗らないようにしましょう。
出会い系サイトやマッチングアプリでのトラブル時の相談先
画像:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「マッチングアプリの動向整理」より
第43回インターネット消費者取引連絡会が、マッチングアプリ上でトラブルがあった時に問い合わせや相談を行った98人に対して、相談先について聞いたところ上記のグラフのような結果でした(※)。
マッチングアプリとアプリストアの運営事業者に対する相談が合計で89.8%を占めていますが、もし詐欺まがいの悪徳業者がマッチングアプリを運営していた場合、解決するのが難しい場合もあります。
そのためトラブルをスムーズに解決したい場合は、司法書士や弁護士に相談するのがおすすめです。
※回答者のなかには、複数箇所へ相談した人も含まれています。
出会い系サイトとマッチングアプリの現状
ここまでの内容を見ると、出会い系サイトやマッチングアプリは、詐欺的行為をはたらく人ばかりが登録しているように見えてしまいます。実際のところ、出会い系サイトとマッチングアプリは、どのように使われることが多いのでしょうか。
3つの観点からご紹介します。
出会い系サイトとマッチングアプリの違い
そもそも出会い系サイトとマッチングアプリには、次のような違いがあります。
出会い系サイト | マッチングアプリ | |
目的 | 友達探しや気軽な出会い | 婚活や真剣な恋愛 |
ユーザー層 | 30代~50代が多い | 20代~30代が多い |
費用 |
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安全性 | 利用者の自己責任である部分が多い
(匿名性が高いため) |
企業に監視体制がある
(本名や顔写真の登録が必要) |
出会い系サイトとマッチングアプリは、出会いを目的にしている点が共通するため混同されやすいですが、ユーザー層や費用などに違いがあります。
出会い系サイトとマッチングアプリに対する法律の規制
出会い系サイト規制法(正式名称「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」)では、出会い系サイトの定義を「以下の4つの要件を満たす事業」としています。
- 異性と交際したい人に関する情報を電子掲示板に掲載するサービスを提供していること
- 異性と交際したい人に関する情報を公衆が閲覧可能であること
- 情報を掲載した人同士で連絡可能なサービスを提供していること
- 費用に関係なく上記3つのサービスを反復して提供していること
マッチングアプリも上記4つの要件を満たせば規制対象となります。
またSNSやレンタル掲示板などの機能を用いて、上記4つの要件を満たすWebサイトを作った場合でも、出会い系サイト規制法が適用されるので注意が必要です。
出会い系サイトやマッチングアプリについてのアンケートの結果
2024年にこども家庭庁が開催した「第4回若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ」で、既婚者の出会いのきっかけについてのアンケート調査が公表されました。
画像:こども家庭庁「若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(第4回)」の資料『ウェブアンケート調査結果(速報)』より
既婚者の出会いのきっかけはマッチングアプリが25%で最も多く、マッチングアプリの利用経験も既婚者56.8%、未婚者26.8%で約30%の差があったのです。
これらのことから出会い系サイトやマッチングアプリは男女の出会いの場として、利用されているのがわかります。
まとめ
出会い系サイトやマッチングアプリを利用する時には、法律を守り、起こりやすいトラブルやその相談先について事前に理解しておきましょう。注意点を守って利用すれば、安全に使えるツールです。
この記事も参考にして、出会い系サイトやマッチングアプリを利用する際の注意点について、少しずつ理解を深めていってください。