✓出会系サイト・アプリを使った詐欺の手口
✓出会系詐欺の返金方法は4つ
✓被害額が返金されるまでの流れ
✓返金の相談先
✓出会系詐欺に登場するサクラを見分けるポイント
✓返金を望むときのNG行動
\まさか出会い系詐欺?と思ったら/
そもそも出会系詐欺とは?
当たり前ですが、出会系サイトを使っていても使っていなくても、詐欺は「犯罪」です。出会系サイトを悪用した場合の犯罪には、どのような特徴があるのでしょうか。加害者が負う民事責任と実際の逮捕事例についても解説します。
出会系詐欺の特徴
出会系詐欺の民事責任
出会系サイトを使って詐欺的行為をはたらく'加害者'には、民事と刑事、両方の責任が課せられます。出会系詐欺の民事責任については、民法709条に記載されています。
民法709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う
刑事責任については、刑法246条の詐欺罪に該当します。複数名の組織で詐欺を行っていた場合は、組織的犯罪処罰法にも当てはまるため、重罪化する可能性が高まります。
出会系詐欺の相談事例
出会系サイトを使った、詐欺的行為の被害事例は数多くあります。相談事例の一例として、以下をご覧ください。
ある日、突然メールが来た。
出会いを求めてサイトに登録したものの、結局最後まで誰とも会えなかった。
(課金してしまった経緯の話)
女性のメッセージへ返信する際には、リミットが設けられていた。
ただし「リミット解除」すると、永続的に返信できるといった案内を受け、言われるままに課金してしまった。
「鑑定士」を名乗る人から連絡を受け、指定された女性とリミットを解除した状態でやり取りを始めた。リミットを解除し密に連絡を取り合うことで、女性と直接会えるうえに、交際関係に発展すると、鑑定士にいわれた。
しかし鑑定士より指定された女性が、かなりの人数がいた。リミット解除は1人ずつ料金がかかる(1人につき2万円)。結果、高額な課金となってしまった。リミット解除を含めて、最終的には100名近くの女性とやり取りしたが、誰とも会えていない。
特におかしいと思ったポイントは、話がかみ合わない点と約束するたびにドタキャンされたこと。
出会系サイト・アプリを使った詐欺の手口
出会系詐欺の手口はさまざまです。単純にサイト内で多くのお金を使わせることもあれば、別の悪質サイトへ誘導して登録料を請求するケースもあります。頻発している手口は、以下の通りです。
- デート商法
- 投資詐欺
- 結婚詐欺
出会系詐欺の返金方法は4つ!
出会系詐欺の被害にあった場合、考えられる返金方法は4つあります。専門家へ依頼すると、4つのうちいずれかの方法が採用されるでしょう。
1.運営会社に返金を求める
'返金'と聞いて、まず思いつくのが、出会系サイトの運営会社に返金請求する方法です。相手が明らかなサクラであると認められれば、返金してもらえる可能性が高まります。悪質サイトの運営会社であっても「内容証明」を送付されれば、なんらかの対応を迫られます。
2.電子マネー発行会社・決済代行会社に請求する
サイトの運営会社ではなく、電子マネー発行会社や決済代行会社に問い合わせる方法もあります。電子マネー決済を導入している加盟事業者(出会系サイト)から詐欺被害にあったと訴える方法です。
同様に「決済代行会社」から被害金を回収する方法もあります。決済代行会社とは、利用者とサイトの間に入って、決済処理を代行する会社のことです。被害者が支払ったお金は「利用者→決済代行会社→サイトの運営」という順に流れていきます。
悪質サイトは通常の企業とは違い、会社の信用が低い傾向にあります。どのような電子マネー発行会社・決済代行会社でも、スムーズに契約できる会社ではありません。現在契約している電子マネー発行会社と決済代行会社は、できる限り取引を継続したいと考えるでしょう。その点を利用することで、返金してもらえる可能性が高まります。
3.チャージバック
チャージバックとは、クレジットカード決済によってお金を支払った場合に選択できる手段です。カード会社に問い合わせることで、クレジットカードの利用を停止し、被害金をチャージバックしてくれるかもしれません。
ただし、利用していた出会系サイトの行為が「詐欺的行為」と断定できなければ、チャージバックによる返金は、難しいでしょう。
4.口座の凍結申請
銀行振込で指定された口座を、凍結させることも手段の一つです。金融機関に対して口座の凍結申請を行うことで、詐欺的行為をはたらく業者が使っている口座は凍結されます。
凍結した時点で、口座に預金残高があれば、一部が返金されるかもしれません。残高のあることが条件であり、返金される金額はほかの被害者の人数・被害金などによっても異なります。
被害額が返金されるまでの流れ
実際に、弁護士・司法書士事務所に依頼した場合、返金までの大まかな流れは以下の通りです。
- 問い合わせ
- 相談
- 委任契約を結ぶ
- 返金請求・交渉
- 返金解決
少しでも「詐欺かも」と疑ったら、早めに問い合わせましょう。詐欺をはたらく業者は、ある程度の期間が経ったらサイトを変えたり、社名を変えたりして捕まるリスクを回避しています。時間が経つほど、証拠がなくなってしまう可能性が高いため、迅速に行動するのが返金成功の鍵です。
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返金の相談先
出会系詐欺で騙し取られたお金を返金してほしいときは、どこに相談すればよいのでしょうか。「詐欺被害」と聞いて、まず思い浮かぶのは警察かもしれません。犯人逮捕ではなく「返金」を目的とするならば、他の相談先のほうが適しています。
司法書士・弁護士事務所
被害にあったお金を返してほしいときは、弁護士か司法書士事務所に相談しましょう。被害額が140万円以下であれば「司法書士」へ、140万円を超える場合は「弁護士」へ依頼しましょう。どちらに依頼する場合でも、実績を踏まえて選ぶのがおすすめです。
消費生活センター
相談のみの場合は、市町村が運営している「消費生活センター」も候補にあがります。サイトの運営会社に対して、被害者の意思を伝えるなどのサポートをしてくれます。ただし消費生活センターは、業者と交渉する機関ではありません。詐欺的行為をはじめとしたトラブルを専門的に扱っているわけではないため、窓口の担当者によって、対応してくれる範囲に差が生じます。
警察
出会系詐欺に登場するサクラを見分けるポイントは?
すぐに外部サイトへ誘導する
出会ったサイトが、大手のマッチングアプリだからといって安心はできません。相手がサクラの場合、あの手この手で外部のサイトに誘導してきます。言うまでもありませんが、外部のサイトは「悪質サイト」です。
登録料やメッセージのやりとりをするためのポイント購入費など、あらゆる名目でお金を請求されてしまいます。
無理に会話を長引かせる
メッセージのやり取りをしている相手が、無理に会話を長引かせようとしていたら要注意です。特にメッセージ1通に対して、ポイントを消費するシステムの場合は、たくさん課金させようと考えている業者の可能性が高いでしょう。
アダルトなやり取りへ誘導する
すぐにアダルトなやりとりへ誘導する相手も「サクラ」の可能性があります。サクラがアダルトな内容へ誘導したがるのは、会話を長引かせるのと同様に、ポイントを消費させて課金させるためです。アダルト画像や動画をエサに、課金させようとしています。
ドタキャンばかりで会えない
会う約束をしたにもかかわらず、当日になってドタキャンする相手も、サクラかもしれません。1回くらいであれば、急に体調不良になりどうしても行けないという場合もあるでしょう。しかし2回、3回と続くならば、サクラであってもなくても、相手との連絡は控えるべきです。
場合によっては「直接会おう」と伝えると、メッセージの段階からはぐらかされることもあります。直接会うのははぐらかすのに、メッセージだけを続けようとする場合は、実在しない人物を演じているかもしれません。
返金を望むときのNG行動
返金してほしいときでも、感情的になってはいけません。特に以下のような行動は、返金どころか、業者に逃げられてしまう可能性が高まるため避けましょう。
- 詐欺業者やサイトに直接抗議する
- サイトのアカウント削除
ひと言、業者へ抗議したくなる気持ちはわかりますが、詐欺業者やサイトに直接抗議するのはやめてください。詐欺を疑っていることが露呈してしまいます。詐欺だと確信するとパニックに陥ってしまうかもしれません。サイトのアカウントを削除するのは、自ら証拠隠滅しているのと同様です。冷静に、証拠保全に努めてください。