「自己破産は避けたいが、このままでは返済が続けられない」
「自宅を残したまま、借金返済の負担を減らしたい」
このような悩みを抱えている方に利用されている債務整理手続きのひとつが「個人再生」です。
個人再生は、財産を処分せずに借金を大幅に減らせる強力なメリットがあります。
ただし、その反面、いくつかのデメリットがあることも事実です。
メリットとデメリットの両方を比較検討したうえで個人再生を視野に入れることが、後悔しないために大切です。
本記事では、個人再生のメリットとデメリットを解説します。
債務整理や個人再生を考えている方は、ぜひご一読ください。
- 個人再生の基礎知識
- 個人再生の7つのメリット
- 個人再生の9つのデメリット
- 個人再生できない場合の対処法
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個人再生とは:財産処分せずに借金を減額できる手続き

借金の返済で生活が苦しい場合は、債務整理をおすすめします。
債務整理とは、借金返済の問題を法的に解決することです。
この債務整理には、任意整理・特定調停・自己破産の他に、個人再生もあります。
個人再生とは、裁判所に再生計画を認可してもらうことで、借金を大幅に減額した上で分割払いにできる手続きです。
個人再生では、財産の強制処分がありません。
財産を維持したまま借金を減額できるのが個人再生の特徴です。
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個人再生の種類:小規模個人再生と給与所得者等再生

個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類の手続きがあります。
- 小規模個人再生
返済可能な継続的収入があれば広く利用できる基本タイプの手続き - 給与所得者等再生
サラリーマンや公務員など定期的な収入がある人だけが利用できる特別タイプの手続き
個人再生には他の債務整理手続きにはないメリットがありますが、いくつかの制限やデメリットも存在します。
さらに、小規模個人再生と給与所得者等再生にも、異なるメリット・デメリットがあります。
個人再生を検討する際には、メリット・デメリットや手続きの特徴も理解した上で、自分に合った手続きを判断することが重要です。
次項からは、個人再生のメリットやデメリットを個別に解説します。
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個人再生の7つのメリット

個人再生には、借金返済の問題を解決するのに効果的な多くのメリットがあります。
ここでは、個人再生のメリットを7つ解説します。
借金を大幅に減額できる
個人再生の大きなメリットは、借金総額を大幅に減額できる点です。
利息や遅延損害金(延滞金)だけでなく、借金の元本も減らせます。
借金減額の限度額は、手続きの種類や借金の総額、持っている財産の価値によって異なります。
例えば、特に高額資産がなく、基本タイプである小規模個人再生を選択したケースでは、以下の減額が可能です。
| 借金の総額 | 減額できる範囲 |
| 100万円未満 | 減額なし |
| 100万円以上500万円未満 | 100万円まで減額 |
| 500万円以上1500万円未満 | 5分の1まで減額 |
| 1500万円以上3000万円以下 | 300万円まで減額 |
| 3000万円を超え5000万円以下 | 10分の1まで減額 |
減額した借金を長期の分割払いにできる
個人再生では、借金を減らせるだけでなく、減額された借金が分割払いになります。
そのため、総額だけでなく毎月の返済額も減額可能です。
具体的には、減額した借金を3〜5年の分割払いにできます。
財産を残したまま借金を整理できる
個人再生の手続きでは、財産を強制的に処分されることがありません。
財産を維持したまま借金を債務整理できるのも、個人再生のメリットです。
ただし、処分されない代わりに、持っている財産の価値(清算価値)は借金を減額できる限度に影響します。
高額な資産がある場合は、あまり減額できないケースもあります。
また、ローンが残っている商品は、ローン会社に引き揚げられることもあります。
住宅ローンの残る自宅を維持できる場合がある
個人再生には、住宅ローンが残っている自宅を維持したまま借金を整理できるメリットもあります。
本来住宅ローンを対象に個人再生すると、自宅はローン会社に競売にかけられ、手放すことになります。
しかし、「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を使うと、住宅ローンだけを手続きの対象から外せます。
これにより、ローン会社に競売されることなく、他の借金を個人再生で大幅に減額できるのです。
実際、住宅ローンの残る自宅を維持するために個人再生を選択する人も多いです。
公的資格を使う仕事を続けられる
自己破産すると、公的資格の利用が制限(資格制限)されます。
他方、個人再生には、資格制限がありません。
警備員や保険外交員、各種士業など公的資格を使っている場合でも、仕事を中断せず借金を整理できます。
ギャンブルや浪費が借金の原因でも利用できる
自己破産の場合、ギャンブルや浪費で借金を増やした場合など一定の事由(免責不許可事由)がある場合、債務整理できないことがあります。
他方、個人再生には、免責不許可事由のような制限がありません。
そのため、ギャンブルや浪費が借金の原因であっても、個人再生を利用できます。
借り入れ先からの取立てをストップできる
個人再生だけでなく、任意整理や自己破産などの債務整理を司法書士や弁護士に依頼した場合には、貸金業者や債権回収会社からの直接的な取立てを停止できます。
司法書士や弁護士から債務整理の依頼を受けた旨の通知(受任通知)を送ると、貸金業者や債権回収会社からの電話・郵便・訪問での取立ては一切停止します。
依頼後の早い段階から取立てに怯える生活から解放され、精神的な安定を得られるのも、大きなメリットです。
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個人再生の9つのデメリット

個人再生には多くの魅力的なメリットがある反面、いくつかの制限やデメリットがあることも事実です。
ここでは、個人再生のデメリットを9つ解説します。
返済可能な安定収入がないと利用できない
個人再生は、減額されるとはいえ、3〜5年は返済を続ける必要があります。
そのため、減額後の借金を3〜5年返済していけるだけの、継続的な収入がないと利用できません。
返済可能な収入の有無は、客観的な資料をもとに裁判所が審査します。
自分では「家計を切り詰めれば何とか返済できる」と思っていても、裁判所から収入が足りないと判断されることもよくあります。
実際、個人再生に失敗するケースの多くが収入不足です。
事前に法律家に相談して、自分の収入条件の適合性を確かめておきましょう。
利用条件(要件)が厳しい
個人再生には、返済可能な継続的収入があることだけでなく、多くの利用条件があります。
誰でも利用できる手続きではない点が、個人再生の最大のデメリットです。
例えば、個人再生を進めるためには以下のような条件があります。
- 支払不能になる恐れがあること
- 借金総額が5000万円以下であること
- 借り入れ先から一定数以上の反対が出されないこと(小規模個人再生のみ)
- 過去7年以内に自己破産の免責許可や給与所得者等再生の再生計画認可などを受けたことがないこと(給与所得者等再生のみ)
他にも多くの条件があるため、事前に法律家に相談して確認しておきましょう。
複雑な手続きを自分で進める必要がある
手続きが複雑なことも個人再生のデメリットです。
加えて、個人再生を申し立てた本人が手続きを主導的に進める必要があります。
個人再生をする場合は、法律家のサポートが必須です。
新規の借り入れやローンの利用が難しくなる
債務整理をすると、信用情報機関が保有する信用情報に事故情報(いわゆるブラックリスト)が掲載されます。
金融機関は信用情報を確認して貸し出しの可否判断しているため、事故情報が掲載されていると、審査を通らないでしょう。
そのため、個人再生をした後は、新規の借り入れやローンの利用は難しくなります。
ただし、永久的に掲載されるわけではありません。
以下の期間を過ぎれば、事故情報は消されます。
- 借金を全部完済してから5年
- 裁判所での個人再生手続きが開始してから7年
クレジットカードを利用できなくなる
個人再生の対象にしたクレジットカードは、カード会社によって強制解約されます。
また、個人再生すると信用情報に事故情報(ブラックリスト)が掲載されます。
カード会社は、金融機関と同様に定期的に利用者の信用情報をチェックしているため、事故情報が掲載されていると、対象にしなかったクレジットカードもいずれ利用できなくなります。
事故情報が掲載されている以上、新規でクレジットカードを作成することも難しいです。
個人再生した場合は、クレジットカードをすべて利用できなくなる可能性が高いです。
ただし、借り入れではないデビットカードは利用可能です。
事故情報が消えるまでは、デビットカードで代替しましょう。
官報に氏名や住所が掲載される
裁判所で個人再生の手続きをしていることは、氏名・住所とともに、官報(国の機関紙)に掲載されます。
ただし、官報を定期的にチェックしている人は、金融機関や警備会社、保険会社など一握りです。
官報から家族や周囲の人に個人再生していることを知られるケースは、ほとんどないでしょう。
保証人・連帯保証人に迷惑をかける
個人再生では、すべての借り入れ先が手続きの対象となるため、保証人や連帯保証人が付いている借金だけを外すことはできません。
そのため、個人再生すると、借金の貸主は、保証人に減額分の支払いを請求します。
保証人に迷惑をかけたくない場合は、任意整理を選択した方がよいでしょう。
家族や勤務先に知られる恐れがある
個人再生をしたからといって、必ず家族や勤務先に知られるわけではありません。
ただし、以下のようなケースでは、家族や勤務先に個人再生していることを知られる可能性があります。
- 家族や勤務先から借金している
- 家族や勤務先が借金の保証人になっている
- 借り入れ先から裁判を起こされて、自宅に裁判所から訴状や呼出状が届いた
- 借り入れ先に給料を差し押さえられて、勤務先と自宅に裁判所から書類が届いた
- 法律家に依頼していないため、裁判所から自宅に個人再生の書類が届いた
- 勤務先が官報を定期的にチェックする職種である
このように、100%誰にも知られずに個人再生することはできません。
むしろ、家族にだけでも事情を話して協力を求めた方が、個人再生をスムーズに進められます。
ローンの残る商品は引き揚げられるケースがある
個人再生では財産を裁判所に強制処分されないものの、ローンが残っている商品はローン会社によって引き揚げられるケースがあります。
商品の引き揚げはローン会社が個別に判断するため、ローンが残っていても引き揚げが実施されないこともあります。
ただし、自動車ローンの残っている車は、自走可能な限り引き揚げられます。
なお、住宅ローンの残っている自宅は、住宅資金特別条項制度を使えば、手放さずに済みます。
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個人再生に向いているケース

これまでに解説したメリットとデメリットを踏まえると、以下のようなケースが個人再生に向いていると言えます。
- 減額されれば十分に返済していけるだけの継続的な収入がある
- どうしても手放せない財産がある
- 住宅ローンの残る自宅だけは手放したくない
- 公的資格を使った仕事を中断できない
- ギャンブルや浪費で多額の借金を作ったため自己破産できない可能性がある
ただし、個々の状況によっては「個人再生を利用できない」「個人再生よりも任意整理や自己破産の方が向いている」場合もあります。
より自分に最適な手続きを選びたい方は、司法書士や弁護士に相談しましょう。
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個人再生できない場合の対処法

個人再生は財産を残したまま借金を整理できる強力な手段ですが、利用条件が厳格です。
そのため、個人再生を利用できないケースも多いです。
個人再生を使えない場合は、他の債務整理手続きを選択しましょう。
具体的には、以下の3つの方法があります。
- 任意整理
司法書士や弁護士が借り入れ先と交渉して、より負担の小さい返済条件へと改善する手続き
- 特定調停
裁判所の調停委員を間に入れて、借り入れ先と返済条件を話し合う手続き
- 自己破産
裁判所に免責許可決定をしてもらうことによって、財産を手放す代わりに借金全額を帳消し(免責)にする手続き
個人再生できない場合でも、これらの手続きで借金返済の問題は解決できます。
どの手続きがよいかは、人によって異なります。
ベストな選択をするには、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
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個人再生は、生活と財産を守りながら、借金の重圧から解放されるための強力な手段です。
しかし、利用のための条件や手続きは複雑で、いくつかのデメリットもあります。
メリットとデメリットを比較して、個人再生を選ぶべきかを慎重に検討しましょう。
もし最適な債務整理手続きはどれかを迷っている場合、まずは丹誠司法書士法人にご相談ください。
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ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
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