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債務整理の種類と流れ|手続きにかかる期間と注意点

「借金の元本を減らしたい」「利息をカットして、無理なく返済したい」などの理由で債務整理を検討しているものの、どのように進めればいいか悩んでいませんか。

債務整理には4つの手続き方法があり、状況に応じて適した方法を選ぶことが重要です。

本記事では、債務整理の種類や手続きの流れ、それぞれのメリット・デメリットを解説します。手続き後の注意点も紹介しますので、債務整理を検討している方はぜひ参考にしてください。

  • 債務整理の4つの種類とそれぞれのメリット・デメリット
  • 債務整理の手続きにかかる期間の目安
  • 債務整理の流れ
  • 債務整理手続き後の注意点
目次

債務整理には4つの種類がある

債務整理には4つの種類がある

債務整理の手続き方法には、自己破産・個人再生・特定調停・任意整理の4つがあります。どの方法が適しているかは、債務者の資産状況によって異なります。それぞれの手続き方法のメリット・デメリットや手続きにかかる期間は、以下のとおりです。

種類 期間 メリット デメリット
自己破産 約3~12か月 ・すべての借金を帳消しにできる
・一定の財産を残せる
(99万円以下の現金、時価20万円以下の車など)
・高価な財産が処分される
・手続き終了まで就けない職業がある(警備員や士業など)
・連帯保証人へ返済請求がいく
・官報に住所や氏名が記載される
個人再生 約6か月~1年 ・借金の元金を大幅に減額できる
・資格や職業の制限がない
・車や住宅などの財産を残せる
・借金がゼロにはならない
・適用条件が厳しい
・手続きが複雑で時間がかかる
・連帯保証人へ返済請求がいく
・官報に住所や氏名が記載される
特定調停 約3か月~4か月 ・自分で手続きできる
・費用が安い
・資格や職業の制限がない
・車や住宅などの財産を残せる
・借金が必ず減額されるわけではない
・平日の昼間に裁判所へ出向く必要がある
・債権者が交渉に応じないことがある
任意整理 約3~6か月 ・将来利息をカットでき、元金のみの返済となる
・車や住宅などの財産を残せる
・家族や会社に知られずに手続きできる可能性が高い
・銀行のローンやカードローンを対象とした場合、一時的に口座が凍結される可能性がある
・連帯保証人へ返済請求がいく
・交渉が成立しないことがある

自己破産・個人再生・特定調停は裁判所を通す必要がありますが、任意整理は裁判所を通さずに手続きできます。以下では、手続きの流れを種類ごとに解説します。

自己破産の概要と流れ

自己破産の概要と流れ

自己破産手続きの概要や流れを解説します。

自己破産とは

自己破産とは、自分の収入や資産だけで借金を返せなくなった場合、裁判所へ「破産申立書」を提出することで、すべての借金をゼロにする手続きです(養育費や税金などの非免責債権を除く)。

自己破産が認められるのは、自分の財産だけでは債務を返済できない「支払い不能」の状態になった場合に限られます。支払い不能かどうかは、裁判官が借金の金額や債務者の収入、資産の状況などから判断します。

車や住宅などの財産がある場合、弁護士から選ばれた「破産管財人」が破産者の財産を換金し、債権者に分配されます。

自己破産の手続きの流れ

自己破産の流れを解説する図

自己破産手続きの流れは、以下のとおりです。

1.弁護士・司法書士に依頼

弁護士や司法書士が申立人から自己破産の依頼を受けると、カード会社や消費者金融などに対して受託通知(債務者から依頼を受けたことを知らせる書面)を送付します。受託通知以降は債権者からの取り立てが止まり、連絡はすべて弁護士を通じて行うことになります。

ただし司法書士へ依頼する場合は注意してください。司法書士が代理人となって扱えるのは、簡易裁判所の手続きまでです。自己破産手続きの管轄は地方裁判所となるため、書類作成のサポートは受けられますが「4.裁判所に自己破産の申立て」以降は、自ら行う必要があります。

2.利息制限法の法定金利への引き直し計算

弁護士・司法書士は、カード会社や消費者金融からの取引履歴を取り寄せます。

利息制限法の上限を上回っていれば、法定金利での引き直し計算を行い、返済すべき金額を明確にします

3.裁判所に提出する申立書類の準備

弁護士・司法書士のサポートのもと、裁判所に提出する申立書類を準備します。必要書類の例は、以下のとおりです。

  • 陳述書や家計簿
  • 資産目録
  • 債権者一覧表

また、借金の返済が困難であることを示すために、給与明細や預貯金通帳のコピーなども必要です。

4.裁判所に自己破産の申立て

必要書類の準備が整ったら、弁護士が裁判所へ自己破産の申立てを行います書類の提出先は、申立人の住所地を管轄する地方裁判所です。

5.自己破産の手続きの開始

裁判官によって申立人が「支払い不能状態にある」と判断されれば、自己破産の手続きが始まります。

財産がなく「同時廃止事件」となった場合は、約3~4か月で手続きが終わります。一定の財産がある場合は「管財事件」となり、手続きに約6~12か月程度の期間がかかります管財事件の場合、生活に最低限必要な財産以外を換金したうえで債権者に分配されます。

6.免責の許可

自己破産の手続き後、裁判所から免責許可決定を受けることにより借金の返済義務が免除されます。

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すべての債務が対象となるため、自己破産はややハードルが高い方法です

個人再生の概要と流れ

個人再生の概要と流れ

個人再生手続きの概要や流れを解説します。

個人再生とは

個人再生とは、借金の返済ができなくなった人が裁判所に申立てることで返済の総額を大幅に圧縮する手続きです原則3~5年間で分割して返済できる金額まで、減額されます自己破産のように借金がすべて帳消しになるわけではないものの、車や住宅などの財産を強制的に没収される心配はありませんただし、安定した収入がない場合や、借金総額(住宅ローンを除く)が5,000万円を超えている場合など、手続きができない可能性があります。

個人再生の手続きの流れ

個人再生の流れを解説した図

個人再生手続きの流れは、以下のとおりです。

1.弁護士・司法書士に依頼

弁護士や司法書士に個人再生手続きを依頼すると、債権者に受任通知が送付されます。受任通知送付後は弁護士・司法書士が連絡窓口となり、債務者への取り立てがストップします。

また、弁護士・司法書士は債権者へ取引履歴の開示請求も行います。取引履歴をもとに借金額を確定し、過払金がないかどうかを調査する「利息の引き直し計算」を行います。

ただし、司法書士が代理人となって扱えるのは簡易裁判所の手続きまでのため注意してください。個人再生手続きの管轄は地方裁判所となるため、書類作成のサポートは受けられますが「2.裁判所に申立て」以降は、自ら行う必要があります。

2.裁判所に申立て

弁護士・司法書士のアドバイスを受けながら、裁判所への申立てに必要な書類を準備します。書類の準備が整ったら、弁護士・司法書士が裁判所に個人再生の申立書を提出します。

裁判所によっては、個人再生手続きに関与する弁護士「個人再生委員」が選任されます。申立人は個人再生委員との面談に出席し、借金内容や返済見込みなどの質問を受けますまた、申立人の返済能力を確認するための「履行テスト」が実施されるケースもあります。

3.個人再生手続の開始が決定

個人再生委員は、面談や履行テストの結果をもとに裁判所へ意見書を提出します。裁判所が申立てを受け付けると、個人再生手続きの開始決定となります

4.債権者が債権額を届出

個人再生の開始を伝える「開始決定書」が裁判所から各債権者に送付され、債権者は裁判所に債権額を届け出します。申立人は、債権者から提出された債権届出書の金額について認めるかどうかを判断し、「債権認否一覧表」を裁判所に提出します

5.再生計画案の提出

弁護士は、減額された借金をどのように返済するかを「再生計画案」にまとめ、裁判所に提出します。

6.再生計画案の決議・認可

裁判所が再生計画案を認可すると、各債権者に再生計画案・議決書が送付され、書面決議または意見聴取が行われます。裁判所が再生計画案の認可を決定すると、申立人・債権者に認可決定書が送付されます

なお、個人再生の手続きはほかの債務整理に比べて複雑なため、申立てから認可まで6か月~1年程度の期間がかかります。

7.返済開始・完済

再生計画案に沿って借金の返済がスタートし、原則3年・最長5年程度で返済が完了します。

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安定した収入や時間の余裕がないと、個人再生は難しいかもしれません

特定調停の概要と流れ

特定調停の概要と流れ

特定調停手続きの概要や流れを解説します。

特定調停とは

特定調停とは、経済的破綻のおそれのある債務者が簡易裁判所を介して債権者と交渉し、双方が合意した負債総額・支払い方法等に沿って分割弁済していく手続きです。

特定調停は法律や裁判に関する専門知識がなくても自分で手続きでき、費用も安く抑えられますが、借金を大幅に減額する効果はありません。また、債権者が返済計画案に同意するとは限らないため、特定調停が不成立になることも多いのが実情です。

特定調停の手続きの流れ

特定調停の流れを解説する図

特定調停における手続きの流れは、以下のとおりです。

1.申立てに必要な書類の作成

まずは、特定調停の申立てに必要な書類を準備します。おもな書類は以下の4種類です。

  • 特定調停申立書
  • 権利関係者一覧表
  • 資格証明書
  • 財産状況を示す明細書

事業主や法人が申し立てる場合、事業の内容や資金繰りの説明ができる書類も必要です。申立てに必要な書類は、簡易裁判所の公式サイトからダウンロードできます。

特定調停申立てQ&A|東京簡易裁判所

2.特定調停の申立て

特定調停の申立ては、相手方(債権者)の住所・居所・営業所または事務所の所在地を担当する簡易裁判所へ行います申立てをする際は、必要書類のほかに申立手数料(収入印紙)と手続き費用(予納郵便切手)も必要です。

3.期日通知書の受け取り

申立てが受理されると、簡易裁判所から調停準備日が指定され、申立人に呼出状が送付されます。

4.調停準備日(調停準備の日)

調停準備日には、簡易裁判所が任命した弁護士や司法書士である「調停委員」が申立人の返済能力生活状況などを詳しく聞き、調停で解決できるかどうかを検討します。

5.調停期日(調停の日)

調停期日(調停の日)は申立人と相手方(債権者)、調停委員が出席し、返済方法に関する話し合いを行います。話し合いは調停委員が間に入るため、申立人が相手方と直接交渉する必要はありません調停委員は申立人と相手方の話を聞いたうえで、債権者に対して返済条件の整理・交渉を行います。双方が合意できなければ、2回目、3回目の調停期日が重ねられます。

6.返済の実行・完済

債務者と債権者が合意した場合は特定調停が成立し、調査委員が合意内容をまとめた調停調書を作成します。申立人は、裁判所から郵送される正式な調停調書を受け取り、合意した内容通りに返済します。

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必ずしも、双方が合意する内容になるとは限りません

任意整理の概要と流れ

任意整理の概要と流れ

任意整理手続きの概要や流れを解説します。

任意整理とは

任意整理は、裁判所を介さずに債権者と個別に行う債務整理の手続きです。おもに、今後支払う利息のカットや月々の返済額の減額、3〜5年程度の分割払いなどについて債権者と交渉するのが一般的です。交渉が必ずしも成立するとは限りませんが、和解が成立すれば毎月の返済負担を軽減できます。

任意整理の手続きの流れ

任意整理の流れを解説する図

任意整理における手続きは、以下の流れで進められます。

1.弁護士・司法書士に依頼

まずは弁護士・司法書士に相談し、現在の債務状況や今後の返済計画の希望などを話し合います。

なお、任意整理において司法書士へ依頼できる金額は、債権者1社につき140万円以内であるため、注意してください(※)。

※債務の合計金額ではありません。

2.債権者に受任通知を送付

依頼を受けた弁護士・司法書士は、債権者に受任通知を送付します。

これ以降、債権者からの取り立て・催促が止まります

3.債権者から取引履歴を受領

弁護士・司法書士は、債権者へ受任通知を発送すると同時に、取引履歴の開示請求も行います。

債権者によって異なりますが、取引履歴の受領までに数週間〜数か月程度かかります。

4.利息制限法に基づく引き直し計算

弁護士・司法書士は、債権者から開示された取引履歴をもとに利息制限法に基づいて引き直し計算を行い、実際の債務額を確定します。引き直し計算の結果、過払い金があれば債権者に過払金の返還請求を行います

5.債権者との和解交渉

弁護士・司法書士は、取引履歴や債務者の収入、毎月の返済可能額をもとに返済計画の和解案を作成し、債権者と交渉を開始します。

6.和解成立

債権者と和解が成立した場合、弁護士・司法書士が合意書を作成します。ここまでの手続きに、およそ3〜6か月程度かかります。

7.返済開始・完済

合意書の内容に従い返済を開始します。

分割返済の場合、一般的な返済期間は3~5年です。

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丹誠司法書士法人では、任意整理のご相談を承っております

債務整理手続き後の注意点

債務整理手続き後の注意点

債務整理を行うことで借金の返済負担が軽減される一方、いくつかのデメリットも発生します。ここでは、債務整理手続き後の注意点を2つ紹介します。

返済が滞ると一括返済を請求されるリスクが上がる

特定調停や個人再生は裁判所を介する公的な手続きのため、決められたとおりに返済しないと一括返済を請求される可能性があります。

任意整理の場合は合意書の内容によりますが、返済を2回以上怠ると残額の一括返済を請求されるリスクがあるため、注意が必要です。

事故情報が残り、しばらく新規の借り入れができない

債務整理には4種類ありますが、いずれの手続き方法を選んでも信用情報機関に事故情報が残ります5年~10年は情報が残るため、新規の借り入れができないほか、クレジットカードやローンも使えなくなります

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債務整理はリスクもありますが、生活を守る手段でもあります

まとめ

法律上、個人でも債務整理の手続きが可能です。しかし、必要書類の準備や手続きをすべて自分で行わなければならないため、法律の知識がないと非常に困難です。

したがって、債務整理をスムーズに進める場合は、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

専門家に依頼することで手続きの大部分を任せられるだけでなく、債権者からの取り立てもストップするため、精神的な負担を大きく軽減できます。

今回紹介したとおり、債務整理には4つの種類がありますが、どの方法が適しているかどうかは資産や借金の状況によって異なります。自分に適した方法を知りたい方は、丹誠司法書士法人の無料相談をご利用ください。