芸能界での活躍を目指す人が増える一方で、それに便乗した詐欺や悪質な勧誘も後を絶ちません。
特に近年では、SNSやオーディションサイトを通じた接触が増え、芸能事務所を名乗る業者からの契約トラブルが各地で報告されています。
本記事では、芸能事務所詐欺の基本的な手口から被害事例、被害を防ぐための対策、契約してしまった場合の対処法まで詳しく解説します。
- 芸能事務所詐欺の実態
- 芸能事務所詐欺の被害事例
- 被害を未然に防ぐための具体的な対策
- 芸能事務所詐欺にあったときの相談先
以下の記事では「オーディション詐欺」について詳しく解説しています。
すでに契約を結んだ後でも、返金や契約解除できる可能性があるため、ぜひご一読ください。
オーディション詐欺という呼ばれる詐欺を聞いたことはありませんか? 芸能界に憧れている人をターゲットにしている詐欺です。 以前は原宿竹下通りのキャッチが有名でしたが、現在はSNSの普及に伴い、いろいろな募集が行われています。 […]
芸能事務所に関わる詐欺とは

芸能事務所に関わる詐欺とは、芸能活動を夢見る人の心理につけ込み、不当な契約や高額な費用を求める悪質な手口のことです。
街頭でのスカウトにとどまらず、SNS広告やオーディションサイトを通じて接触し、応募者の不安や期待を利用して契約へと誘導するケースが増えています。
実際には、「レッスンが必要」として高額な受講料を請求されたり、活動内容が当初説明されたものから大きく変わったりする例も少なくありません。
中には、芸能活動を名目に、成人向け映像作品への出演を強要される深刻な被害も報告されています。
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芸能事務所詐欺の現状

芸能事務所との契約をめぐるトラブルは、今もなお各地で報告されており、特に若年層を中心に被害が続いています。
オーディションやスカウトをきっかけに契約を結んだ結果、高額な費用を請求されたり、実態の伴わないサポートを受けたりといった相談が多数寄せられています。
ここでは、全国の消費生活センターに寄せられた実際の相談件数の推移や、被害にあいやすい年齢層・性別などのデータをもとに、芸能事務所詐欺の実態を紹介します。
相談件数の推移
全国の消費生活センターに寄せられたタレント・モデルなどの契約に関する相談件数は、2011年度から2018年度までは年間700件〜800件台で推移し、2018年度には最多の894件を記録しました。
2020年度以降はやや減少傾向にあるものの、2021年度でも511件と、依然として高い水準で推移しています。
年齢・性別の割合

2011年度以降、全国の消費生活センターに寄せられたタレント・モデルなどの契約に関する相談件数は、2022年1月末時点で8,337件にのぼります。
契約当事者の年齢層を見ると、最も多いのは20代で58%を占め、次いで10代が15%、30代が13%と続きます。
10代~30代の若年層が全体の86%を占めており、芸能活動への関心や将来への期待が高い年代が主なターゲットとなっている実態が浮かび上がります。
また、性別では女性が68%と大半を占めていますが、男性からの相談も32%あり、決して無視できない割合です。
若い女性がターゲットになりやすい構図ではあるものの、男性も同様に勧誘の対象となり得ることから、性別を問わず注意が必要です。
芸能事務所詐欺の事例

芸能界への憧れにつけ込んだ悪質な勧誘や契約トラブルが報告されています。
政府広報オンラインや国民生活センターで公開されている事例を紹介します。
事例1:「今しかない」と急かされて高額契約を結んだ
相談者は、インターネット上で見かけたタレントオーディションの広告に興味を持ち、応募して面接審査を受けました。
後日、合格の連絡を電話で受けて事務所を訪ねたところ、その場でマネジメント契約の締結を勧められました。
契約するかどうか迷っていたところ、「今決めなければチャンスはなくなる」と言われ、初期費用として約10万円、月々の所属費として約3万円がかかると説明を受けました。
さらに、月に数回の演技やモデルのレッスン料も別途必要とのことでした。
その際、「1年以内に解約する場合は違約金が発生する」と言われましたが、具体的な金額の説明はなく、契約書にも詳細は記載されていませんでした。
契約後1か月が経ち解除したい旨を伝えたところ、レッスンはまだ受けていないにもかかわらず、初期費用と半年分の所属費を違約金として支払うよう求められました。
事例2:養成スクールに10万円支払うも実態は無給スタッフだった
相談者は、芸能の仕事に関心があり、自分でタレント養成スクールを探して入会登録をしました。
入会時に1年分の会費として約10万円を支払いましたが、当初期待していたような演技などを学ぶ機会はなく、実際にはスクールが主催する企画事業のスタッフとして無償で働くよう求められました。
演技や表現力を高める講座を受講するためには、さらに別途費用が必要だと説明されました。
事例3:業務提携契約の解約に高額な解約金を求められた
役者としての活動に興味があった相談者は、インターネット上で映画のキャスト募集を見つけて応募しました。
審査に通過したとのメールが届き、面接に出向いたところ、「映画のオーディションを受けるには、あらかじめ出演実績が必要だ」と説明され、タレント事務所への登録を勧められました。
アルバイト感覚で案件が紹介されると説明もあり、その場で登録を決め、年会費として約5万円をコード決済で支払いました。
その後、次の面接日が設定され、再び事務所を訪れた際、「より確実に仕事を得るために、業務提携契約を結ばないか」と言われました。
さらに、担当者に自身のスマートフォンを操作され、相談者は約60万円を分割で支払う契約を結ぶことになりました。
後日、事業者への信頼が揺らぎ、契約を解約したいと申し出たところ、「解約には40%の違約金が発生する」と告げられました。
芸能事務所詐欺の被害を防ぐための対策

芸能界への憧れや夢につけ込む詐欺的な契約トラブルは、年齢や経験に関係なく誰にでも起こり得るものです。
ここでは、芸能事務所詐欺の被害を防ぐための対策を解説します。
契約はその場で決めず、必ず一度持ち帰る
オーディションに合格した直後や、スカウトされた場で「今契約しなければチャンスを逃す」と急かされることがあります。
舞い上がった気持ちから冷静な判断ができなくなり、内容を十分に確認しないまま契約してしまいがちです。
しかし、どのような契約内容であっても、即決は避け、必ず一度自宅に持ち帰って検討することが重要です。
芸能事務所との契約は、活動内容や金銭の支払いが長期にわたるケースも多く、トラブルに発展した場合の影響も大きい傾向があります。
費用が発生するタイミングと理由を事前に確認する
芸能関係の契約では、初期費用やレッスン料、撮影代など、さまざまな名目で費用が発生することがあります。
たとえば「オーディションは無料」と案内されていたにもかかわらず、合格後に突然「芸能スクールの受講が必須」と言われるケースや、「登録は無料」と説明されていたのに、後から撮影費用やプロフィール作成費を請求されるケースなどです。
こうした後出しの費用請求に備えるためにも、契約前に「いつ、何に、いくらかかるのか」「それは義務なのか選択なのか」といった点を明確に確認することが必要です。
契約内容やサポート体制を具体的に聞く
「デビューに向けてサポートします」「仕事の案件を紹介します」といった抽象的な説明だけでは、契約内容が自分にとって有益か判断ができません。
どのようなサポートがあるのか、どんな仕事に繋がる可能性があるのかなど、具体的に質問しましょう。
また、契約後は実際にどのような活動ができるのか、過去にどんなタレントを輩出したのかといった事務所の実績も、可能な限り調べておくことが大切です。
当初の説明と違う内容を提示されたら契約しない
最初に聞いていた内容と異なる条件を後から提示された場合、その契約は見送るべきです。
たとえば「エキストラとしてアルバイトできる」と聞いていたのに、「まずはレッスンを受けてからでないと紹介できない」と言われたり、「モデルの仕事」として誘われたのに、実際には芸能スクールの受講契約や高額な業務提携契約を求められるなど、話が途中で変わるケースがあります。
当初の説明と異なると感じたら、流されずにはっきり断りましょう。
1人で判断せず、必ず家族や信頼できる人に相談する
芸能界に憧れる気持ちが強いほど、契約の話に舞い上がって冷静さを失いやすくなります。
特に未成年者は、保護者の同意なしに契約を結ぶと後でトラブルになるリスクもあります。
たとえ成人であっても、大きな金額や長期間にわたる契約であれば、家族や信頼できる人に必ず相談しましょう。
第三者の意見を聞くことで、自分では見落としていたリスクや不自然な点に気づくこともあります。
また、事務所側が「家族に言う必要はない」と言ってくる場合は、その時点で警戒しましょう。
芸能事務所詐欺の被害にあったときの対処法

契約を結んだあとに「騙されたかもしれない」と気づいても、すぐにあきらめる必要はありません。
契約の状況によっては、法律に基づいて取り消せる可能性があります。
ここでは、被害に気づいたときに取るべき対処法について解説します。
\早めの相談が最重要!/
クーリング・オフができるか確認する
契約後でも、場合によってはクーリング・オフ制度を利用して無条件で契約を解除できます。
クーリング・オフは、一度結んだ契約でも、一定期間内であれば消費者から一方的に解除できる制度です。
たとえば、特定商取引法に該当する契約形態であれば、契約書面を受け取った日から8日以内または20日以内であればクーリング・オフが可能です。
また、契約時の状況や契約書面の記載内容では期間を過ぎたあとでもクーリング・オフが適用されるケースもあります。
消費生活センターに相談する
クーリング・オフが自分のケースに該当するかの判断が難しい場合は、消費生活センターに相談するのも良いでしょう。
全国共通の消費者ホットライン「188(いやや)」では、芸能事務所をかたる詐欺被害についても無料で相談できます。
「登録料を支払ったあとに音信不通になった」「契約内容と話が違う」といったケースにも対応しており、今後どう対応すべきか、返金の可能性や相談先などについて具体的なアドバイスが受けられます。
弁護士や司法書士に相談する
消費生活センターに相談しても解決が難しい場合や、業者がクーリング・オフや返金に応じない場合は、弁護士や司法書士への相談をおすすめします。
業者との間に入って交渉することで、返金や契約解除がスムーズに進む可能性が高まります。
初回相談を無料で受け付けている事務所もあるため、泣き寝入りせずに一歩踏み出すことが大切です。
まとめ

芸能活動への夢や憧れにつけ込んだ詐欺的な契約トラブルは、若年層を中心に後を絶ちません。
「今だけのチャンス」「この場で契約しないと仕事がなくなる」といった言葉に惑わされて契約してしまった結果、高額な費用や違約金を請求される事例も多数報告されています。
契約の内容に少しでも不安がある場合や、「話が違う」「解約したいのに応じてもらえない」と感じたときには、できるだけ早く窓口に相談することが大切です。
丹誠司法書士法人では、芸能事務所との契約トラブルや高額な支払い請求に関するご相談を受け付けています。
「契約してしまったけれど本当に大丈夫か不安」「すでに支払ってしまったが、返金できる可能性はあるか知りたい」といったお悩みをお持ちの方も、まずはお気軽にご相談ください。
\無料相談はこちらから!/
