友達が「あなたを幸せにしたいから私が信頼している人の話を聞いてほしい」と言うけれど、ヒーラーやセッションなどよくわからない話ばかりするので、詐欺ではないかと疑っている人はいませんか?
この記事では、スピリチュアル詐欺の手口から被害にあった時の相談先まで詳しく解説します。
- スピリチュアル詐欺とは?
- スピリチュアル詐欺では誰が狙われやすい?
- スピリチュアル詐欺の手口
- スピリチュアル詐欺の被害事例
- スピリチュアル詐欺の被害にあった時の相談先
スピリチュアル詐欺とは?
スピリチュアル詐欺とは、スピリチュアルの専門家を装ったセラピストや霊能者、ヒーラーなどが被害者を依存させて繰り返しお金をだまし取る詐欺のことです。
スピリチュアル詐欺には、以下のような特徴があります。
- 幸せや未来への希望をちらつかせてお金をだまし取る
- 被害者を依存させて被害者意識を持たせない
- 簡単に大金や幸せが手に入るなど、手軽さをアピールして勧誘する
スピリチュアル詐欺と混同されやすいものに「霊感商法」と呼ばれるものがあります。両者には、次のような違いがあります。
スピリチュアル詐欺 | 霊感商法 | |
アプローチの方法 | 幸せや未来への希望をちらつかせる | 悪霊がついているなど不安をあおる |
購入させるもの | 高額なセミナー
効果が不明なスピリチュアルグッズ ヒーリング・セッション |
つぼ、印鑑、置物など |
スピリチュアル詐欺の勧誘は、「幸せになるため」などとポジティブに聞こえます。
しかし、被害者のお金をだまし取ろうとしている点は霊感商法と同様です。
大切な財産を奪われないためにも十分な警戒が必要です。
スピリチュアル詐欺や霊感商法などをまとめて「占い詐欺」と呼ぶこともあります。
占い詐欺によって騙し取られてしまったお金を取り戻す方法は、以下の記事で解説しています。あわせて参考にしてください。
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スピリチュアル詐欺では誰が狙われやすい?
スピリチュアル詐欺に騙されやすい人の特徴は以下の通りです。
- 疑似科学を信じやすい人
- 人生の転換期で悩みやすい人
- 高齢者や孤独感を持つ人
- 確証バイアスの強い人
- 好奇心が強い人
- 物事に対して知識を深めるのが苦手な人
確証バイアスとは心理学の用語で、自分の信じたいことや先入観を裏付ける情報ばかりを探してしまう心理傾向のことです。
これらの項目に多く当てはまっている人は、スピリチュアル詐欺に狙われないよう危機意識を高めなければなりません。
スピリチュアル詐欺の手口
スピリチュアル詐欺は、次のような手順で被害者から大金をだまし取ります。
- 信頼関係を構築し、依存させる
- 「幸せにならなければいけない」という価値観を植え付ける
- 「幸せになるため」と称して、高額な商品やサービスを提案する
- 2と3を繰り返して、継続的に金銭を要求する
信頼関係を構築するのは一般的な営業活動と同じですが、スピリチュアル詐欺の場合は、その後依存させるという違いがあります。
人間は誰かに強く依存してしまうと、依存相手の言うこと以外は耳に入らなくなるため、この関係から抜け出すのは難しいでしょう。
周囲の人は経済的な損失が大きくなれば、詐欺に気づくのではないかと感じます。
しかし本人は「お金は、使わないと入ってこない」「幸せになるためには必要なこと」と信じているため、被害が大きくなっていくのです。
スピリチュアル詐欺の被害事例
2024年11月1日、某女性タレントによる「とある書籍」が出版されました。
書籍は、タレント本人がスピリチュアル詐欺からどのように抜け出したのか、実体験に基づいた内容となっています。
女性タレントは8年前、起業して間もない頃に詐欺にあってしまいました。その経験から、経営において不安の尽きない日々を送っていました。
相談できる相手がいなかった彼女は、占いで仕事関係の悩みがあることを言い当てられたことから、その占い師を信用してしまったそうです。
その後は占い師に言われるまま「自己投資」を繰り返してしまいました。
占いやスピリチュアルについての書籍、開運グッズなどにかけた費用は1,500万円に上り、周囲のアドバイスにも耳を貸すことはなくなっていました。
その結果、彼女は占いを始めた時以上の困難に陥ります。
そこで「聖書」に出会ったことから、スピリチュアルへの傾倒が少しずつ収まり、抜け出すことができたそうです。
一度依存状態に陥ると、経済的な損失が大きくなってもスピリチュアル詐欺から抜け出すことは難しいとわかる被害事例です。
スピリチュアル詐欺の被害にあった時の相談先
自分がスピリチュアル詐欺の被害にあっているのではないかと疑問を抱いた場合、どこに相談すればよいのでしょうか。
2つご紹介します。
消費者ホットライン
消費者ホットライン「188」では、地方公共団体が設置している身近な消費生活相談窓口を案内してもらえます。
受付時間は平日9:00〜17:00、土日祝日は10:00〜16:00です。
スピリチュアル詐欺は被害に気づきにくい点が特徴的ですが、消費生活相談窓口の担当者は今までの相談事例を基に、詐欺かどうかを判断してくれるでしょう。
また2023年1月5日には消費者契約法が改正され、霊感商法(スピリチュアル)の勧誘による契約取り消しの対象範囲が広がり、取り消しができる期間も延長されました。
上記の法律改正に基づき、自分の結んだ契約が取り消し可能なものかどうかも相談できるでしょう。
スピリチュアル詐欺の被害にあっているか自分では判断できない場合、まずは客観的なアドバイスをもらえる消費生活相談窓口に相談するのがおすすめです。
司法書士や弁護士
スピリチュアル詐欺の被害にあったと気づいたら、司法書士や弁護士に相談しましょう。
次のような証拠がそろっていると、返金請求がスムーズに進みます。
- スピリチュアルの専門家とのやり取りの内容がわかるスクリーンショットや音声
- スピリチュアルの専門家のホームページ、広告のURLやスクリーンショット
- セミナー、ヒーリング、セッションなどの内容がわかる資料や音声
- 振込明細書
証拠がそろったら、早めに相談するのがおすすめです。
まとめ
スピリチュアル詐欺とは、スピリチュアルの専門家を騙るセラピストや霊能者、ヒーラーなどが被害者を依存させて繰り返しお金をだまし取る詐欺のことです。
一度だまされると被害金額が大きくなっても詐欺であると気づきにくいため、この記事も参考に、手口についてあらかじめ知っておくことが大切です。