「元本は減りません!絶対に儲かります」「ツールに任せるだけで勝率100%」などと謳う、FX自動売買ツールの広告を見かけたことはありませんか。
FXには必ずリスクが伴うため、利益について断定的な説明をしている場合や、リターンのみを強調する業者は、FX自動売買詐欺の可能性があります。
本記事では、FX自動売買詐欺によくある手口や、あやしい業者の見分け方を解説します。
✓FX自動売買詐欺の手口
✓詐欺まがいのFX自動売買ツールの見分け方
✓詐欺被害にあったときの相談先
FXの自動売買詐欺とは?
FXは、2つの通貨を売買したときに発生する差額によって利益を得る投資です。
為替レートは各国の景気や金利、経済収支など、さまざまな要因が複雑に絡み合って変動します。そのため、通貨の売り時・買い時を的確に判断するのは困難です。
そこで「FXの自動売買ツール」を使えば、取引ルールを設定するだけでシステムが自動的に売買を実行してくれます。
もちろんFX自動売買ツールも万能ではありませんが、うまく活用すれば専門知識がなくても取引できます。
しかし、なかには以下のような詐欺的行為を行う悪徳業者もいるため、注意が必要です。
- 偽のFX自動売買ツールを売りつけ、お金を騙し取る
- 広告内容とかけ離れている機能の取引ツールを販売する
- 「絶対に儲かる」などと確実性を謳うものの、説明どおりの利益が出ない
- FX口座からの出金が拒否される
- トラブルがあっても返金対応しない
なお、FX自動売買詐欺を含む、投資詐欺の返金方法は以下で解説しています。いち早く返金へ向けて行動したい方は、参考にしてください。
投資詐欺にあったと気がついたときに「返金されないのでは?」なんて不安を感じている人はいませんか? この記事では、投資詐欺で泣き寝入りしないために知っておきたい返金率や返金事例をご紹介します。 [afTag id=5415] ✓[…]
FX自動売買詐欺の手口
FX自動売買ツールを使った詐欺的行為の被害にあわないためには「悪徳業者がどのようにお金を騙し取るか」を知っておく必要があります。
ここでは、FX自動売買詐欺によくある手口を紹介しますので、参考にしてください。
1.偽の自動売買ツールを販売する
悪徳業者は、インターネット広告やメールマガジン、SNSなどを通じて偽の自動売買ツールの宣伝をしています。
贅沢な暮らしぶりを強調し「FX自動売買ツールを使えばこんな生活ができる」とアピールしていることもあります。
FXは売買のタイミングを見極めることが難しく、取引の仕組みも複雑です。
だからこそ業者は「難しい取引はツールに任せられるので、初心者でも簡単に儲かる」などの誘い文句で、自動売買ツールの購入を促してきます。
近年ではマッチングアプリや出会い系サイトを利用し、LINEなどに誘導してからFX自動売買ツールの購入を勧めてくる手口も増えています。
2.口座開設を求められる
FX自動売買ツールを購入すると、指定の口座に運用資金を入金するよう指示されます。
口座を作る際は「手数料・維持費・管理手数料は、一切かかりません」などと勧誘してきます。
3.利益が出ているのに出金できない
業者の指示どおりに海外業者が名義人となった口座に入金すると、画面上では順調に利益が出ているように見えます。
しかし、増えた数字は単なる見せかけであり、実際には利益が出るどころか取引さえも行われていません。
詐欺まがいの業者の目的は「お金を騙し取ること」であるため、出金を求めてもさまざまな理由をつけて拒否されます。
また「出金するためには手数料が必要」「所得税が発生する」などの理由から、追加で入金を要求してきたり、より高額なFX自動売買ツールの購入を勧めてきたりすることもあります。
4.業者と連絡が取れなくなり、返金もされない
FX口座に発生しているはずの利益だけでなく、入金済みのお金でさえ出金不可能になります。
ここで騙されたと気づき業者に返金を求めても対応されず、やがて完全に連絡が取れなくなります。
詐欺まがいのFX自動売買ツールの見分け方4つ
FX自動売買ツールを購入する際は「信頼できる業者かどうか」を見極めることが重要です。
ここでは、詐欺まがいのFX自動売買ツールを販売する悪徳業者の特徴を4つ紹介します。
1.「絶対に儲かる」など断定的な説明をしている
「今後相場が上がるか・下がるか」といった為替の動きを、正確に予想することは不可能です。
そのため、どんなに高性能なFX自動売買ツールを使っても、損失が出る可能性はあります。
以上のことから「絶対に儲かる」「勝率100%」など、将来の利益について断定的な説明をする業者には警戒してください。
金融商品取引業者などが金融商品を販売する際、不確実な事項について断定的な説明をすることは金融商品取引法によって禁止されています。
「必ず儲かる」と説明している時点で詐欺的行為の可能性が高いため、広告や誘い文句を鵜呑みにしないようにしましょう。
2.FXのリスクに関する説明をしない
詐欺まがいの業者はハイリターンであることばかりを強調し、FXのリスクについて説明しない点も特徴のひとつです。
通常、FX自動売買ツールの販売サイトには「元金や利益を保証するものではない」「相場の変動などにより損失が生じる場合がある」といった注意書きが記載されています。
前述のとおりFXには必ずリスクが伴うため、自動売買ツールのメリットのみをアピールする業者には注意してください。
3.金融庁に金融商品取扱業者として登録されていない
日本でFXを含む金融商品取引業を行う場合は、海外の業者であっても金融商品取引法に基づき金融商品取引業の登録が必要です。
無登録の業者とトラブルになった場合、業者が特定できず解決が難しくなってしまいます。そのため、無登録の業者との契約は絶対に避けてください。
金融商品取引業の登録有無については、金融庁のホームページ「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」から確認できます。
4.インターネット上に悪評や悪い口コミがある
FX自動売買ツールを購入する前にインターネットで社名やツール名を検索し、口コミを確認しましょう。
「連絡が取れなくなった」「出金できない」といった悪評が見つかった場合、その業者との契約は避けるべきです。
ただし、詐欺まがいの業者であってもインターネット上に悪い評価が見当たらないケースもあります。
よく知らない人から自動売買ツールを勧められても安易に購入せず、信頼性を確認したうえで利用を検討することが大切です。
FX自動売買の詐欺被害にあったときの相談先
詐欺まがいのFX自動売買ツールでお金を騙し取られても、早めに専門機関へ相談すれば被害を回復できる可能性があります。主な相談先は、以下のとおりです。
消費生活センター・警察の相談窓口
全国の消費生活センターでは、FX自動売買詐欺を含む消費生活全般の相談に対応しています。
消費者ホットライン(電話番号188)に連絡すると最寄りの窓口につながり、無料で相談できます。
また、警察の相談窓口(電話番号#9110)でもFX自動売買詐欺に関する無料相談が可能です。
ただし、消費生活センターや警察ができるのは、情報提供や解決に向けたアドバイスまでです。業者への返金交渉には対応できないため、注意してください。
金融庁の相談窓口
金融庁にも「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル(0570-050588)」が開設されています。電話すると、トラブル解決に向けたアドバイスが無料で受けられます。
ただし金融庁も消費生活センターや警察と同様に、返金手続きを代理することはできません。
司法書士・弁護士
FX自動売買詐欺で騙し取られたお金を取り戻したい場合は、司法書士・弁護士への相談が有効です。
業者と連絡が取れなくなり泣き寝入りしてしまう人もいますが、詐欺的行為の証拠が集まっていれば、返金に成功する可能性があります。
可能な範囲で証拠を収集しておくと、相談がスムーズです。
FX自動売買ツールを購入するきっかけとなったインターネット広告やSNSの投稿、業者とのメッセージのやりとりなどをスクリーンショットに収めておきましょう。
まとめ
FX自動売買ツールを使えば専門知識がなくても取引できますが、偽のツールを購入させられたり、出金できなくなったりする詐欺まがいの業者も存在するため注意が必要です。
今回ご紹介したFX自動売買詐欺の見分け方を参考に、業者の信頼性をよく確認することが重要です。FX自動売買詐欺の被害にあった場合は一人で抱え込まず、公的機関や司法書士・弁護士に相談しましょう。