丹誠司法書士法人が取り扱っている悪徳業者が運営するサイト(以下、「詐欺サイト」といいます)が支払手段として求める方法として、下記3種類が主に存在いたします。
今回解説するのは「クレジットカード決済」についてです。
私たちの生活に浸透しているクレジットカード決済は、実は悪徳な詐欺サイトで悪用されていることを知っていましたか?
✓クレジットカード決済のシェア率
✓クレジットカード決済の特長(メリット)
✓詐欺まがいの悪徳業者にクレジットカード決済が利用される理由
クレジットカード決済について
まずは、クレジットカード決済の仕組みについて詳しく解説いたします。
クレジットカード決済とは、クレジットカードを使用して支払う方法です。
実店舗ではクレジットカードをスキャンまたはタッチして支払うことができます。
インターネット上ではクレジットカード情報を入力すれば支払いをすることができます。
クレジットカードを持つには、各信販会社(クレジットカード発行会社)に申し込みをして、審査に通る必要があります。
居住する部屋を借りるときや自動車を購入する際にローンを組むときなどの審査と同様です。
審査の申し込みでは、氏名・住所・連絡先のような個人情報や年収などを申告します。
審査内容は各信販会社によって異なりますし、その内容は外部には明かされていませんので、申し込みをしてみないとクレジットカードを持てるかどうかはこちらでは判別できません。
また、信販会社が違えば、クレジットカードを複数枚所持することもできます。
最近ではクレジットカードを利用するとポイントが付与され、現金と同じようにそのポイントを使用することができますので、いわゆる'ポイ活'のために、『▲▲店ではAクレジットカードを使って、〇〇店ではBクレジットカードを使う』などのように、用途や店舗によって使い分けている方も多くいらっしゃるかと思います。
また、クレジットカードを利用する上で把握しておいていただきたい3者がいます。
- 国際カードブランド
:JCB、VISA、Master Cardなどのブランドのこと - 会員側カード発行会社(イシュアー)
:三井住友カード、楽天カードなどのカードを発行する会社のこと - 加盟店側カード会社(アクワイアラー)
:イオンクレジットサービス、セディナなどの加盟店を募集管理する会社のこと
耳馴染みの無い言葉かとは思いますが、クレジットカードの仕組みを理解するのには欠かせない言葉です。
このあとの解説でもたびたび登場しますので、覚えておいていただけるとわかりやすくなるかと思います。
ちなみに、一般的に私たち消費者が直接かかわるのは'会員側カード発行会社(イシュアー)'です。
クレジットカード決済のシェア率
『キャッシュレス決済といえばクレジットカード決済』
このように言えるほど、クレジットカード決済は日本社会に浸透していますよね。
日本では数年前から、どんな店舗でもキャッシュレス決済ができることが当たり前になってきました。
公共交通機関や百貨店、スーパー、美容院などでも、いまでは当たり前のように利用できます。
2010年以降、キャッシュレス決済は、下記の図のとおりに増え続けています。
この内訳は、下記の表のとおりです。
出典:経済産業省「2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました」(2023年10月20日閲覧)
政府は、『キャッシュレス決済を2025年までに全体の4割程度まで押し上げる』という目標を掲げています。
これは、生産性向上・人手不足の解消のため、そしてインバウンド消費(外国からの旅行客による消費)が拡大していることが要因です。
そのため、これからも利用可能な店舗がますます増えていくことが容易に想像されます。
上の図・表から見ても、クレジットカード決済が、キャッシュレス決済でされた決済額のうちの約9割を占めていることが解ります。
ここ数年はコロナ禍だったことも相俟って、割合の伸び率が非常に高いです。
クレジットカード決済のシェア率の高さも群を抜いていますし、今後もさらに加速して増えていくことが予想されます。
最近では携帯電話にクレジットカードの情報を読み込ませて電子マネーとしての利用も可能になっていますが、それでもクレジットカード決済の割合が抜群ですので、どれだけ生活に欠かせない存在になっているか、一目瞭然ですね。
クレジットカード決済の特長
クレジットカード決済がここまで浸透しているのには、政府が推していること以外にも理由があります。
私たち消費者にとってのメリットと、企業にとってのメリットがそれぞれ大きいためです。
大きく例えると、下記が挙げられます。
消費者にとってのメリット
①現金を持つ必要が無い
②購入行動がスピーディーになる
③使っているクレジットカードの会社ごとにポイントが貯まる
企業にとってのメリット
①販売機会が拡大する
②客単価が向上する
③コスト削減ができる
特に、手持ちの現金が無くても購入ができるというのは、消費者にとっても企業にとっても非常に大きなメリットであると言えます。
「いま買いたいのに買えない」「いま売れそうなのに売れない」
このような事態が起こらなくなります。
また、クレジットカード1枚さえあれば、海外に行った際にもお買い物をすることが可能です。
これまでのように現地貨幣に換金をする必要が無いため、時間や手間をかけることが無くなりました。
そして、クレジットカード決済最大の特長は、24時間365日いつでもどこにいても、インターネット上でのお買い物ができるというところです。
これは消費者にだけでなく企業にとっても大きなメリットです。
悪徳な詐欺サイト被害の●●割はクレジットカード決済で行われている!?
下記は、丹誠司法書士法人にご依頼いただいた被害内容のうち、2022年3月~2023年8月の決済種別ごとの被害件数と被害額の割合をグラフにしたものです。
クレジットカード決済の被害件数・金額ともに約4割を占めており、被害が非常に多いことがわかります。
丹誠司法書士法人に寄せられる依頼のうちの約半分の被害者様はクレジットカード決済をさせられているということです。
クレジットカードは、利用履歴が記録に残るのが便利ではありますが、手元にある現金を使うのとは異なり、「今いくら使っているのか」が目に見えにくく、気が付いたら翌月の請求が高額になっていたというのが悪徳な詐欺サイトの運営業者にとってはメリットがあります。
この点を悪用してどんどん決済を行わせるというのが、悪徳な詐欺サイトの手口のうちの1つでもあります。
そのため、クレジットカード決済を求める悪徳な詐欺サイトの被害では、一回の決済額は少額であり決済する回数が多いです。
少額であれば、一回の決済のハードルが下がりますよね。
これを繰り返して、実際の引き落としのときに高額利用の事実に気付き、「自分はもしかして詐欺にあったのではないか…?」とここでようやく思い至る、というのが悪徳な詐欺サイト・スマホ副業詐欺を利用していた方の一般的な流れです。
身に覚えのない利用が明細に載っていた…詐欺!?不正利用!?
悪徳な詐欺サイト・スマホ副業詐欺の被害にあわれた方々は、高額引き落としをされたとき、その原因を探ろうと利用明細を確認します。
自分では詳細に覚えていなくても、クレジットカードで行った決済は、利用履歴がすべて残るからです。
利用明細には『何年何月何日何時何分何秒に・どこの店舗で・何円使った』という内容で記録が為されます。
これはアプリやウェブページを確認すればいつでも、紙媒体であれば約1ヵ月後に、それぞれ確認することができます。
ご自身の利用内容を細かく確認しているとき、「こんなお店で使ったっけ…?」「このサイト名で利用した覚えが無い」といったことがあったことはありませんか?
会員側カード発行会社(イシュアー)のHPでは、お問い合わせが多い利用先として紹介されているものがあります。
出典:楽天カード株式会社「お問い合わせの多いご利用先一覧」(2023年10月20日閲覧)
名前が判然としないものは、ローマ字と数字の羅列であることがほとんどです。
これらはすべて決済代行会社の名前です。
決済代行会社についてはこちらの記事で詳しく解説いたしております。
詐欺被害にあったり不正利用されたりしたかと思い悩む方へ
決済代行会社という、日常では耳にすることがほとんど無い言葉をいきなり言われても、困惑してしまいますよね。
また、利用した店名ではない文字がご自身のクレジットカード利用明細に載っていても、同様に困惑されるかと思います。
しかしながら、焦るのはまだ早いです。
それらすべてが詐欺被害や不正利用されたものでは無い可能性もあります。
これを解明するには、決済代行会社の仕組みをよく知っていただく必要があります。
次の記事で解説いたしますので、こちらもご覧ください。
※こちらの記事は2023年10月20日時点の情報等にもとづいて書かれています。
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