借金返済のせいで生活が苦しい…
月々の支払額が多すぎるのでどうにかしたい…
このような借金問題を抱えている人はいませんか?
「債務整理」と「任意整理」という言葉は聞いたことがあるけれど、違いがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、債務整理と任意整理の違いを分かりやすく解説します。
また、債務整理の全体像を理解した上で、任意整理のメリット・デメリット、手続き、費用相場などについて説明します。
さらに、任意整理が向いている人・向いていない人の特徴や相談先も解説するため、ぜひ最後までご覧ください。
- 債務整理とは何か
- 任意整理とは何か
- 債務整理と任意整理の違い
- 任意整理が向いている人・向いていない人の特徴
- おすすめの相談窓口
債務整理とは何か
債務整理とは、借金の返済が困難になった場合に、法律に基づいた手続きによって借金を減額したり返済方法を変更したりする手続きの総称です。
場合によっては、借金が全額免除されることもあります。
生活再建を目指す、法的な救済手段と言えるでしょう。
借金問題を抱えていると精神的な負担も大きく、日常生活にも支障をきたす可能性があります。
債務整理はそのような状況から抜け出し、新たなスタートを切るための有効な手段となります。
債務整理には、主に以下の4つの種類があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
- 特定調停
それぞれ手続きや効果が異なるため、自身の状況に合った方法を選択することが重要です。
任意整理とは何か
任意整理とは裁判所を通さず、債権者(お金を貸している人や会社)と交渉・和解することで、返済条件の見直しを行う債務整理の一つです。
将来利息をカットし、3〜5年で分割返済していくことが一般的です。
裁判所を介さないため、手続きが比較的シンプルな点が特徴です。
以下の記事では、任意整理の相談先やメリット・デメリットを詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
借金の返済が困難になったので任意整理をした方がよいと思うけれど、どこへ相談すればよいのかわからないという方はいらっしゃいませんか? この記事では、任意整理を依頼するおすすめの相談先から、それぞれのメリット・デメリットまで解説します。 […]
債務整理と任意整理の違いを分かりやすく解説
債務整理と任意整理、どちらも借金問題の解決策として挙げられるものです。
債務整理は、複数の手続き(任意整理・個人再生・自己破産・特定調停)の総称であることに対して、任意整理は債務整理の中の1つの方法です。
ここでは、債務整理と任意整理について、概要や対象となる借金の種類、費用、期間、信用情報への影響といった観点から、両者の違いを解説していきます。
手続きの違い
債務整理は、借金問題を解決するための法的手続き全般を指します。
任意整理の他に、個人再生、自己破産、特定調停といった手続きが存在します。
それぞれの手続きは、裁判所を通すかどうか、減額できる借金の範囲、財産の扱いなどが異なります。
任意整理は、裁判所を通さず、債権者と直接交渉して借金の減額や返済方法の変更を行う手続きです。
弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。
他の債務整理手続きに比べて簡易で、費用も抑えられます。
債務整理の判断基準
債務整理は、借金の状況や返済能力に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。
任意整理は、将来の利息をカットし、無理のない分割払いで返済を続けたい人に適しています。
ただし、元本は減額されないため、安定した収入があり、返済の見込みがあることが前提となります。
どの債務整理を選ぶべきかは、自身の状況を踏まえ、弁護士や司法書士に相談するのがおすすめです。
費用相場
手続きを進めるうえで発生する費用は、選択する債務整理の種類によって異なります。
各手続きの費用相場は、以下の通りです。
手続き | 費用相場 |
任意整理 | 3~6万円 |
個人再生 | 20~60万円 |
自己破産 | 30~100万円 (財産の有無で変動) |
特定調停 | 数千円~数万円 (収入印紙代等の実費) |
任意整理は、債務整理手続きの中でも比較的費用が抑えられる傾向があります。
ただし依頼する弁護士や司法書士、借入先金融機関の数によって変動するため、上記はあくまでも目安です。
手続きに要する期間
任意整理は、交渉開始から和解成立まで、3ヶ月〜6ヶ月程度かかることが一般的です。
ただし、債権者の数や交渉の難易度によって期間は変動します。
しかし、他の債務整理手続きと比較すると、短期間で解決できる可能性があります。
個人再生や自己破産は、裁判所の手続きが必要となるため、任意整理よりも時間がかかる傾向があります。
個人再生の場合は6ヶ月~1年程度、自己破産は3ヶ月~12ヶ月程度、特定調停は3~6ヶ月程度かかるケースが多いです。
信用情報への影響
任意整理を含む、全ての債務整理手続きは、信用情報機関に登録されます。
いわゆる「ブラックリストに載る」状態となり、一定期間(5年~7年間)、新たなクレジットカードの作成やローンの利用が難しくなります。
また、住宅ローンや自動車ローンなどの審査も厳しくなる可能性があります。
ただし、債務整理をしたからといって、一生涯クレジットカードやローンが利用できなくなるわけではありません。
任意整理が向いている人、向いていない人
任意整理はすべての借金問題を解決できる「魔法」ではありません。
状況によっては、他の債務整理手続きの方が適している場合もあります。
ここでは、任意整理のメリットを最大限に活かせるケースと、任意整理では解決が難しいケースを解説します。
任意整理のメリットを最大限に活かせる人
以下のような方は、任意整理によって借金問題を解決できる可能性が高いでしょう。
比較的少額の借金を抱えている人
借金の総額が少なければ、将来利息をカットしてもらうだけでも返済負担を大きく軽減できます。
また、手続きも比較的スムーズに進みやすい傾向にあります。
安定した収入があり、返済計画を立てられる人
任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉して返済計画を立て直す手続きです。
そのため安定した収入があり、無理のない返済計画を立てられることが重要です。
毎月の収入から生活費を差し引いた金額をもとに、3~5年程度で完済できる見込みがあることが目安となります。
住宅ローンなどの特定の借金を維持したい人
任意整理では、対象とする借金を自分で選択できます。
例えば、住宅ローンは維持したまま、クレジットカードの借金だけを整理することも可能です。
住宅や車など、特定の資産を守りたい場合に有効な手段となります。
任意整理では解決が難しいケース
一方で、以下のような方は、任意整理では解決が難しい場合があり、他の債務整理手続きを検討する必要があるかもしれません。
借金の総額が多額で、返済の見込みがない人
任意整理はあくまでも返済を前提とした手続きです。
借金の総額が多すぎて、完済の見込みがない場合は、自己破産や個人再生といった手続きの方が適している可能性があります。
債権者との交渉がうまくいかない場合
任意整理は、債権者との合意に基づいて行われる手続きです。
そのため、債権者が任意整理に応じない、交渉が難航する場合は、手続きを進めることができません。
債権者が任意整理に応じても、提示された返済条件が厳しすぎる場合は、他の手続きを検討する必要があるかもしれません。
ギャンブルや浪費など、借金の原因が解消されていない人
任意整理で一時的に借金を整理できたとしても、借金の原因が解消されていない限り、再び借金を繰り返してしまう可能性があります。
根本的な原因を解決しない限り、借金問題は再発する可能性が高いため注意が必要です。
ギャンブル依存症などの場合は、専門機関への相談も検討しましょう。
次章では、どのような手段が自分の状況にあっているのかも含めて相談できる窓口を紹介します
債務整理の相談窓口
債務整理でお悩みの方は、一人で抱え込まずに第三者に相談することが大切です。
ここでは適切なアドバイスを受けられる相談先を紹介します。
弁護士・司法書士
債務整理の相談先として、真っ先に挙げられるのが「弁護士」です。
債権者との交渉や裁判所への手続きなどを代理で行ってくれます。
扱える金額に制限がないため、あらゆる債務整理に対応できます。
ただし、依頼にかかる費用が、やや高額になりやすいという点に注意が必要です。
債権者1社あたり、140万円以下の債務であれば「司法書士」にも依頼できます。
認定司法書士であれば、任意整理における債権者との交渉を代理で行ってもらえます。
無料相談を行っている事務所も多いので、気軽に相談してみましょう。
法テラス
日本司法支援センター「法テラス」は、国が設立した法的トラブルに関する総合窓口です。
債務整理に関する相談も受け付けています。
経済的に厳しい状況にある方を対象に、弁護士や司法書士との無料法律相談(1回30分、最大3回まで)を提供しています。
ただし、一定の利用条件を満たしていることが必要となるため、事前の確認が重要です。
国民生活センター
国民生活センターは、消費生活全般に関するトラブルの相談窓口です。
債務整理を含む借金問題全般の相談にも対応しており、専門の相談員がアドバイスを提供してくれます。
【まとめ】債務整理は、任意整理含む手続きの「総称」
債務整理と任意整理の違いについて解説しました。
債務整理は借金問題を解決するための法的手続きの総称であり、任意整理や個人再生、自己破産、特定調停といった手続きが含まれます。
一方で任意整理は、債務整理の1つです。
債権者と直接交渉して借金の減額や返済方法の見直しを行う手続きです。
将来の利息をカットする、分割回数を増やすといった方法で、無理のない返済計画を立てられます。
丹誠司法書士法人では、任意整理の相談を受け付けております。
一人ひとりの状況について丁寧にヒアリングし、最適な方法を提案しています。
「借金を抱えていることを周囲に知られたくない」という場合も、臨機応変に対応させていただきます。
安心してお問い合わせください。
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