「購入するだけで安定した副収入が得られる」
このような甘い言葉に惹かれて契約した結果、経済的な負担を抱える被害が後を絶ちません。
これがレンタルオーナー商法の実態です。
過去には、数千億円規模の被害も発生しています。
本記事では、レンタルオーナー商法の仕組みや危険性、過去の代表的な詐欺事件、被害にあった場合の相談先を詳しく解説します。
「レンタルオーナー商法」という言葉を初めて聞いた方も、すでに被害に不安を感じている方も、本記事を通じて正しい知識と対策を身につけましょう。
- レンタルオーナー商法の概要
- レンタルオーナー商法の危険性と法的規制
- 過去のレンタルオーナー商法による詐欺事例
- レンタルオーナー商法の被害にあった場合の返金方法
- レンタルオーナー商法の被害にあった場合の相談先
以下の記事では、詐欺に気づいたときに最初に取るべき行動について詳しく解説しています。
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レンタルオーナー商法とは?

レンタルオーナー商法(販売預託商法・オーナー商法)は、以下のような仕組みの商法です。
- 事業者が消費者に「商品または権利」を購入させる
- 商品は購入者に引き渡さず、事業者が預かる形にする
- 事業者が、商品を第三者に貸し付けてレンタル料を得る
- そのレンタル料を購入者に還元する
一見すると、商品を預けるだけで不労所得が得られるように思えますが、実際は購入者にほとんど利益がなく、損失だけが残ります。
非常に詐欺的手口が多い商法のため、注意が必要です。
以下、レンタルオーナー商法の危険性と法的規制について説明します。
レンタルオーナー商法の危険性
レンタルオーナー商法は、事業者が商品を運用して、購入者に利益を還元する仕組みです。
しかし、実際にはレンタルなどの商品運用がほとんど行われない、あるいは商品自体が存在しないケースもあります。
事業者は、新規購入者の代金を既存購入者への支払いに充て、利益があるかのように装います。
ですが、運用利益がないのでいずれ既存購入者への支払いもできなくなり、最終的には仕組みそのものが破綻します。
その結果、購入者はほとんど利益を得られず、代金分さえも回収できません。
ローンを組んで商品を購入した場合は、ローンの支払いだけが残ります。
レンタルオーナー商法の法的規制
レンタルオーナー商法は長年問題視されていました。
過去には大規模な詐欺事件が次々と発生した背景もあり、2022年に預託等取引に関する法律(預託法)が大幅に改正されました。
この改正により、販売した商品を事業者に預託する取引(販売預託取引)の契約や勧誘は原則として全面禁止となり、違反者には刑事罰や行政処分が科されます。
例外的に、内閣総理大臣の確認を受けた事業者のみ預託販売取引が認められますが、現時点では確認を受けた事業者は存在しません。
※2025年10月1日時点
つまり、現在行われているレンタルオーナー商法の大半は、違法な取引です。
勧誘されても、契約に応じてはいけません。
実際にあったレンタルオーナー商法の詐欺事例

悪徳業者は、過去の詐欺的行為と似た手口を使うことがよくあります。
過去の事例を知っておくことは、被害を避けるために役立ちます。
以下では、地域自治体が公表したレンタルオーナー商法の詐欺事例を紹介します。
和牛オーナー:安愚楽牧場事件
安愚楽牧場事件では「産まれた仔牛を牧場が買い取って育成・販売し、その売却益を配当する」とうたって、繁殖用の牛を購入させる手口が使われました。
しかし、繁殖用の牛が契約数を大きく下回っており、新規購入者の代金を既存購入者への配当金に充てる自転車操業だったため、経営破綻しました。
結果、被害人数は約7万3000人、被害総額は約4200億円にのぼる大規模事件に発展しました。
加工食品オーナー:ケフィア事業振興会事件
ケフィア事業振興会(かぶちゃん農園)事件の手口は「商品を購入すれば1年後に利回り10%以上で買い戻す」とうたって、干し柿やヨーグルトなどの加工食品を購入させるものでした。
同社は、購入資金を使って多くの新規事業に投資したものの、いずれも上手くいかず、経営破綻しました。
この事件の被害人数は約3万人、被害総額は約1000億円となり、多くの被害を生み出しました。
健康器具オーナー:ジャパンライフ事件
ジャパンライフ事件の手口は、磁気治療器などの高額な健康機器を購入させたうえで「第三者への貸与によって利益が得られる」と説明し、投資を促すものでした。
特に、高齢者をターゲットにしている点が特徴です。
実際の商品数が購入者数に比べて大幅に少なく、数度にわたる行政処分を受けた後に会社は経営破綻しました。
被害人数は約1万人、被害総額は約2100億円と言われており、深刻な社会問題にもなりました。
この事件が、預託法改正のきっかけになっています。
過去の詐欺事例から学べること
過去の事例に共通するのは、存在しない商品を購入させられている、あるいは商品の運用がほとんどされていないことです。
商品の実在や運用状況を客観的な資料などで確認できない場合、レンタルオーナー商法の取引に関わってはいけません。
安易な契約は避けましょう
レンタルオーナー商法の被害にあった場合の対応方法

万が一、レンタルオーナー商法の詐欺被害にあっても、諦める必要はありません。
前記の販売預託に該当する契約は、内閣総理大臣の確認を受けていない限り、無効とされています。
なお、現時点では内閣総理大臣の確認を受けた事業者は存在していません。
そのため、被害にあったとしても、契約無効を主張の上、返金請求が可能です。
以下では、具体的な手続きを説明します。
証拠の確保
詐欺被害にあった場合、最初にやるべきことは証拠の確保です。
契約の無効を主張するには、それが販売預託取引であることの証拠が必要です。
また、返金請求するには、契約に基づいてお金を支払ったことも立証する必要があります。
これらを立証するために、以下の証拠を集めましょう。
- 契約に関連する書類
レンタルオーナーの契約書、勧誘資料、パンフレット - 相手方とのやり取り
メール・LINE・SNSのスクリーンショットや画面録画、通話録音など - 支払いの記録
通帳、振込明細書、領収書など
※借金して代金を支払った場合は、クレジット・ローンの契約書なども揃えておくこと
特に、LINEやSNSなどは相手方に消去される恐れがあるので、早めに確保しましょう。
内容証明郵便での返金請求・交渉
証拠が揃った段階で、相手方に対して配達証明付きの内容証明郵便で、契約無効の主張と返金請求を行います。
内容証明郵便は送った書面の内容を証拠として残せます。
さらに、配達証明を付けると相手方に配達されたことも証拠として残せるので、証拠価値が上がります。
郵送後は、相手方と返金交渉を行います。
話がまとまった場合は合意書(和解書)を作成し、相手方との間で取り交わします。
その際、可能であれば、合意書は公正証書で作成しましょう。
公正証書にしておけば、相手方が返金しない場合、裁判を経ずに強制執行できます。
民事訴訟
相手方が交渉で返金に応じない場合、民事訴訟を提起して返金を求めます。
民事訴訟では、確保した証拠を提出して契約の無効を主張します。
返金請求の訴訟は、自分の住所を管轄する裁判所に提起できます。
| 請求金額 | 管轄裁判所 |
| 140万円以上 | 地方裁判所 |
| 140万円未満 | 簡易裁判所 |
請求金額が60万円以下であれば、簡易的な民事訴訟である少額訴訟を利用することもあります。
その場合は簡易裁判所に提起します。
強制執行
民事訴訟で勝訴判決を得ても相手方が返金しない場合は、強制執行の手続きが必要です。
これは、裁判所を通して相手方の財産を差し押さえ、返金に充てる手続きです。
この手続きは、原則として相手方の住所(会社の場合は本店所在地)を管轄する裁判所に申し立てますが、差し押さえる財産の所在地を管轄する裁判所でも申し立て可能です。
ただし、強制執行をするには、相手方が持っている財産を事前に調査・把握する必要があります。
検討の際は司法書士や弁護士への相談がおすすめです
レンタルオーナー商法の被害にあった場合の相談先

レンタルオーナー商法の被害にあった場合、専門機関などへの早めの相談が解決への近道です。
以下、おすすめの相談先を紹介します。
消費生活センター
消費生活センターでは、レンタルオーナー商法などによる消費者被害全般について、専門の相談員に相談できます。
「どこに相談したらよいのか分からない」場合、まずは消費生活センターに相談するのがよいでしょう。
消費者ホットライン(電話番号:188)に電話をすれば、最寄りのセンターを案内してくれます。
警察
被害内容が明らかに詐欺の場合は、最寄りの警察署(生活安全課や経済課)に相談しましょう。
ただし、警察では民事的な返金請求などはしてくれません。
しかし、捜査が進めば、状況次第で相手方が刑罰を恐れて示談交渉に応じてくる可能性があります。
司法書士・弁護士
交渉や裁判で返金請求をする場合、法的な知識や経験が必要です。
返金請求を確実に進めたいのであれば、司法書士や弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
認定司法書士であれば、アドバイスだけでなく、1件140万円以下の返金請求について代理人として交渉や裁判をしてもらうことも可能です。
まずは、無料相談などを活用し、解決への第一歩を踏み出しましょう。
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まとめ

レンタルオーナー商法は、一見すると、効果的な「投資」または「副業」のように思えます。
しかし、実際には詐欺的行為が横行し、大規模な詐欺事件も多く起きているリスクの高い取引です。
現在では、原則禁止されている取引なので、勧誘されても手を出してはいけません。
万が一被害にあった場合は、証拠を保存して早めに専門機関へ相談しましょう。
丹誠司法書士法人では、詐欺被害の無料相談を受け付けています。
泣き寝入りする前に、まずは一度お問い合わせください。
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