「ギャンブルの必勝法を教えます」「高額配当が約束されたギャンブルがあります」このような甘い言葉に誘われ、お金を支払ったものの、結局何も得られずに終わってしまった経験はありませんか?
競馬や競艇、オートレースなどのギャンブル参加者に対して「確実に大金を稼げる」といった話を持ちかけて、金銭を騙し取る詐欺被害が後を絶ちません。
ただ、ギャンブル詐欺にあってしまったときでも、適切な手続きを踏めば被害金を取り戻せるケースもあります。
返金の可能性を高めるためには、速やかに行動するのが重要です。
本記事では、ギャンブル詐欺の内容や手口、詐欺にあった際の返金方法、適切な相談先などを詳しく解説します。
\甘い言葉には要注意!/
- ギャンブル詐欺の内容や主な手口
- ギャンブル詐欺にあった場合の対処法
- ギャンブル詐欺にあった場合の相談先
- ギャンブル詐欺にあわないための注意点
ギャンブル詐欺とは?
ギャンブル詐欺とは、競馬や競艇、オートレースなどのギャンブルについて、当たる保証のない予想情報を高額で売りつけてお金を騙し取る行為をいいます。
そもそも、ギャンブル自体は詐欺ではありません。
競馬や競輪などは法律で認められています。
しかし、「必ず勝てる方法がある」などと勧誘して、裏付けのないデタラメな情報を高額で売りつけてお金を騙し取る行為は詐欺に該当します。
お金を「うまく」「簡単に」稼ぎたい気持ちを利用した詐欺
ギャンブル詐欺の特徴は、「情報を利用すれば確実に大金を稼げる」という話を持ちかけ、被害者の心理を巧みに操る点にあります。
人は誰しも、できるだけ労力をかけずに利益を得たいと考えるものです。
悪徳業者は、このような人間の心理につけ込み、あたかも確実に利益が得られるかのように見せかけます。
ギャンブル詐欺にあったらやっておくべき対処
詐欺にあったと気づいたら、できるだけ早めにやっておくべき対応があります。
ここでは、主な対応を紹介します。
相手方の情報集め
悪徳業者の正体がわからなければ、返金請求も難しくなってしまいます。
まずは、以下のような相手方の情報をできるだけ集めましょう。
- 個人名、会社名
- 住所、所在地
- メールアドレス、電話番号、SNSアカウント
- 振込先の銀行口座情報
- やりとりの履歴やスクリーンショット
- 勧誘時の広告やホームページのURL
支払いを止める
詐欺にあったと気づいた時点で、これ以上お金を支払ってはいけません。
定期的に支払いが発生する契約や、毎月一定額を入金するタイプの投資などを行っていれば、引き落としを速やかに停止しましょう。
中には「今まで支払ったお金を取り戻したい」という思いから、さらに追加の支払いをしてしまう人もいます。
しかし、悪徳業者はあくまでもお金を騙し取ることを目的としているので、追加で支払えば支払うほど被害が拡大する可能性が高まります。
相手がどのような説得をしてきても、更なる支払いには絶対に応じないようにしてください。
相手方の銀行口座を凍結させる
悪徳業者が使用している銀行口座が判明している場合、警察や金融機関に 「詐欺に使われた可能性がある」 と連絡すれば、口座を凍結できる可能性があります。
口座が凍結されると資金を引き出せなくなるので、被害の回復がしやすくなるかもしれません。
ギャンブル詐欺の返金方法は3つ!
既にお金を支払ってしまったのであれば、相手方に返金を求めるべきです。
ここでは、主な返金方法を3つ紹介するので、ご参考ください。
チャージバックで返金を受ける
クレジットカードで支払った場合は、チャージバックを利用できる可能性があります。
チャージバックとは、クレジットカードの不正利用などで被害にあった場合に、カード会社に異議を申し立てることで、該当する決済を取り消して返金を受けられる仕組みです。
クレジットカードの不正利用で被害にあった消費者の保護を目的としています。
チャージバックの申請期限はカード会社によって異なりますが、いずれの場合も期限が設けられているため、できるだけ早めにカード会社へ連絡することが大切です。
相手方と交渉して返金してもらう
悪徳業者と直接交渉して、返金を求めることも一つの方法です。
しかし、悪徳業者は最初からお金を騙し取ることを目的としているため、自主的に返金に応じる可能性は低いのが現実です。
交渉だけで解決することは難しいかもしれません。
他の手段もあわせて検討しましょう。
振り込め詐欺救済法を活用する
「振り込め詐欺救済法」に基づき、警察や振込先の金融機関に被害の届け出を行えば、口座に残っている資金の範囲内で被害額を受け取れる場合があります。
しかし、業者がすでに口座から現金を引き出してしまっていると、回収が難しくなってしまいます。
迅速に対応するようにしましょう。
ギャンブル詐欺にあったときの相談先
万が一詐欺被害にあってしまった場合、ひとりで抱え込まずに、しかるべき相談先に相談するようにしましょう。
ここから、主な相談先や特徴を紹介します。
警察
詐欺の疑いがあれば、警察へ相談できます。
「#9110」に電話をすれば、最寄りの警察相談窓口を案内してもらえます。
寄せられた相談内容に対して、関係する部署が協力しながら対応してくれます。
状況に応じて、指導、助言、相手方への警告、検挙など、相談者の不安を解消するために適切な措置が取られます。
ただし、警察は犯罪の捜査や予防を主な役割としているので、基本的に返金対応には応じてくれません。
返金を求めるためには、別の窓口に相談する必要があります。
法テラス
法テラス(日本司法支援センター)にも相談できます。
法テラスとは、国が設立した法的トラブルの総合案内所です。
一定の条件を満たせば、無料で弁護士や司法書士へ無料相談が利用できたりします。
ただし、利用には収入や資産に関する基準を満たす必要があり、すべての人が無条件で利用できるわけではないため、事前の確認が必要です。
国民生活センター・消費者ホットライン・適格消費者団体
詐欺被害にあい、どこに相談すればよいかわからない場合は、以下の消費生活に関する相談窓口を利用するのも一つの方法です。
相談先 | 特徴 |
国民生活センター |
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消費者ホットライン(188) |
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適格消費者団体 |
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ただし、これらの窓口は業者の調査や返金手続きには応じてくれるわけではありません。
弁護士・司法書士
被害金を取り戻したいのであれば、弁護士や司法書士にも相談するのがおすすめです。
弁護士は、返金請求に向けた悪徳業者との交渉や、必要な法的手続きを代理で行います。
さらに、証拠の集め方についての助言や、内容証明郵便の送付や民事訴訟の提起など、被害回復に向けた具体的な対応を進めることができます。
また、司法書士にも、詐欺被害に関する返金請求を依頼することが可能です。
1件あたり140万円以下の請求であれば、簡易裁判所の代理人となれます。
弁護士に比べて費用が低めに設定されている場合が多いため、費用を抑えて返金を目指したい場合には司法書士に依頼するのも一つの選択肢です。
弁護士や司法書士であっても、事務所ごとに対応できる範囲や料金体系は異なります。
無料相談を受け付けている事務所もあるため、積極的に活用して自分にとって適切な弁護士・司法書士を選びましょう。
よくあるギャンブル詐欺の手口は?
ここから、特に多いギャンブル詐欺の手口を紹介します。
「必勝法」と称したマニュアル・情報商材の販売
競馬やパチンコ、カジノなどで 「必勝法」 と称したマニュアルや情報商材を販売する手口です。
以下のような謳い文句で被害者を誘い込み、高額なマニュアルや情報を販売します。
- 「この方法を使えば、短期間で〇〇万円稼げる!」
- 「この情報を知る人だけが勝ち続けている!」
しかし、実際には一般的な攻略法をまとめただけであったり、まったく役に立たない情報であることがほとんどです。
馬券の配当金のためと偽り、出資金を集める
「内部関係者から極秘情報を入手した」「〇〇万円を出資すれば、必ず高額配当が得られる」などと勧誘をして、競馬の馬券購入を名目に出資金を募る手口です。
出資金を募った後は馬券を購入せず、集めたお金を持ち逃げするケースが大半です。
また、最初に小額の利益を分配し、「本当に儲かった」と信じ込ませてから、さらに大きな金額を出資させるケースもあります。
宝くじの当選番号を教えるとして「情報料」を請求する
「宝くじの当選番号を事前に教えます」 「当選確率を飛躍的に上げる秘密の方法があります」といった謳い文句で、高額な情報料を請求する手口です。
一般的には、宝くじをギャンブルと考えていない人も多いかもしれません。
しかし、裁判所は宝くじも「射幸行為」(運任せで利益を得る行為)にあたると判断しています。
つまり、宝くじ関連の詐欺も、ギャンブル詐欺の一種として扱われる可能性があるのです。
当然ですが、宝くじの当選番号は事前にわかるはずがありません。
このような手口は確実に詐欺だと考えてよいでしょう。
二度とギャンブル詐欺の被害者にならないための注意点
ギャンブル詐欺は、 「楽して儲けたい」 という心理につけ込むものです。
そこで、いくつかのポイントを押さえておけば、詐欺にあうリスクを減らせるでしょう。
賭け事に「必ず」はないと心得る
ギャンブルに絶対に勝てる方法は存在しません。
もし本当に必勝法があるなら、それを知っている人物は自分で実践するだけで儲かるはずです。
甘い言葉に引っかからないようにしましょう。
広告の内容をうのみにしない
SNSやインターネットの広告には、ギャンブル詐欺に関連する内容が出回っています。
「実際に稼げました!」といった口コミが掲載されているときもありますが、捏造である可能性も否定できません。
広告内容をうのみにしないようにしましょう。
違和感を覚えたら周囲に相談する
少しでも怪しいなと感じたら、すぐに家族や友人に相談しましょう。
悪徳業者は、被害者が他人に相談しないようにするため、 「この情報は秘密です」「絶対に誰にも話さないでください」 などと口止めをすることが多いです。
しかし、周囲に相談すれば冷静な判断ができるかもしれません。
よく知らない相手と取引しない
悪徳業者は、SNSのDMやLINEなどを通じて 「簡単に儲かる方法を教えます」 と持ちかけてくることがあります。
こうした誘いに乗ってはいけません。
見知らぬ相手との取引は避けましょう。
少しでも「ギャンブル詐欺かも」と思った人は当事務所へ!
近年、ギャンブル詐欺の手口はますます巧妙化しており、誰でも被害にあう可能性があります。
しかし、早い段階で適切に対応すれば、被害の拡大を防ぐだけでなく、返金を受けられる可能性が高まります。
「騙されたかもしれない」と少しでも不安を感じたら、ひとりで悩まずに弁護士や司法書士へご相談ください。
丹誠司法書士法人では、ギャンブル詐欺の被害に関するご相談を承っています。
返金実績が豊富な司法書士が迅速に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。