詐欺かもしれないと思っていても「自分が騙されていると認めたくない」「おいしい話に引っかかってしまった自分が悪い」と感じる方もいるでしょう。
しかし、詐欺を放置すると被害額が膨らんだり、返金交渉が難しくなったりする可能性があるため、できるだけ早急な対処が重要です。
もちろん、悪いのは詐欺まがいの業者であり、被害にあった方が引け目を感じる必要はまったくありません。
本記事では、よくある9つの詐欺の手口や、騙されているかどうか判断するためのチェックリストを紹介します。
詐欺の相談ができる窓口もお伝えしますので、ぜひご一読ください。
- 9つの詐欺の手口と見分け方
- 詐欺に騙されているか確かめたいときの相談先
もしかして騙されているかも?9つの詐欺の手口と見分け方
詐欺の種類は多岐にわたり、それぞれ見分け方が異なります。
ここでは、9つの詐欺について、騙されているか確かめるためのチェックリストを紹介します。
当てはまる項目が多いほど騙されている可能性が高いため、早めに第三者に相談しましょう。
\心当たりがある人はすぐ相談!/
投資詐欺:実態のない投資話を持ちかけ金銭を騙し取る
投資詐欺とは「楽に稼げる」「必ず儲かる」などの謳い文句で実態のない投資話を持ちかけ、投資金や出金手数料などの名目でお金を騙し取る詐欺的行為です。
SNSやインターネット広告を通じて投資を勧められますが、利益が出ているはずの口座から出金できず、やがて業者との連絡が取れなくなります。
<投資詐欺のチェックリスト>
- SNS・LINE・電話・訪問などで面識のない相手から投資話を持ちかけられる
- 「絶対に儲かる」「元本保証」など断定的な言葉で勧誘される
- 「年金破綻」「ハイパーインフレ(過度に物価が上昇する現象)」など将来の不安を煽ってくる
- メリットばかりを強調しリスクに関する説明がない
- 有名人とのつながりをアピールしている
情熱的に夢を語ってくる(経済的自由を手にしましょう!不労所得を得ましょう!など)
投資にはリスクがつきものであり、「必ず儲かる話」は存在しません。
都合の良い儲け話には疑いの目を持ち、勧誘者の勢いに飲み込まれないようにしましょう。
情報商材詐欺:役に立たない情報を高額で売りつける
情報商材詐欺とは、ほとんど価値のない・内容の薄い商材を高額で売りつけてくる詐欺的行為です。
情報商材は「情報」そのものが商品のため、実際に購入するまで中身がわかりません。
このような商材の特性を悪用し、実際は薄い内容であっても「簡単に稼げるノウハウ」「投資必勝ガイド」など、有益な情報であるかのように装うのがよくある手口です。
<情報商材詐欺のチェックリスト>
- ブログ・YouTube・LINEなどから商材の販売ページへ誘導される
- 「確実に利益が出る」「誰でも月100万円稼げる」など誇大な表現で宣伝している
- 返金保証を謳っている(実際は言いがかりをつけて返金に応じない)
- 特定商取引法に基づく表示がない(社名・住所・電話番号など)
- 無料会員登録(または少額の商材を購入)した後、高額商品の購入を勧めてくる
大袈裟な謳い文句や返金保証は、ユーザーの購買意欲を高めるための罠です。
また、「購入者の成功体験」も捏造されている可能性があります。
チェックリストに当てはまる項目が多ければ詐欺の可能性が高いため、魅力的な広告に惑わされないようにしましょう。
副業詐欺:副業紹介を謳い登録料を騙し取る
副業詐欺では、「簡単に稼げる副業を紹介する」として登録料を要求し連絡を絶つ、「副業に必要」などと高額な商品・サービスを売りつけながら実際には勧誘時に伝えられた利益は得られない、などが主な手口です。
<副業詐欺のチェックリスト>
- 「スマホ1台でできる」「1日5分コピペするだけで月収30万円」など簡単すぎる内容で高収入を謳う
- くわしい仕事内容が記載されていない
- 求人情報やメールの文面がおかしい・誤字脱字が多い
- メリットや成功例ばかりをアピールしている
- 仕事を始める前に登録料や教材費などを要求される
- 会社名や住所、代表者名、連絡先などが不明である
悪徳業者は「初期費用は副業を始めればすぐに回収できます」「残り枠わずかです」などと契約を迫ってきますが、容易に話に乗ってはいけません。
ギャンブル(競艇・競馬)詐欺:デタラメの予想情報を高額で売る
ギャンブル詐欺とは、競艇や競馬、宝くじなどのデタラメな予想情報を高額で売りつける詐欺です。
「競馬の必勝法」「宝くじの当選番号」などを教えると持ちかけ、情報料やサイトの登録料を騙し取るのが主な手口です。
<ギャンブル詐欺のチェックリスト>
- 「必ず当たる」と謳っている
- 的中実績・返金保証を過剰にアピールしている
- 業界関係者や有名人とのつながりをアピールしている
- 予想情報の購入を促すメールが1日に何通も届く・しつこく電話がかかってくる
- 利用規約に「サイトの内容は創作を含みます」「フィクションです」などの記載がある
予想が100%当たるギャンブルは存在しないため、「確実に当たる」と謳っている時点で間違いなく悪徳サイトです。
「当たらなければ全額返金します」などと宣伝していても、支払い後に業者と連絡が取れなくなるケースもあります。
的中実績や口コミも捏造の可能性があるため、簡単に信じてはいけません。
オーディション詐欺:「合格です」と伝えレッスン料を騙し取る
オーディション詐欺では、オーディションに応募した方に「合格しました」と連絡し、レッスン料や事務所登録費用、宣材写真の撮影費などを騙し取るのがよくある手口です。
「あなたは特別に選ばれました」と応募者を期待させますが、実際は全員が合格しています。
悪徳業者の目的は金銭を騙し取ることであり、実際に芸能界デビューさせる気はありません。
<オーディション詐欺のチェックリスト>
- オーディション後すぐに合格の連絡が来る
- 合格後に高額なレッスン料を要求される
- 「今契約しないと合格が取り消しになる」などと迫ってくる
- 支払いが難しいと伝えると消費者金融の利用を勧めてくる
- 親や友人への相談を妨害してくる
- 解約を申し出ると「違約金がかかる」と言われる
一般の方は芸能界の仕組みを知りません。
そのため、「今活躍している芸能人も、デビュー前はお金を払ってレッスンを受けていたのかな」と思い込み、数十万円のお金を支払ってしまう方が大勢います。
具体的なレッスン内容が不明な芸能スクールの受講を要求されたり、最初の説明にないお金の話が出てきた場合は、注意してください。
その場で契約せず、家族や友人、消費生活センターなどに相談してから判断しましょう。
支援金・当選金詐欺:支援を持ちかけながら逆にお金を要求する
支援金・当選金詐欺とは、支援金・当選金を受け取れると言いながら、手数料やサイトの登録料などの名目でお金を騙し取る詐欺です。
突然「1,000万円の支援金が受け取れます」「1億円が当選しました」といった内容のメールやLINEが送られてきますが、実際はそのような支援金・当選金は存在しません。
業者の指示通りに手数料などを支払っても、約束のお金は受け取れません。
<支援金・当選金詐欺のチェックリスト>
- 身に覚えのない支援金・当選メール(LINE)が届く
- 「支援金を受け取るための手続き」として専用サイトへ誘導され、登録料を要求される
- 「お金を受け取るためには手数料が必要」などと金銭を要求される
- 匿名性が高いプリペイド型電子マネーでの支払いを勧めてくる
- 支援者のほかに「手続き担当者を名乗る人物」「支援金を受け取れたと装うサクラ」などが登場する
突然見知らぬ相手から大金をもらえたり、応募した覚えのない抽選が当たることはありません。
業者が銀行や支援団体、政府関係機関などを名乗っている場合はインターネットで検索し、実在するか調べましょう。
あやしいメールに返信したり、記載されているURLにアクセスしたりしてはいけません。
フィッシング詐欺:本物そっくりの偽サイトに個人情報を入力させる
フィッシング詐欺とは、実在する金融機関やショッピングサイトなどを装った偽サイトに誘導し、個人情報を入力させて盗み取る詐欺です。
<フィッシング詐欺のチェックリスト>
- 突然、個人情報(ID・パスワード・クレジットカード番号など)の入力を要求するメールやLINEが届く
- 送信元のメールアドレスや記載されているWebサイトのURLが本物と微妙に異なる
- 「緊急」「不正利用」「不正アクセス」など不安を煽る内容が含まれる
- 日本語が不自然
クレジットカード会社などが、メール・LINE・SMSでユーザーIDやパスワードなどの重要な個人情報の入力を依頼することはありません。
URLが本物かどうか判断できない場合は、公式サイトにアクセスし、メッセージに記載されているURLと相違がないか見比べてみましょう。
ロマンス詐欺:恋愛感情につけ込み金銭を要求する
ロマンス詐欺とは、主にSNSやマッチングアプリで偽の恋愛関係を築き、親密になったところで金銭を騙し取る詐欺です。
<ロマンス詐欺のチェックリスト>
- SNSやマッチングアプリのプロフィール写真が美男美女すぎる
- 会ったこともないのに熱烈なアプローチをしてくる、結婚をほのめかす
- 不自然な日本語を話す・ときどき会話が噛み合わない
- 長期間やりとりしているのに直接会うことを避けられる
- 「病気の治療費が払えない」などさまざまな理由をつけて送金をお願いされる
直接会ったことのない相手から金銭を要求されたり、投資話を持ちかけられたりした場合はロマンス詐欺の可能性が高いため、警戒してください。
架空料金請求詐欺:架空の事実を口実に料金を請求
架空料金請求は、「有料サイトの未払い料金があります」など架空の事実を口実に金銭を要求する詐欺です。
<架空料金請求詐欺のチェックリスト>
- 目隠しシールがないハガキ・メール・電話などで身に覚えのない料金を請求される
- 「支払わなければ自宅に訪問する」「強制執行する」「訴訟最終通知」などと強い口調で脅してくる
- 個人名義の口座への振り込みやプリペイド型電子マネーでの支払いを指定してくる
- 担当者の連絡先として携帯電話番号が指定されている
身に覚えがない請求は無視し、記載されている電話番号やメールアドレスなどに連絡しないようにしてください。
詐欺に騙されているか確かめたいときの相談先
「話がうますぎる」「何かおかしい」と思ったときは、お金を支払う前に第三者に相談することが大切です。
誰かに相談することで自分の状況を客観視でき、冷静さを取り戻せます。
すでにお金を支払ってしまっている場合はこれ以上支払わず、相手との連絡も絶ちましょう。
ここでは、詐欺に騙されているか確かめたいときに有効な相談先を紹介します。
消費生活センター・警察の相談窓口
消費生活センターや警察の相談窓口では、詐欺に関する相談が可能です。
騙されている可能性について教えてもらえるほか、問題解決に向けた情報提供やアドバイスも受けられます。
相談窓口 | 電話番号 |
消費生活センター | 188 |
警察の相談窓口 | #9110 |
相談は何度でも無料ですが、通話料は相談者負担になる点に注意してください。
また、消費生活センターや警察は悪徳業者に返金を促してくれるわけではないため、交渉は自分で行う必要があります。
司法書士・弁護士
詐欺被害や消費者被害に注力している司法書士・弁護士に相談すれば、豊富な知識や経験をもとに「騙されているかどうか」を判断してもらえます。
騙されているとわかった場合、返金請求の依頼も可能です。
個人での返金請求は失敗のリスクが高いですが、経験豊富な司法書士・弁護士に任せることでお金を取り戻せる可能性が上がります。
無料相談に対応している司法書士事務所・弁護士事務所もあるため、法的観点から的確なアドバイスを受けたい方は、一度問い合わせてみましょう。
時間の経過とともに証拠を隠滅されるリスクも高まるため、早めの相談がおすすめです
まとめ
悪徳業者は「あなただけに情報を教えます」などと特別感を出したり、「すぐに返事しないとチャンスを逃しますよ」と緊急性を強調したりして、ターゲットの判断力を鈍らせます。
しかし、詐欺に騙されないためには第三者の判断を仰ぎ、いったん冷静になることが非常に重要です。
丹誠司法書士法人では、詐欺被害の解決実績が豊富な認定司法書士が相談者様のお話を親身にお伺いし、状況に応じたアドバイス・サポートを行っています。
相談は無料ですので、「自分が騙されているかどうか知りたい」「どこに相談すればいいかわからない」という方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。