最近、ネットニュースで有名人になりすました詐欺的行為が流行っていると知ったけれど、具体的にどのような手口なのか気になっている人はいませんか?
この記事では、投資詐欺で有名人になりすます手口の事例から、詐欺的行為による被害を未然に防ぐ対策まで詳しく紹介します。
\「必ず儲かる」は大嘘!/
- 投資詐欺で有名人になりすます手口とは?
- 有名人になりすます投資詐欺の実態
- 投資詐欺で有名人になりすます手口の事例
- 投資詐欺の被害にあわないための対策
- 投資詐欺の被害にあった場合の相談先
投資詐欺で有名人になりすます手口とは?
投資詐欺とは投資に興味を持つ人を対象にした詐欺的な勧誘のことです。
また、有名人の名前や写真を無断で使用した投資広告を出稿し、もうかる投資方法を教えると伝え、SNSに誘導するのが「有名人になりすました投資詐欺」の手口です。
このような有名人になりすます投資詐欺の手口を「SNS型投資詐欺」と呼びます。
SNS型投資詐欺とは、以下のような手順で行われます。
- 有名人の名前や画像を用いた嘘のWeb広告を出したり、必ずもうかる投資方法を教えるとメッセージを送付したりしてSNSへと誘導する
- やりとりを重ねて被害者を信用させる
- 「投資金」「手数料」といった名目でお金をだましとる
一度だまされると継続的にお金をだまし取られるため、被害額が徐々に増えていくのが特徴です。
有名人になりすます投資詐欺の実態
有名人になりすます投資詐欺の実態とは、どのようなものなのでしょうか。3つの観点からご紹介します。
被害者の年齢と性別

警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページでは、SNS型投資詐欺の実態を公表しています。
画像は2024年1月〜6月までの期間に、詐欺的行為の被害にあった人の年齢と性別を表したグラフです。
男女ともに50代〜70代の合計が70%を超えており、狙われやすい傾向にあるとわかります。
一方、男女比では男性が5%ほど多いものの、ほとんど同数といえます。
自分だけは大丈夫と楽観視することなく、被害にあわないよう十分に注意しましょう。
投資詐欺に使われる連絡ツール
SNS型投資詐欺に使われる連絡ツールについては、接触時に使用されるツールと、連絡に使うツールが異なるという特徴があります。

警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページで公表された結果によると、接触を図ってくるツールは、男性の場合は「LINE」「Facebook」「Instagram」の順で割合が多くなっています。
一方女性の場合は「Instagram」「LINE」「Facebook」の順で割合が多く、特にInstagramは35.0%を占めます。

連絡ツールはLINEが圧倒的に多く、90%を超える結果となりました。
このことから、SNSの発信の内容から投資に興味を持つ人を見分け、やり取りをして信頼関係が構築できたのちにLINEで本格的な詐欺的行為に持ち込むという流れが想像できます。
Metaの投資広告への出稿の実態
Meta社は、世界70都市に拠点を持つ情報産業の多国籍企業であり、Facebookを運営していることでも有名です。
2024年4月14日に産経新聞が「Metaの投資広告に登場する著名人ランキング」を発表しましたが、1位の人は3,035回、2位の人は1,767回、3位の人は1,144回も広告に登場しています。
またMeta社が2024年に配信した投資広告のうち、半数以上がなりすましと見られることもわかりました。
Google社では2024年3月、AIを活用して55億件の不適切な広告を削除したと発表しました。そのため、Meta社でも技術的に同じ対応を取れるのではないかと見られています。
しかし必要な対策を施したとしても、詐欺的行為の手口は日々巧妙化しており、「イタチごっこ」となっている側面もあります。
虚偽の広告を通じてお金をだまし取られないように、企業の対策だけに頼らず自己防衛するのが大切です。
投資詐欺で有名人になりすます手口の事例
投資詐欺で有名人になりすました事例を2つ紹介します。
有名人になりすました海外の投資詐欺グループの事例
2024年4月8日のYahoo!ニュースにて、日本人をターゲットに有名人をかたって偽の投資サイトに誘導しお金をだまし取っていた投資詐欺グループの逮捕が報じられました。
逮捕されたのは中国人とタイ人で構成された投資詐欺グループであり、メンバーのうち63人がタイ警察に一斉摘発されたそうです。
海外の投資詐欺グループの摘発事例は以前にもありましたが、日本人を狙うのに特化した組織の摘発は初めてではないかと言われています。
このような組織が存在しているのは、日本人が有名人になりすました投資詐欺に引っかかりやすいと認識されているためかもしれません。
経済アナリストになりすましフェイク音声を利用した投資詐欺の事例
2024年4月19日のNHK首都圏情報では、偽の有名人が主催する投資講座にフェイク音声が送られてくるという事例を報じました。
有名人になりすました詐欺的行為では画像を悪用するのが一般的ですが、その講座ではフェイク音声を作成し、被害者へと送っていたのです。
フェイク音声を音声識別の専門家に分析してもらったところ、周波数が本人の声と似ているため、声だけで本人でないと判断するのは難しいとの結果でした。
画像や音声があるからといって安易に信用するのではなく、投資へと誘ってきた流れや相手とのやり取りを総合的に見極めるのが大切だと言えるでしょう。
投資詐欺の被害にあわないための対策
投資詐欺の被害にあわないためには、どのような対策を取ればよいのでしょうか。
5つ紹介します。
投資先が実在しているか確認する
投資詐欺の被害にあわないためには、まず投資する業者が実在しているかを確認しましょう。
日本に住む人を相手に金融取引業や暗号資産交換業を行う場合、たとえ海外の業者であっても、日本の法令に基づいて登録しなければなりません。
金融庁では金融商品取引業の登録を受けている業者の一覧、暗号資産交換業の登録を受けている業者の一覧をそれぞれホームページで公開しています。
疑わしい業者から投資の誘いを受けた場合、まずは一覧に名前があるかどうかを確認するのが大切です。
必ず儲かると言われたら警戒する
投資詐欺の疑いのある業者が勧誘をする時、よく使う言葉として「必ずもうかる」「確実に利益が出る」などがあります。
本来投資にはリスクが存在するので、このような言葉で説明を受けた場合、詐欺的行為ではないかと疑いを持った方がよいでしょう。
有名人の広告だからといって安易に信用しない
前の事例でも紹介したように、有名人の画像や音声を使った投資広告だとしても、それが本物とは限りません。
有名人が無料投資セミナーで教えたり、利益が出る投資の話を無料で公開することは基本的にないので、このような広告は信じないようにしましょう。
本人の公式ホームページからの発信を確認し、安易にお金を支払わないことが大切です。
暗号資産や投資アプリが実在するかどうか確認する
投資の対象となる暗号資産が架空のものであったり、偽物の投資アプリをインストールさせられたりする手口が横行しています。
そのため暗号資産や投資アプリを勧められたら、まずその名前を検索し、内容や口コミなどを確認するのが大切です。
振込先の口座に不審な点はないか確認する
一般的な投資の場合、振込先が個人の口座だったり振り込みの度に変更されたりすることはありません。
どちらか一方でもあてはまる場合、投資詐欺を疑った方がよいでしょう。
投資詐欺の被害にあった場合の相談先
投資詐欺の被害にあった場合の相談先を3つ紹介します。
一刻も早く、返金へ向けて行動したい人は、以下の記事も参考にしてください。
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まず何をすべきかわからない場合
詐欺的行為にあってしまったけれど、まず何をすべきかわからない人は、消費者ホットライン「188」に電話をしましょう。
全国共通の電話番号で、電話をすると住んでいる地域の相談窓口(消費生活センターや消費生活相談窓口など)を案内してもらえます。
電話をするとかかる通話料金は、以下のとおりです。
通話料金(全国一律) | |
一般回線 | 8.5円(税込9.35円)/180秒 |
携帯電話 | 10円(税込11円)/20秒 |
公衆電話 | 10円(内税)/40秒 |
消費者ホットラインは年末年始(12月29日〜1月3日)をのぞいて、毎日利用できます。
投資詐欺かどうか判断に迷う場合も電話をして相談してみましょう。
被害回復へ向けた交渉には対応してもらえないものの、状況の応じたアドバイスは受けられます。
相手方をつかまえてほしい場合
警察に投資詐欺被害についての相談をしたい場合は、警察相談専用電話「#9110」に電話をしましょう。
全国のどこから電話をしても、その地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。
受付時間は8:30〜17:15であり、ダイヤル回線や一部のIP電話からは利用できないので注意しましょう。なお、通話料は利用者が負担します。
警察相談専用電話「#9110」に相談すると、内容に応じて関係部署が連携して対応し、事件解決に向けたアドバイスをもらえます。
相談前に準備しておきたい証拠は、以下のとおりです。
- SNSやLINEなどで相手方とやりとりした内容がわかるスクリーンショット
- 広告のスクリーンショットや音声の録音
- 振込明細書
証拠をそろえたら、なるべく早めに電話をするのが大切です。
返金を求める場合
投資詐欺にあって返金を求める場合は、司法書士や弁護士に相談しましょう。
司法書士や弁護士は代理人となって、返金してもらうのに必要な法律上の手続きを代わりに進めてくれます。
準備する証拠は、警察に相談する時と同じです。
早く相談するほど返金される確率が上がるため、証拠がそろったら早急に相談するのが大切です。
まとめ
SNSを通じて有名人になりすます投資詐欺を「SNS型投資詐欺」と呼びます。
一度だまされると継続的にお金をだまし取られるため、被害額が少しずつ増えていくのが特徴的です。
この記事も参考にし、有名人の画像や音声があるからといって、安易に投資話を信用しないようにしてください。
少しでも「怪しい」と感じたら、司法書士や弁護士への相談がおすすめです。
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