「別れさせ屋」という業者の存在を知ったけれど、違法ではないかと疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、別れさせ屋の違法性と工作内容、別れさせ屋に依頼するときのリスクについて紹介します。
✓別れさせ屋の巧妙な工作・手口
✓トラブルを起こしやすい別れさせ屋の特徴
✓別れさせ屋から依頼料を返金させることはできるのか
別れさせ屋とは?
「別れさせ屋」とは、意図的にターゲットとその交際相手・配偶者との関係を解消させる業者のことです。
よくある依頼としては、「元彼女とよりを戻すために、彼女が今付き合っている彼氏と別れさせたい」「夫の浮気相手と別れさせて欲しい」といった内容です。
別れさせ屋の工作員がターゲットやその交際相手・配偶者と、親密な関係を築きあげ、別れさせるように仕向けます。
別れさせ屋の業務内容のなかには尾行や張り込みが含まれるため、業者として依頼を受けるためには探偵業法に従い、公安委員会から探偵業届出証明書をもらう必要があります。
別れさせ屋の工作を紹介
別れさせ屋の主な工作内容としては、以下のとおりです。
物理的な接触 | 趣味を通じて親密度を上げ、自然な流れで交際相手・配偶者と別れるように誘導する |
感情的な接触 | ターゲットが工作員に恋愛感情を抱くように仕向け、ターゲットとその交際相手・配偶者の関係を解消させる |
人為的な接触 | 仕事や日常のルーティンで接触回数を増やし、仲が深まったところで相手とその交際相手・配偶者の関係を諭す |
別れさせ屋に依頼する場合、費用は数百万円、期間は1年ほどかかる可能性があります。
別れさせ屋の違法性について
別れさせ屋の業務内容が、そもそも違法なのではないかと思う方もいるでしょう。そこで、別れさせ屋が違法なのかを解説します。
別れさせ屋の存在自体は違法ではない
別れさせ屋の存在自体には、原則として違法性はありません。
しかし、集客のために誇大広告を流したり、探偵業届出証明書を得ずに営業をしていたりする別れさせ屋は違法となります。
例えば、成功率100%と成果を保証し高額な料金を請求する、金銭だけを受け取り業務を遂行していないなどの行為は、消費者契約法違反や詐欺とみなされるため、違法と判断されます。
工作内容が「違法」と判断される場合
別れさせ屋の工作内容は「違法」と判断されます。
適用される法律は、対象である工作内容によって異なりますが、例えば次のような例があります。
工作員がターゲットの情報を得ようとして、勝手に住宅に侵入したり郵便物を開封したりする行為は、住居侵入や信書開封などの犯罪行為にあたります。
探偵業届出証明書を得ている別れさせ屋であっても、法律に反した方法で工作を行えば、それは当然「違法」とみなされます。
危険な別れさせ屋の特徴4選
健全な運営を行っている別れさせ屋がいる一方、依頼者とトラブルを引き起こしている業者も存在します。
被害にあわないために、危険な別れさせ屋の特徴を紹介するので、参考にしてください。
特徴1.料金が相場とかけ離れている
金額が相場より極端に安い、または高い業者には注意しましょう。
別れさせ屋の相場は、プランや依頼内容によって異なりますが、約80〜200万円になります。
対象者を別れさせるまでに、1年以上かかるケースもあります。そのため、安すぎると業者の予算が尽きてしまい、業務の継続が難しくなってしまうかもしれません。
また、逆に相談料や着手金が高額な場合も、注意が必要です。
最初から調査を行う気がなく、お金を振り込んでしまったら一切連絡が取れなくなる可能性があります。
相場と見積もりの料金がかけ離れているときは、警戒してください。
特徴2.個人情報を悪用したり契約を急かす
別れさせ屋に依頼する際は、名前や住所、ターゲットと依頼者の関係、職場などの個人情報を伝える必要があります。
そのため、信頼できない業者に依頼してしまうと、個人情報が不当に利用されてしまうリスクがあります。
また、すぐに契約を結ぼうとする業者にも注意してください。依頼者にとって不利な内容が契約書に書かれている可能性があります。
「この場で契約をすれば、大幅に値引きする」といった提案には、注意しましょう。正常な判断力を失わないよう、契約する前に内容を十分確認してください。
特徴3.今までの評価・実績や会社情報が掲載されていない
業者のホームページを見て口コミや利用者の声がない場合、依頼するのは避けましょう。
元々は違う社名で運営していたが、過去にトラブルを起こして名前を変えている可能性があります。
また、評価や実績がないと本当に業者がターゲットを別れさせることができるのか判断ができません。
会社の住所や代表者の氏名などが記載されていない場合も危険です。トラブルが起きたときに、返金請求が難しくなってしまいます。
業者についてよく調べてから依頼するようにしましょう。
特徴4.広告や成功率を強調してくる
「一度も失敗したことがありません」「成功率は99.9%」などと、ホームページ上や担当者が強調してくる場合も要注意です。
別れさせ屋の工作が成功する確率はそれほど高くありません。
依頼者が持っている情報やターゲットの性格、行動パターンによって工作内容も変わり、その度に難易度が変わります。
業者の誇張されている宣伝内容を、鵜呑みにしないようにしてください。
別れさせ屋に依頼する3つのリスク
「意中の相手に交際相手(配偶者)と別れて欲しい」と思う人にとって、別れさせ屋は頼りになる存在に見えるかもしれません。
しかし、別れさせ屋に頼って騙されてしまったというケースも多くあります。そこで、別れさせ屋に依頼するときのリスクを紹介します。
リスク1.お金を持ち逃げされる
相談料や着手金を支払った後、担当者と連絡が取れなくなってしまった事例があります。
依頼者に焦って契約を結ばせようとしたり、何かと理由をつけて進捗報告をしなかったりする業者は、お金を騙し取ることが目的かもしれません。
また、契約するときは相場よりも価格が安かったけれど、「調査を続けていくのに、追加費用がかかる」と金銭を要求してくるケースもあるので注意してください。
違和感を覚えたら、すぐにお金の振り込みはやめましょう。
リスク2.嘘の報告をされる
実際は調査をしていない、もしくは何の成果もあげていないのに「工作は順調」と虚偽の報告を受けるリスクもあります。
「ターゲットが交際相手(または配偶者)と別れた」と報告を受けたにもかかわらず、報告書や写真などの証拠をもらえないこともあります。違和感を覚えて相手の様子を確認してみると、報告が虚偽であると発覚するケースもあります。
嘘の報告をする業者もいるので、騙されないように注意しましょう。
リスク3.相手から訴えられる
ターゲットに別れさせ屋への依頼が発覚してしまい、訴えられたり警察へ通報されたりするリスクもあります。
実績の少ない別れさせ屋の場合、ずさんな工作によって対象者やその交際相手・配偶者に訴えられてしまうかもしれません。
依頼する前にどのような手法でターゲットに近づき、別れさせるのかをよく確認しましょう。
【事例】別れさせ屋で実際にあったトラブル
男性Aさんは同じ職場で働く、女性Bさんが気になるようになりました。
奥手な性格であるAさんは、Bさんとなかなか仲を深められなかったそうです。
Bさんに交際相手がいるか気になったAさんは、別れさせ屋Cに依頼しました。
調査を開始するとBさんに婚約者がいることが発覚しました。約200万円を支払い「別れ工作」に切り替えたそうですが、強引な方法で女性に迫り警戒され、失敗してしまいました。
Aさんは別の別れさせ屋Dに依頼し、新たに約400万円を支払い調査を続けます。
最初に依頼した業者Cとは異なり、自然にターゲットに接近し、証拠の写真も送られてきて順調そうに見えました。
しかし、その後進捗報告はなく、催促しても応じてもらえませんでした。
一向に報告がないため返金を求めて業者に電話をするもののつながらず、ホームページも閉鎖されてしまい、完全に連絡が取れなくなってしまいます。
別れさせ屋から返金を依頼できるのか?
別れさせ屋の工作内容が法律に反していたり、誇大広告や虚偽の進捗報告をしたりしている場合、お金を取り戻せる可能性があります。
しかし、最初からお金だけをもらい調査をするつもりがなかった業者は、トラブルが起きることを想定しているため、逃げる準備や言い訳を用意しているかもしれません。
個人が返金を求めても応じてもらえないケースが多いため、返金請求をするときは、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
お金を取り戻せる事例なのかを判断し、アドバイスや和解交渉をしてくれるでしょう。
なお、返金方法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考してください。
「騙されたお金を取り戻す方法は」 「実際に手元にお金が戻ってくるのはいつごろなの?」 などという疑問や不安な気持ちを抱いたことはありませんか? 丹誠司法書士法人ではどのように詐欺被害に関する無料相談から返金請求に関する手続[…]
返金相談なら丹誠司法書士法人にお任せください
別れさせ屋の違法性について解説しました。別れさせ屋の存在自体に違法性はありません。
しかし、工作内容が法に触れている、結果を保証するような悪徳な宣伝をした場合は、違法な業者と判断される可能性があります。
悪徳な業者も多いため、お金を騙し取られたり法律に違反し訴えられたりするリスクもあります。
もし被害にあってしまったら丹誠司法書士法人にご相談ください。過去の成功事例をもとに、具体的な対策やアドバイスを提供します。