少額から始められるFXは、幅広い年齢層から注目されています。しかし、FX取引に見せかけてお金を騙し取ろうとする悪徳業者も存在するため、注意が必要です。
本記事では、FX詐欺のよくある手口や被害にあったときの相談先を紹介します。詐欺まがいの業者に騙されないための対策法もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
✓FX詐欺によくある手口
✓FX詐欺被害にあったときの相談先
✓FX詐欺に騙されないための予防策
FX詐欺とは
FX(外国為替証拠金取引)とは、「日本円と米ドル」など2つの通貨を売買するときに発生する差額(為替差益)によって利益を得る投資のことです。
FXでは、外国為替証拠金取引を仲介する金融商品取引業者に一定の「証拠金」を預け、そのお金を担保に取引を行います。
FX取引自体に違法性はありませんが、なかにはFX取引を装ってお金を騙し取ろうとする詐欺まがいの悪徳業者も存在します。
FX詐欺とは、実在しない金融商品を買わせてお金を騙し取ったり、「確実に儲かる方法を教える」などと勧誘してコンサルタント料を要求する詐欺的行為のことをいいます。
以下のとおり、国民生活センターではFX取引に関する相談が多数寄せられています。
出典:SNS上の投資グループで勧誘される詐欺的なFX取引トラブル|独立行政法人 国民生活センター
近年では60代以上の方による相談も増えており、数百万円から数千万円の大金を騙し取られる被害も発生しています。
FX詐欺によくある手口
初心者はターゲットにされやすい傾向にありますが、FX詐欺の手口を知っておけば騙されるリスクを軽減できます。ここでは、FX詐欺の典型的な手口を紹介します。
1.SNSからLINEのグループチャットに誘導される
近年のFX詐欺でよく見られるのが、インターネット広告や旧Twitter(現X)・InstagramなどのSNSから、LINEのグループチャットに誘導されるパターンです。
グループチャットに参加すると「確実に儲かる方法を教えます」などの誘い文句で、FX取引を持ちかけられます。グループチャットの参加者から成功体験を聞かされたり、「高倍率の取引ができる情報があるから一緒に儲けよう」と誘われたりするケースもありますが、実際は全員が悪徳業者の仲間です。
2.FX取引への投資を勧められ、最初のうちは入金される
FX口座を開設し、個人名義の口座にお金を振り込むよう言われます。場合によっては、投資用のアプリをインストールするよう指示されることもあります。
指示どおりに入金すると画面上で利益が出たように見え、出金申請すると実際に自分の銀行口座に入金されます。
しかし、これは「信頼できる」と安心させるための罠です。
3.再び出金しようとすると税金等の支払いを求められる
業者は、その後も繰り返し送金を要求してきます。
一度出金できたことから高額を入金すると「出金には税金が必要」と言われ、支払いを求められます。
4.指示通りにお金を払っても出金できず業者と音信不通になる
業者の請求どおりに税金を支払っても、利益が出ているはずの口座からは一向に出金できません。
やがて業者やグループチャットのメンバーと連絡が取れなくなり、専用のFXサイトやアプリが機能しなくなります。
取引画面上では利益が出ているように見えても、FX詐欺に使われるサイトやアプリ自体が偽物であるため、実際の取引は行われていません。
ここで詐欺的行為だと気づいても業者の身元が不明のため、どこに返金を求めれば良いかわからず、泣き寝入りしてしまう方も少なくありません。
FX詐欺の被害回復へ向けた相談先とは?
FX詐欺の被害にあっても、十分な証拠を揃えられれば被害を回収できる可能性があります。ただし、自力でお金を取り戻すのは困難なため、詐欺被害や法律の知識がある機関へ相談することが大切です。
ここでは、FX詐欺について相談できる窓口を紹介します。
また、以下の記事では返金へ向けた具体的な方法について解説しています。あわせて参考にしてください。
投資詐欺にあったと気がついたときに「返金されないのでは?」なんて不安を感じている人はいませんか? この記事では、投資詐欺で泣き寝入りしないために知っておきたい返金率や返金事例をご紹介します。 [afTag id=5415] ✓[…]
警察の相談窓口
警察には相談専用電話が設置されており、「#9110」に電話することで解決に向けたアドバイスがもらえます。
ただし、警察は民事不介入のため被害金の返金交渉には関与してくれない点に注意が必要です。
公的機関の相談窓口
全国の消費生活センターでは、FX詐欺を含むトラブル全般の相談に無料で対応しています。
電話番号「188」にかけると最寄りの窓口が案内され、専門の相談員に相談可能です。
また、令和6年6月から金融庁でも「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」が開設されています。
電話番号0570-050588(IP電話からは03-6206-6066)にかけると、助言や他機関の紹介が受けられます。
ただし、消費生活センターや金融庁の相談窓口が対応できるのはアドバイスまでであり、実際の返金請求はできません。
詐欺被害に強い司法書士・弁護士
FX詐欺で騙されたお金を取り戻したい場合は、司法書士・弁護士への相談がおすすめです。
証拠の収集や業者の調査などをすべて個人で行うと、多大な精神的・肉体的負担がかかります。
詐欺被害に強い司法書士・弁護士に調査や交渉を一任することで負担を大幅に軽減でき、返金に成功する可能性も上がります。
なお、司法書士や弁護士へ相談する前に可能な限り証拠を収集しておくと、被害金を取り戻しやすくなります。
詐欺まがいの業者のSNSアカウントやサイト、口座の取引履歴、LINEのスクリーンショットなど、証拠になる情報を保存しておきましょう。
FX詐欺に騙されないための予防策
FX詐欺の被害にあわないためには、信頼できる業者を見極めることが大切です。
ここでは、あやしい業者に騙されないための予防策を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「確実に稼げる」と勧誘されても鵜呑みにしない
詐欺まがいの業者は「確実に稼げる方法を教えます」などと甘い言葉で勧誘してきますが、「必ず儲かる投資」は存在しません。
FXは通貨の値段が安い時に購入し、高い時に売却すれば利益が出る一方、「相場がこれから上がるか・下がるか」という予想が外れると、大きな損失が出るリスクもあります。
そのため「絶対に稼げる」などと確実性を主張している時点で、詐欺的行為の可能性があります。
個人名義の口座には絶対に振り込まない
通常、FX取引で個人名義の口座に入金させることはありません。また、FX業者と異なる名義を指定されることもありません。
「個人名義」や「FX業者以外の名義」の口座を指定された場合は、詐欺的行為の可能性が高いため、絶対に振り込まないようにしましょう。
金融商品取引業の登録の有無を確認する
日本でFX取引等を行う場合は、金融商品取引法に基づき金融商品取引業の登録を行う必要があります。海外の業者であっても、日本の居住者と取引する際は金融商品取引業の登録が必要です。
そのため、必ず「金融商品取引業に登録されているか」を確認し、無登録の業者とは取引しないようにしましょう。
なかには架空の社名を名乗り、詐欺まがいの行為をする悪徳業者が存在します。
無登録のFX業者との取引においては「出金できない」といったトラブルが発生しているので、注意してください。
金融商品取引業の登録の有無については、金融庁のホームページ「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」から確認できます。
金融商品の詳細や口コミを調べる
一般的なFXであれば、インターネットで検索すると運営者やライセンス、評判などの情報が手に入ります。そのため、社名を検索しても情報が出てこない場合は警戒してください。
また、口コミサイトやSNSなどに投稿されている業者の評判も参考になります。
「出金できなかった」「対応が悪かった」など、悪い評判が目立つ業者とは取引しないようにしましょう。
まとめ
架空のサイトやアプリに誘導し、FX取引のように見せかけて多額のお金を騙し取るのがFX詐欺によくある手口です。
FX取引には必ずリスクが伴うため、SNSやインターネット広告で「必ず稼げます」などと誘われても鵜呑みにしないようにしましょう。
丹誠司法書士法人では、FX詐欺の被害にあわれた方の無料相談を行っています。
時間が経つほど証拠が少なくなるため、返金を望む場合は早めの相談が重要です。
「被害金を取り戻したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。