「宝くじで高額当選しました」「今すぐ手続きを!」といった文面のメールを受け取った経験はありませんか?
近年は宝くじのネット購入が広がる一方で、それに便乗した高額当選を装う詐欺メールが報告されています。
受信者の喜びや期待につけ込み、「手数料」や「確認費用」などの名目で金銭や個人情報をだまし取ろうとする悪質な手口です。
本記事では、宝くじの高額当選を装うメールの手口と見分け方、詐欺にあわないための対策、万が一被害にあった際の相談先まで詳しく解説します。
- 宝くじの高額当選を装う詐欺メールの手口と事例
- 宝くじの高額当選詐欺メールを見抜くポイント
- 被害にあったときの相談先
宝くじ当選を装うメールとは
宝くじの高額当選を名乗るメールは、受信者の期待感を巧みに利用した典型的な迷惑メールの一種です。
「○億円が当選しました」「当選者リストにあなたの名前があります」といった目を引く表現で注目させます。
そのうえで、実際には当選していないにもかかわらず、受け取り手続きと称して「振込手数料」や「税金」「確認用の口座番号」といった名目で金銭や個人情報を要求します。
近年は宝くじのインターネット購入が普及しているため、宝くじ公式サイトや販売会社を装った詐欺メールも登場しています。
宝くじ当選を装う詐欺メールの手口
宝くじの高額当選をかたる詐欺メールは、正規の通知であるかのように装い、受信者を信用させようとします。
差出人名に宝くじの販売会社や公式サイトを装う名称を用いるほか、本文にも本物の当選通知のような体裁が整えられていることが多く、一見して見抜くのは困難です。
「当選金を受け取るには手数料や税金が必要」などと金額の振り込みを求められたり、銀行口座や個人情報を教えるよう促されたりします。
当選金を受け取れると言いながら、手数料やサイトの登録料などの名目でお金を騙し取る詐欺にあった場合、騙されたお金を取り戻せる可能性があります。
以下記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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宝くじの高額当選最新の詐欺事例【2025年版】
宝くじの高額当選をかたる詐欺は、年々手口が巧妙化しており、2025年に入ってもなお被害報告があります。
国民生活センターや自治体などの公的機関が公表した最新の詐欺事例を詳しく解説します。
当選金受け取りの手数料を要求する
伊勢市消費生活センターは2025年4月に、当選金受け取りの手数料を要求する詐欺事例を公表しました。
Aさんのもとに、突然「海外の宝くじに当選した」と書かれた手紙が届きました。
その手紙には、『当選証明書の発行料』および『現金を非課税で受け取るための手数料』が必要であると記載されています。
さらに、手紙の送付元は”宝くじ協会”と名乗っていました。
しかし、Aさんはこれまでその宝くじに申し込んだ覚えがありませんでした。
「宝くじ高額当選のお知らせ」メールを偽る
国民生活センターは2021年1月21日に「宝くじ高額当選のお知らせ」を偽るメールによる被害事例を公表しました。
1つは、「当選金を受け取るには一時金が必要」と言われ、クレジットカード番号を入力してしまったケースです。
また、SMSで高額当選通知が届き、「当選金を受け取るためには金銭の支払いが必要」と言われて電子マネーで複数回支払いをしたものの、当選金は受け取れなかった事例もあります。
応募していない宝くじに当選することはあり得ないため、このようなメッセージが届いた場合はリンクのクリックや返信は避けることが重要です。
当選金を受け取るために金銭の支払いが必要と偽る
国民生活センターは2022年12月20日に、当選金受け取りの名目で金銭の支払いを要求する事例を公表しました。
Cさんのスマホに突然、「7億円が当選しました」と記載されたSMSが届きました。
続けて「当選金受け取りには手続きのための費用が必要」と言われ、さまざまな名目の費用を請求されました。
Cさんは、7億円を受け取るために電子マネーで総額150万円以上を支払いましたが、当選金は一向に振り込まれません。
さらに、「電子マネーの払込票を残していると当選金の支払いができない」と告げられたため、領収書や控えはすべて破棄してしまいました。
宝くじの高額当選詐欺メールを見抜くポイント
本物の当選通知メールは、事前に受信設定を行った利用者のみに届く仕組みです。
突然届いた宝くじの当選通知は、詐欺の可能性を疑いましょう。
宝くじの高額当選詐欺メールを見抜くポイントを解説します。
差出人のアドレスやドメインの不審点
詐欺メールの多くは、正規の宝くじサイトを模倣した似て非なるドメイン(例:mizuh0-takarakuji.jp のような偽装)を使って送られてきます。
メールアドレスのスペルミスや不自然な文字列がないか、必ずチェックしてください。
なお、宝くじ公式サイトのメールアドレスのドメインは「@takarakuji-official.jp」です。
メールに記載されたURLが公式のものか確認する
詐欺メールには、本物そっくりのURLが記載されていることがあります。
たとえば、公式のURLのように見えても、実際は「takarakuji-〇〇.com」や「takarakvji.jp」など、微妙に異なる文字列になっています。
URLをクリックする前に、リンク先の文字列に不自然なスペルや記号が含まれていないか、正規のドメインと一致しているかを必ず確認しましょう。
「手数料」「税金」「本人確認」の名目で送金を求められていないか
本物の宝くじ当選では、当選金の受け取りに手数料や事前の振り込みを要求されることは一切ありません。
「税金対策として先に支払ってください」「本人確認に保証金が必要です」などの説明は宝くじ詐欺の常套手段です。
送金や個人情報の入力などをしないよう注意しましょう。
宝くじに関する不審なメールを受け取ったときの対処法
「高額当選」「確認が必要」などといった文言が並ぶメールが届いた場合、どのような対処すればよいのか詳しく解説します。
記載されたURLにアクセスしない
メールに記載されたリンク先を安易にクリックするのは危険です。
一見すると正規のサイトに見えても、偽のログイン画面や入力フォームに誘導し、口座情報や個人情報を盗み取る手口の可能性があります。
返信・電話・個人情報の入力は絶対にしない
「確認のため返信してください」「手続きを進めるには電話を」などの指示が書かれていても、メールの送信元が不明確な場合は一切応じてはいけません。
個人情報を入力してしまうと、悪徳業者に悪用される恐れがあります。
公式サイトから本当に当選しているか確認する
本当に当選しているのか気になる場合は、宝くじの購入履歴や抽選結果を公式サイトで確認しましょう。
正確な情報を確認したい場合は、必ず公式サイトをブックマークや検索から自分で開き、そこからログイン・確認を行ってください。
メール本文を削除するか、迷惑メールとして報告する
詐欺の可能性があるメールは、開封後すぐに削除することが基本です。
メールソフトやスマホの「迷惑メール報告」機能を活用すれば、同様のメールを今後ブロックできるようになる場合もあります。
内容が気になっても、保存しておくと誤ってアクセスしてしまう危険があるため、削除か報告対応を徹底しましょう。
宝くじの高額当選詐欺の被害にあったときの相談先
宝くじの高額当選を装う詐欺メールにだまされた場合は、早期の相談が何より重要です。
ここでは、被害に遭ってしまった際に相談できる窓口と、それぞれの役割について解説します。
警察
「当選メールを信じて送金してしまった」「高額当選を装った詐欺メールで個人情報を入力してしまった」といった場合には、速やかに警察へ相談することが重要です。
全国共通の「警察相談専用ダイヤル(#9110)」を利用すれば、最寄りの警察署や専門の窓口につないでもらえます。
被害の経緯を伝えることで、今後の対処法についての助言や、必要に応じて捜査につながるケースもあります。
なお、金銭の返還など民事的な手続きは警察の範囲外となるため、他の窓口との併用がおすすめです。
消費生活センター
「メールの内容が不審だけど本物か分からない」「支払い後に詐欺に気づいた」という場合は、「消費者ホットライン(188)」に電話することで、最寄りの消費生活センターにつないでもらえます。
専門の相談員から、契約解除や返金交渉の方法、事業者とのやりとりの注意点など、具体的なアドバイスが受けられます。
弁護士・司法書士
すでに金銭を支払った場合は、弁護士や司法書士に相談することも1つの方法です。
詐欺被害を多く扱う弁護士や司法書士に相談すれば、返金の可能性だけでなく、今後の対応や注意点についても具体的なアドバイスが受けられます。
被害が拡大する前に、適切な対処をとることが被害回復の近道です。
少しでも不安を感じたら、遠慮せず早めに行動を起こしましょう。
まとめ
宝くじの高額当選をうたうメールは、甘い言葉と巧妙な誘導で金銭や個人情報を狙う典型的な詐欺です。
この記事では、宝くじの詐欺メールの見分け方や対処法、実際の被害事例、相談先までご紹介しました。
不審なメールを受け取ったときは、絶対に返信や送金をせず、適切な窓口へ早めに相談することが、被害を防ぐ第一歩です。
丹誠司法書士法人では、迷惑メールや高額当選詐欺に関するご相談を受け付けています。
「本当に詐欺かどうかわからない」「すでにお金を払ってしまった」といったお悩みも、お気軽にご相談ください。
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