スマートフォンの普及に伴い、自分の顔を分析するアプリが注目を集めています。
アプリに顔の画像データをアップロードするだけで結果が表示されるので、軽い気持ちで利用する人が多いのが現状です。
しかし、アプリには危険も潜んでいるので、利用にあたっては細心の注意が必要です。
本記事では、顔面偏差値診断が危険といわれている理由や、安全に利用するためのポイントを解説します。
- 顔面偏差値診断の仕組み
- 顔面偏差値診断が流行っている理由
- 顔面偏差値診断が危険といわれている理由
- 顔面偏差値診断を安全に利用するポイント
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顔面偏差値診断ってどんなもの?
顔面偏差値診断とは、アップロードされた顔写真の特徴を分析し、偏差値や評価スコアを表示するサービスのことです。
顔面偏差値診断には、「ディープラーニング」と呼ばれる高度なAI技術が使用されています。
ディープラーニングとは、AIが大量のデータを学習し、自動的に特徴を抽出してパターンを認識する手法をいいます。
人の脳の神経回路を模倣したコンピューター上の仕組みで、大量の画像を学習することで精度の高い分析を可能としています。
ディープラーニングは、顔の分析をはじめとする複雑な画像処理を得意とします。
そのため、顔面偏差値診断だけでなく、防犯カメラの顔認証機能やスマートフォンのロック解除など、さまざまな場面で活用されています。
顔面偏差値診断は、外見の良さを「数値化」するアプリ
顔面偏差値診断では、以下のような特徴をもとに、顔の美しさを点数化します。
顔全体の比率
目・鼻・口の位置や大きさが、黄金比と呼ばれる理想的な割合に近いかどうか測定します。
顔の左右のバランス
顔の左半分と右半分が、どれくらい同じ形や大きさになっているかを測定します。
左右がそろっていると、「整っている」と感じる傾向があります。
目の大きさと形
目は顔の印象を大きく左右するパーツです。
大きさや形、左右のバランスなどが「美しさ」に影響を与える要素と考えられています。
肌の質感
肌のなめらかさや、色むらが少なく均一であるかも評価の対象になります。
整った肌は清潔感や若々しさを感じさせるため、プラスの要素とされることが多いです。
なぜ顔面偏差値診断が流行っているのか
顔面偏差値診断が流行している理由として、以下の点が挙げられます。
「シェア文化」の流行
X(旧Twitter)などのSNSのシェア機能を使えば、他人の投稿内容を簡単にシェアできます。
「あなたの顔面偏差値は○○点」といったインパクトのある結果は、画像付きで視覚的にも目を引くため、多くの人の興味を集めることから、シェアする対象となりやすいです。
美しさへの関心の高まり
SNSの普及により、自分の顔に対する興味関心が以前にも増して高くなっています。
特に、美容整形やスキンケア、メイクの情報がインターネットで簡単に手に入るようになったこともあり、「自分の顔はどう見えるのかを客観的に知りたい」と考える人が増えています。
利便性
特に難しい操作はなく、自撮り写真をアップロードするだけで簡単に診断を受けられます。
「いつでも・どこでも・誰でも」簡単に楽しめることから、中高生から大人まで幅広い世代が気軽に利用できるのです。
顔面偏差値診断が危険なのは、メンタルへ悪影響を及ぼすため?!
顔面偏差値診断はエンタメ要素として楽しめるのは確かですが、メンタルに悪影響を与える可能性もあるので、注意が必要です。
診断結果がメンタルヘルスに悪影響を与える
顔面偏差値診断には、心の健康(メンタルヘルス)に深刻な影響を及ぼすリスクがあるといわれています。
特に10代〜20代の若年層は心身ともに未成熟なことが多く、診断結果に強く反応してしまう傾向があります。
診断結果はあくまでAIによる参考情報のひとつにすぎません。
自分を評価する材料は顔の特徴だけではないので、顔面偏差値の結果に一喜一憂するのではなく、あくまでも遊び感覚で楽しみましょう。
自己評価の低下につながる
自分の顔の偏差値が低く出ると、「自分は見た目が悪いんだ」と思い込み、自己評価がどんどん下がってしまうおそれがあります。
一度下がった自己評価は、なかなか元に戻せません。
その結果、写真に写るのを避けたり、外に出ることに消極的になったりと、生活にも影響を及ぼしてしまうことがあります。
他人と比較してしまう
顔面偏差値診断の結果は、SNSで共有されやすい傾向があります。
そのため、他人のスコアが目に入りやすく、どうしても結果を他人と比較してしまいます。
他人より結果が悪いと、自分に自信が持てなくなったり、他人を羨んだり妬んだりする気持ちが強くなってしまう可能性があります。
他にも、顔面偏差値診断が危険とされる理由がある!
顔面偏差値診断には、メンタルへの悪影響を与える以外にも、さまざまなリスクがあるといわれています。
個人情報漏洩のリスクが高いため
顔面偏差値診断アプリの中には、セキュリティ対策が不十分なまま提供されているものもあります。
対策が不十分だと、診断のためにアップロードした顔写真が、外部に漏れてしまうリスクがあります。
その結果、アップロードした画像が広告素材として使われたり、偽のプロフィールに悪用されたりする可能性も考えられます。
また、利用者の画像が運営側に保存され、広告配信やマーケティング目的で使われている可能性も否定できません。
情報が共有される危険性があるため
SNSと連携している顔面偏差値診断では、結果が自動的にSNS上に投稿されることもあります。
そうなると、自分の顔写真やスコアが不特定多数に閲覧されるので、他人から思わぬ批判コメントを浴びる可能性があります。
顔面偏差値診断を安全に使うためのチェック項目
顔面偏差値診断を安全に利用するにあたっては、事前にいくつかのポイントを確認しておくことが重要です。
ここでは、主なポイントを紹介しますので、ご参考ください。
運営元の情報をチェック
顔面偏差値診断には、顔の特徴を分析するAI技術が使用されています。
個人や小さなグループだけでAI技術を作るのは難しいため、多くは企業が運営しています。
しかし、世間には信用できない運営元が作ったサービスも存在します。
情報の取り扱いがずさんだったり、広告収入だけを目的にしてユーザーの安心や安全をあまり考えていない可能性もあります。
そのため、利用する前に運営元の情報をきちんと確認しましょう。
信頼できる運営元であれば、以下のような情報がきちんと表示されています。
- 会社名
- 会社の住所
- 電話番号やメールアドレスなどの連絡先
口コミ・レビューをチェック
利用者が多いからといって、アプリが必ずしも安全とは限りません。
事前に口コミやレビューを確認しておけば、アプリの信ぴょう性を判断できるでしょう。
口コミやレビューは、以下のような方法で探せます。
- インターネット検索
- SNS検索
- アプリやツールに特化したまとめサイトの検索
「結果をSNSに強制的にシェアさせられた」などの口コミ・レビューが多数見られる場合は、十分に注意が必要です。
セキュリティ情報をチェック
利用する前に、サイトのセキュリティ情報を確認しましょう。
アプリ内に、サービスの「プライバシーポリシー」や「利用規約」が明記されているかの確認が重要です。
きちんとした運営元の顔面偏差値診断アプリであれば、プライバシーポリシーに顔写真の扱い方や保存期間、第三者への提供の有無などがはっきりと書かれているはずです。
顔面偏差値診断の場合であれば、顔写真が「どんな目的で使われるのか」「どこに保存されるのか」「いつ削除されるのか」などの情報がきちんと記載されているかがポイントです。
たとえば、以下のような記載があれば、安心材料となるでしょう。
- 顔写真は診断のためだけに使い、その後すぐに削除します
- 第三者に顔写真を渡すことはありません
- 写真の保存期間は〇日で、自動的に消去されます
まとめ
顔面偏差値診断を利用したことがきっかけで、顔写真が無断で使われたり、SNSなどに勝手に投稿されるといったトラブルが起こるケースも想定されます。
こうした被害を防ぐためにも、写真を安易にアップロードしたり、信用できないサービスを利用したりするのは控えましょう。