「未納料金がある」「アカウントが停止された」「高額な賞金が当選した」
こうした文言で受信者の不安や期待をあおり、不正なサイトへ誘導したり、金銭をだまし取ろうとしたりする迷惑メールは、現在も多くの被害を生み出しています。
本物の企業や公的機関からのメールに見えても、リンク先がフィッシングサイトだったり、記載された内容が虚偽だったりと、その手口は年々巧妙化しています。
本記事では、迷惑メールの主な種類や2025年最新の事例、被害にあわないための対処法・相談窓口まで、わかりやすく解説します。
被害を未然に防ぐためにも、正しい知識を身につけておきましょう。
- 迷惑メールの主な種類と具体的な特徴
- 最新の迷惑メール事例
- 迷惑メールを受け取った際の正しい対処法
- 迷惑メール予防策の設定方法
- 迷惑メールに関する被害を受けた場合の相談先
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迷惑メールとは
迷惑メールとは、広告、詐欺、不正アクセス目的のリンクなどの有無を問わず、受信者が望んでいないにもかかわらず送られてくる電子メールのことです。
迷惑メールにはウイルス感染や個人情報の詐取を狙うものも含まれているため、不審な差出人や件名のメールは開封しないことが重要です。
「●億円を受け取ってください」などと、支援金の受け取りを装った迷惑メールも存在します。
以下記事で、詳しく解説しますのでぜひご覧ください。
「大金を受け取れると言われ、サイトの登録料を払ってしまった」「どうすれば返金される?」など、支援金詐欺の被害に悩んでいませんか。 支援金詐欺は時間が経つにつれて返金が難しくなりますが、早い段階で対処すれば支払ったお金を取り戻せる可能性[…]
迷惑メールの主な種類
迷惑メールには、単なる広告だけでなく、詐欺やウイルス感染を目的とした悪質なものも数多く含まれています。
複数のパターンがあり、それぞれ手口や危険性が異なります。迷惑メールの主な種類は下記のとおりです。
種類 | 内容の特徴 |
広告宣伝メール | 商品・サービス・ウェブサイトなどを一方的に紹介する |
架空請求メール | 実際には利用していないアダルトサイトや情報商材サイトなどのサービスに対し、料金が未払いであると偽って金銭を請求する |
ウイルスメール | 添付ファイルやリンクを開かせることでマルウェアを仕込んだり、端末を乗っ取ったりする |
お金儲け系メール | 副業紹介・高収入保証・当選金受け取りなどを装い、個人情報や金銭をだまし取る |
いずれの迷惑メールも、興味を引くようなタイトルや文面で受信者の行動を促そうとします。
最新の迷惑メール事例【2025年版】
迷惑メールの手口は年々巧妙化しており、信頼性の高い企業や公的機関を装うケースも増えています。
ここでは、一般財団法人日本データ通信協会の迷惑メール相談センターに掲載されている2025年最新の迷惑メールを3つ紹介します。
企業をかたるフィッシングサイトへの誘導メール
実在する企業やサービス名をかたって、利用者を偽のログインページや個人情報入力フォームへ誘導する「フィッシングメール」は、年々その手口が巧妙化しています。
件名や本文は一見すると正規の通知メールのように見え、受信者の不安を煽ってリンクをクリックさせるのが特徴です。
一般財団法人日本データ通信協会の迷惑メール相談センターには、VISAカードを装ったフィッシングメールが報告されています。
一例として、本文には「利用制限を解除するには本人確認が必要」と受け取れる文言があり、リンクをクリックして情報を入力するよう促します。
記載されたリンクは一見正規のものに見えますが、実際はフィッシングサイトです。
事例の特徴は下記のとおりです。
- 実在する企業名やロゴを使用して、本物の通知に見せかけている
- 「至急」「24時間以内」などの緊急性を強調する表現が多用される
- 一見すると正規のURLのように見えるが、実際は偽サイトに誘導されるもの
少しでも不審に思ったら、公式サイトを経由してログインし、案内の真偽を確認するのが安全です。
脅しによる金銭や暗号通貨の要求メール
「あなたのPCをハッキングした」「不適切な行動を録画した」といった脅迫的な文章で不安を煽り、ビットコインなどの暗号通貨や金銭を要求するメールが出回っています。
こうしたメールの多くは、不正アクセスの証拠や動画を持っていると装い、家族・知人・勤務先に公開すると脅してきます。
しかし実際には、アクセスも録画もされていません。
「あなたのPCにウイルスを仕込んだ」「性的な行為を録画した」などと脅し、暗号通貨による送金を要求する事例があります。
本事例の特徴は下記のとおりです。
- 自身がハッカーであると主張し、メール受信者の個人デバイスにアクセス済みと説明
- アダルトサイト閲覧中の様子を録画したと嘘をつき、知人に拡散すると脅迫
- 48時間以内にビットコインでの支払いを求める
- 「警察に通報しないで」「OSを再インストールしても意味がない」など、対抗手段を封じる記述がある
虚偽情報による典型的な詐欺的手法のため、無視することが適切な対処法です。
公的機関をかたり金銭を要求するメール
「e-Tax」や「国税庁」など、公的機関の名称や関連用語を使用し、未払い税金の督促を装った詐欺メールが確認されています。
件名には「未払い税金のお知らせ」「納税通知」などのもっともらしい文言が使われており、本文には「差押処分」や「支払期限の延長不可」といった強い言葉で支払いを求める内容が記載されています。
支払先として誘導されるURLやQRコードのリンク先は、偽の決済ページなどのフィッシングサイトと考えられます。
このようなメールの特徴は下記のとおりです。
- 「e-Tax」「国税庁」などの公的機関名を無断で使用する
- 支払いの遅延を理由に財産を差押えするなどの強い表現で脅す
- 本文に「発行元:国税庁」などの署名をつけて信ぴょう性を演出する
公的機関がメールで納税を催促し、リンクから直接支払わせることはありません。
このようなメールを受け取った場合は、本文中のリンクを絶対にクリックせず、速やかに削除してください。
不安な場合は、該当の公的機関へ直接確認しましょう。
お金儲けができると勧誘するメール
「高額当選」や「副収入が得られる」といった謳い文句で、不特定多数の人を詐欺被害に誘導しようとする迷惑メールは、今なお後を絶ちません。
ここでは、2023年4月19日にTBS NEWS DIGが報じた、当選金を口実にした詐欺メールの事例を1つ紹介します。
鳥取県内に住む40代の男性のスマートフォンに、「10億円があなたに当選しました」と記載されたメールが届きました。
メール内のURLを開いたところ、「手続きを完了すれば受け取れる」との案内が表示され、男性はそれを信じてサイト内のフォームからメッセージを送信しました。
その後、担当者を名乗る人物から手続きのための費用を電子マネーで支払うよう求められ、電子マネーを複数回購入してしまいました。
最終的に男性は、2000円、2万円、5万円、さらに7万2000円分と、合計9万4000円相当の電子マネーをだまし取られています。
途中で「さらに8万円必要」と言われたことで不審に思った男性が警察に相談し、これが詐欺であると判明しました。
このような迷惑メールの典型的な特徴は以下のとおりです。
- 高額な当選金や副収入が得られると装って関心を引く
- 「手続き費用」「事務手数料」などの名目で電子マネー購入を要求する
- やり取りを重ねて電子マネーの購入を次々に促す
手続きを進める前に一度立ち止まり、身近な人や警察・消費生活センターに相談することが大切です。
迷惑メールを受け取ったときの正しい対処法
不審なメールを受け取った際には、内容を鵜呑みにせず、冷静な対応が必要です。
ここでは、迷惑メールを受け取ったときの正しい対処法を紹介します。
メールアドレスだけで判断しない
最近の迷惑メールの多くは、実在する企業やサービスを装って、受信者を偽サイトに誘導し、ログイン情報やクレジットカード番号などの重要な個人情報を盗み取ろうとする「フィッシング詐欺」です。
本物のメールに見せかけるため、「送信者の名前」や「メールアドレス」が一見して正規のものに見えるよう偽装されています。
たとえば、送信元の表示名に有名企業名を使い、ドメイン名も本物とそっくりに見えるよう加工されている場合があります。
そのため、メールアドレスだけで迷惑メールかどうかを判断することは困難です。
少しでも不審に感じたら、企業の公式サイトで届いたメールの信ぴょう性を確認しましょう。
記載されたURLにアクセスしない
迷惑メールには、フィッシングサイトや詐欺業者のサイトに誘導するURLや電話番号が記載されている場合があります。
一見正規のサイトに見えるURLでも、クリックすると見た目そっくりの偽サイトへ飛ばされることがあるため、「公式サイトはこちら」や「今すぐ確認」などと記載されていてもメール内のリンクはクリックしないことが鉄則です。
また、本文にカスタマーセンターの電話番号が記載されているケースもありますが、悪徳業者につながるケースがほとんどです。
返信しない
不審なメールが届いたとき、「確認だけ」「断りの意思表示だけ」と思って返信してしまう方もいますが、迷惑メールに返信してはいけません。
迷惑メールの送信者は、無作為に生成したメールアドレスに送信していることもあります。
返信すると、そのメールアドレスが実在するアクティブなアカウントであると認識され、より多くの迷惑メールが届くようになりかねません。
また、「登録を解除したい」「詳しく教えてほしい」といった返信をすると、相手から個人情報を聞き出すための返信が届く場合もあります。
迷惑メールのブロック・対策方法
迷惑メールは、フィルタリング機能を活用することである程度はブロックできます。
プロバイダや携帯電話会社、使用しているメールアプリ・ソフトによってフィルタリング機能の設定方法は異なりますが、設定の種類は共通しています。
フィルタリングは、「送信者アドレス(From)」「ドメイン(@以降)」「記載されたURL」のいずれかで設定できます。
それぞれの特徴は下記のとおりです。
設定の種類 | 内容 | ポイント |
送信者アドレス | 差出人として表示されるメールアドレス単位でブロックする方法 | 身に覚えのないアドレスはブロックする |
ドメイン | 送信元のドメインを指定してブロックする方法 | 迷惑メールはアドレスを頻繁に変えるため、ドメイン単位での拒否が効果的 |
記載されたURL | 特定のURLを含むメールをブロックする方法 | 多くの迷惑メールには、外部の不審サイトに誘導するURLが含まれているため、まとめてブロックする |
迷惑メール対策の具体的な設定方法は、使用しているキャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)や、メールアプリ(Gmail、Outlook、iCloudなど)によって異なります。
設定方法は各サービスやアプリのサポートページを参考にしましょう。
迷惑メールに起因するトラブルにあった際の相談先
迷惑メールに関連する被害にあった場合、速やかに適切な窓口へ相談することが大切です。
特に、金銭の支払いをしてしまったり、個人情報を入力してしまったような場合は、放置せず早めに行動することで被害の拡大を防げます。
ここでは、代表的な相談先とそれぞれの役割について紹介します。
警察
「メールをきっかけに金銭を要求された」「身に覚えのない請求が届いた」といったケースでは、まずは警察相談専用ダイヤル「#9110」へ相談しましょう。
窓口では、詐欺や悪質な手口に関する情報提供、対処方法に関する助言を受けることができます。
返金請求などの民事的な対応は含まれないため、他の窓口との併用が望ましいです。
消費者センター
全国共通の消費者ホットライン「188(いやや)」では、迷惑メールによる消費者トラブルについて無料で相談できます。
「架空請求メールに不安を感じた」「支払い後に詐欺と気づいた」といった相談にも対応しており、具体的な対処法や今後の対応についてアドバイスが受けられます。
必要に応じて、最寄りの消費生活センターにつないでもらえます。
司法書士・弁護士
迷惑メールが原因で金銭的な被害を受けた場合には、司法書士や弁護士への相談も選択肢の1つです。
「すでに支払ってしまったお金を取り戻したい」という場合では、代理人として返金交渉の手続きを進めてもらうことができます。
初回相談を無料で行っている事務所も多いため、被害が深刻化する前に早めの相談を検討しましょう。
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まとめ
迷惑メールは、「未納料金」「高額当選」「ウイルス感染」などの文言で不安や期待につけ込み、冷静な判断力を奪おうとします。
本記事では、迷惑メールの主な種類や、2025年に報告された最新事例、対処法・ブロック方法・相談窓口まで詳しく紹介しました。
少しでも不審に感じたときは、1人で判断せず、警察や消費者センター、司法書士などに相談することが大切です。
丹誠司法書士法人では、迷惑メールに起因する金銭トラブルや請求被害に関するご相談を受け付けています。
「まだ支払っていないけど不安」「過去にも迷惑メールから請求を受けて支払っていた」とお悩みの方も、お気軽にご相談ください。
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