詐欺の手口は年々巧妙化しており、近年では、消費者金融で借金をさせられたうえにお金をだまし取られる被害が続出しています。
また、遠隔操作アプリを使って遠隔的に消費者金融からの借入を誘導する事案や、個人情報を聞き出して本人が知らないところで勝手に消費者金融で借入をする事案も見受けられます。
消費者金融で借金をさせられる詐欺にあわないためには、典型的な詐欺の手口や手法を知り、普段から警戒心を高めておくことが重要です。
本記事では、消費者金融を使わせる詐欺の手口や仕組み、被害に遭わないための対策や適切な相談先を解説します。
- 消費者金融を使わされる詐欺の種類
- 詐欺の典型的な5つの流れ
- 被害に遭わないための対策
- 詐欺にあった場合の相談先
詐欺で消費者金融を使わされる?被害者が借金を背負わされる仕組み
ターゲットを消費者金融から借金をさせるために、業者は「借金しても、それ以上に稼げるから心配いらない」といった甘言を用います。
また、「今しかない」「すぐに動かないと損をする」といった言葉で巧妙な言葉で不安や焦りを煽り、冷静な判断力を奪ってきます。
ターゲットが無理な借り入れを行った結果、毎月の返済に追われ、生活が立ち行かなくなる恐れもあります。
気づいたときには、返済のためにまた新たな借金をする「多重債務」に陥ってしまうこともあります。
たとえ他人から頼まれたとしても、軽い気持ちで借金を背負うのは危険です。
以下の記事では、騙されたお金を取り戻す方法について詳しく解説します。
消費者金融や銀行、クレジットカードでの借金の誘導を受けて支払ったお金の返金請求を希望する場合はぜひご覧ください。
「騙されたお金を取り戻す方法は」 「実際に手元にお金が戻ってくるのはいつごろなの?」 などという疑問や不安な気持ちを抱いたことはありませんか? 丹誠司法書士法人ではどのように詐欺被害に関する無料相談から返金請求に関する手続[…]
消費者金融を使わせる詐欺の種類
ここから、消費者金融を使わせる詐欺の主な手口を解説します。
被害にあわないためにも、各手口の特徴を押さえておきましょう。
副業詐欺
SNSなどに「高収入」「楽に稼げる」といった魅力的な求人を募集し、応募したターゲットに直接コンタクトを取って勧誘した後、高額商材の支払い費用として消費者金融からの借金を誘導する手口です。
投資詐欺
「FXや暗号資産で儲かる」「高配当がもらえる」などと謳い、まずは投資資金が必要などと称して消費者金融からの借入を誘導する手口です。
ギャンブル詐欺
「パチンコ必勝法」や「宝くじの当選番号」などの信ぴょう性のない情報を売ると称し、情報を買うための資金を消費者金融で借りるよう誘導する手口です。
マルチ商法詐欺
「新しい会員を紹介すれば報酬が得られる」と謳い、商品購入や入会のための費用を消費者金融で借りるよう誘導する手口です。
オーディション詐欺
事務所に呼び出したターゲットに、「レッスン料」「事務所登録費用」などの費用を消費者金融で借りるよう誘導する手口です。
ロマンス詐欺
SNSや出会い系アプリで親しくなったターゲットに恋愛感情を抱かせ、「事業のためにまとまったお金が必要」などといった名目で、消費者金融でお金を借りるよう誘導する手口です。
なりすまし詐欺
本物の消費者金融を装い、融資の勧誘や返済請求の名目で本人確認書類の画像を送付させ、個人情報を悪用して消費者金融で借り入れる手口です。
名義貸し詐欺
「迷惑はかけない」「契約すれば謝礼を支払う」「契約後はデータを消すので記録は残らない」などと持ちかけ、消費者金融などで借り入れたお金やクレジットカードの情報を渡すよう要求する手口です。
フィッシング詐欺
本物の金融機関を装って「宅配の不在通知」や「懸賞の当選通知」、「アカウントの再設定依頼」といった内容のメールやWebサイトを送りつけ、偽のサイトに誘導してユーザーIDやパスワードなどの重要な個人情報を入力させる手口です。
架空請求詐欺
メールやSMSを送付して、架空の未納料金と事態を収拾させるための費用を消費者金融で借りるよう誘導する手口です。
アンケートモニター詐欺
「アンケートに答えるだけ」と誘導し、報酬の支払いを名目に銀行口座や暗証番号などを聞き出し、本人になりすまして消費者金融から借入を行う手口です。
融資保証金詐欺
「必ず融資を受けられる」と信じ込ませるような内容を発信し、申し込んだ人に対して「保証金」や「登録料」などの名目で消費者金融での借入を誘導する手口です。
「消費者金融を使わせる詐欺」の5つの流れ
詐欺業者が消費者金融を使わせるまでの流れは、大きく次の5段階に分かれます。
ひとつずつ流れを追ってみましょう。
1.「簡単に稼げる」と広告で勧誘
まず、SNSやインターネットなどで、「未経験でも月収50万円」「初期投資ゼロで始められる」といった大げさな広告を出して勧誘します。
実際には存在しない成功者の体験談や口コミも使い、見る人に「自分もできそう」と思わせるよう仕向けます。
2.LINEなどのチャットツールへ誘導
広告内に「詳細を知りたい方はこちら」といったリンクを貼り付け、ターゲットに対してLINEの友だち追加を促します。
友だち登録後は、ターゲットと個別で連絡をとります。
3.「詳細は電話で説明」とアポイントを取る
やりとりがしばらく続いた後、「詳細は電話で説明します」と持ちかけ、通話へ誘導します。
通話では、実績のある参加者の話や収益モデルを強調しながら、言葉巧みに信頼を得ようとします。そして、「収益を得るためのシステム使用料が必要」などと説明します。
4.AnyDeskなどの「遠隔操作アプリ」で消費者金融から借入を指示
システム使用料の支払いのため、インターネットバンキングの口座開設と、「AnyDesk」などの遠隔操作アプリのダウンロードを要求します。
そのうえで、アプリを使ってスマホ画面を共有できるように設定させます。
アプリの設定が済むと、業者は画面共有を通じてスマホの操作を確認しながら、ネット銀行の口座開設や消費者金融からの借入手続きを進めさせます。
「みんなこの方法で始めている」「返済はすぐできるから心配ない」などと繰り返し、借入を強く勧めてきます。
5.審査が通ったら指定の決済方法で支払いをさせる
消費者金融の審査が通ると、借り入れたお金がターゲットの口座に振り込まれます。
その直後、「この口座に送金してください」などと指示し、指定された口座への振込を要求します。
このように、ターゲットの手元にお金が残らないまま、資金を奪うのです。
\「必ず儲かる」は大嘘!/
消費者金融を使わせる詐欺の被害に遭わないための対策
被害を未然に防ぐためにも、次の3つのポイントをしっかり押さえておきましょう。
「簡単にもうかる話」には気を付ける
「誰でもすぐに稼げる」「確実にもうかる」などの、再現性の低い儲け話には注意が必要です。
そもそも、本当に確実に儲かる話があるなら、見ず知らずの人に紹介する必要はありません。
甘い言葉に流されて冷静な判断ができなくなると、後で大きな被害を受けるおそれがあります。
SNSやネット広告を通して勧誘を受けたときは、一度落ち着いて、本当に信用できるのか冷静に考えましょう。
遠隔操作アプリをインストールしない
AnyDeskやTeamViewerなどの画面共有・遠隔操作アプリを入れるよう勧められることがあります。
しかし、遠隔操作アプリをインストールしてしまうと、スマートフォンを業者に乗っ取られ、消費者金融への借入を申し込まれる可能性があります。
遠隔操作アプリのインストールは控えましょう。
万が一インストールしてしまった場合は、すぐにアプリを削除しましょう。
相手が不審な遠隔操作をしていると気付いた場合は、機内モードにする、ルーターの電源を落とすなどして、ネットワークを切断しましょう。
運営会社の情報をよく確認する
詐欺被害を防ぐためには、相手が信頼できるかどうかの見極めが重要です。
したがって、儲け話を持ちかけられた際は、必ず運営会社の「会社名称」「所在地」「代表者名」「電話番号」などをチェックしましょう。
なお、運営会社の詳細情報は、国税庁の「法人番号公表サイト」でも確認できます。
もし法人番号が見つからなかったり、詳細がわからない場合は、詐欺の可能性が高いです。
ただし、法人番号があるからといって安心できるとは限りません。
悪質な詐欺業者が法人登録していることもあります。
インターネットで会社名を検索し、口コミや被害報告がないか調べておきましょう。
消費者金融を使わせる詐欺に関する相談先一覧
普段から気をつけていても、詐欺被害にあってしまう可能性があります。
万が一被害にあってしまった場合は、ひとりで抱え込まず、しかるべき相談先へ早めに相談することが大切です。
ここでは、状況に応じた相談先をご紹介します。
警察相談専用電話
警察に困り事や不安を相談したければ、「#9110(警察相談専用電話)」を利用できます。
「#9110」は、警察の相談窓口につながる全国共通の電話番号です。
電話をすると、まずは電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。
寄せられた相談に対しては、相談内容に応じて関係する担当部署が連携し、相談者の不安を和らげるために、必要な対応を行います。
消費者ホットライン
詐欺かどうか判断がつかないときや、どこに相談すればいいか迷っている場合には、消費者ホットライン「188(いやや!)」を利用できます。
「188」は、お住まいの地域の消費生活センターにつながる全国共通の番号です。
相談料は無料で、平日に限らず土日祝日でも利用できます。
電話をすると、相談員が相談内容を聴き取り、解決のための助言を行ってくれます。
司法書士・弁護士
被害金を回収したいときは、司法書士や弁護士に相談するのが効果的です。
自分で業者に返金交渉をすると、無視されたり、逆に脅されたりするリスクもあります。
司法書士や弁護士に交渉に入ってもらうことで、相手の態度が一変し、返金に応じる可能性があります。
また、業者の調査や返金の交渉といった手続きを一任できます。
被害者が直接やりとりをする必要がなくなるので、精神的な負担が軽くなるのも大きなメリットです。
詐欺被害と借金問題は当事務所で無料相談を受け付けます
詐欺被害にあう可能性は誰にでもあります。
「自分は大丈夫」と油断せず、日頃から警戒心を高めておくことが重要です。
「簡単に稼げる」「必ず儲かる」といったうまい話に簡単に乗っからないようにしましょう。
また、被害にあった場合には、司法書士や弁護士への相談がおすすめです。
司法書士や弁護士に相談することで、被害金を回収できる可能性が高まります。
丹誠司法書士法人では、詐欺被害に関する相談を無料で受け付けています。
「これって本当に詐欺なのか分からない」「家族や知人には相談しづらい」と感じている場合でも、まずはお気軽にご相談ください。
\心当たりがある人はすぐ相談!/