SNSやLINEで見かける「体質改善」「絶対リバウンドしない」といった魅力的な言葉に誘導され、個別カウンセリングを装ったやり取りの末に高額なダイエット漢方を購入させられる被害が広がっています。
一見、信頼できそうに見える専門家の画像や丁寧な言葉遣いの裏に、実は詐欺的な構造が隠れていることも少なくありません。
本記事では、LINEで勧誘されるダイエット漢方の典型的な手口や詐欺被害から身を守るためにできること、相談先を解説します。
「痩せたい」という思いにつけ込む巧妙な手口に騙されないためには、正しい知識と冷静な判断が必要です。
- ダイエット漢方詐欺の典型的な手口
- LINEのダイエット詐欺から身を守る方法
- 被害にあったときに取るべき行動と相談先
以下の記事では、「コンプレックス商材」の3つの手口や問題点、返金するための方法について詳しく紹介します。
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LINEで勧誘されるダイエット漢方は詐欺的行為が多い
LINE上での「ダイエット漢方」に関する勧誘には、詐欺的な行為が数多く確認されています。
近年では、「体質改善」「絶対リバウンドしない」などの甘い言葉でSNS広告からLINEアカウントへ誘導し、個別に漢方の購入を勧める手口が急増しています。
一見、無料カウンセリングを装ったやり取りの中で「あなたの体質に合わせた漢方プラン」と称して製品の購入を提案します。
最初は「追加料金は不要」「一度の購入で十分」と説明しながら、後になって「脂肪を溶かす薬が必要」「体質改善とは別で脂肪排出のための追加商品が要る」などと理由をつけ、高額な製品の追加購入を迫るのがよくあるケースです。
LINEでのダイエット漢方詐欺の典型的な手口
LINEのダイエット漢方の詐欺的行為は、LINEの友だち登録を促すことから始まります。
手口の流れについて詳しく見ていきましょう。
LINEでダイエットカウンセリングを装って接触する

痩身効果をうたうお茶等を次々販売する事業者に関する注意喚起」
LINEを通じて行われるダイエット商品の販売では、最初に専門家や医師のような人物の画像を用いて、「個別指導」や「体質改善でリバウンドしない」といった安心感を与える言葉で関心を引きます。
友だち登録後は1対1のトーク形式でやり取りが始まり、あたかも個人に合ったアドバイスを受けているかのような印象を与えます。
信頼関係を築いたうえで高額商品の購入へとつなげていく流れです。
断定的な表現で初回購入をすすめる

痩身効果をうたうお茶等を次々販売する事業者に関する注意喚起」
「体質改善が一度で可能」「永久にリバウンドしない」といった科学的根拠に乏しい断定的な表現を使い、初回商品の購入を強く促すケースが多く見られます。
また、「別途料金はかからない」「一度で完全に痩せる」といった安心感を与える言い回しを多用し、購入者に「今決断すればすべて解決する」と心理的に誘導します。
さらに「他の商品にお金を使うより一度で済ませたほうが得」と強調することで、比較対象を否定しつつ、自社商品の優位性を過剰にアピールする点も特徴です。
専門的な言葉を使い、理論的に説明しているように感じられますが、実際には個別の体質や健康状態を無視した一方的なセールストークにすぎません。
購入後はさらに高額な製品の購入をすすめる

痩身効果をうたうお茶等を次々販売する事業者に関する注意喚起」
初回購入後、LINEでのやり取りを通じて「さらなる効果には追加のケアが必要」と説明され、高額な商品の選択を迫られるケースが多く見られます。
上記の例では、「体質改善には追加料金はかからない」と前置きしつつも、「脂肪を溶かすには別料金が必要」と論点をすり替え、さらなる商品購入へと誘導しています。
また、2種類の脂肪溶解成分を用いた製品の違いを提示し、「高効率型の方が効果が高い」「普通型では理想的なスタイルにはなりにくい」と、高額商品を選ばざるを得ないよう心理的圧力をかけているのも典型的なケースです。
繰り返し購入を迫る

痩身効果をうたうお茶等を次々販売する事業者に関する注意喚起」
高額商品の購入後もやり取りが続き、「さらに効果を高めるには上位商品が必要」といった形で段階的に購入を促します。
上記のように、「より効果的」で「今の自分に必要」だと思わせる商品を段階的に紹介し、繰り返し購入させるのが典型的なケースです。
効果がないと訴えても返金に応じない

痩身効果をうたうお茶等を次々販売する事業者に関する注意喚起」
事前に「効果に自信あり」などとアピールしておきながら、効果が得られなかった場合でも返金に応じないケースが少なくありません。
上記の例では、「あなた専用に調合した商品なので、他の人には使えず返品不可」と説明し、返金を拒否しています。
一見もっともらしい理由に聞こえますが、こうした表現はあらかじめ返金を回避するための常套句の可能性があります。
LINEのダイエット漢方の被害を防ぐ方法
近年、SNSやLINEを通じた「ダイエット漢方」の勧誘によるトラブルが相次いでいます。
医療関係者や専門家を装い、個別指導のように見える丁寧なやり取りで信頼を得たうえで、高額な商品購入を迫られるケースが多く見られます。
こうした被害を防ぐために、以下の点に注意することが重要です。
偽広告かどうか確認する
LINEで表示される広告には、大手企業や公的機関を装った偽広告が混じっていることがあります。
広告自体が偽装されている場合、その先に待つやり取りも詐欺的である可能性が非常に高いため、偽広告の時点でアクセスしないことが大切です。
漢方でダイエットはできないことを理解する
漢方とは本来、体質や症状に合わせて処方される伝統的な薬であり、「脂肪の排出」や「短期間で痩せる」といった医薬品的な効果を持つものではありません。
また、実在する漢方を「痩せ薬」として紹介する広告も見られますが、科学的な裏付けはなく、誇大表現です。
LINEで手軽に販売されるような漢方で急激に痩せるような効果は期待できません。
疑問があれば質問して反応を見る
1対1のチャット形式では、相手のペースに巻き込まれやすくなりますが、疑問に感じた点は遠慮せずに質問しましょう。
曖昧な回答や論点をずらすような返答が返ってくる場合は、信頼できないといえます。
また、必要であればキッパリと断る、あるいはブロックしてやり取りを終了させる判断も必要です。
相手の話に合わせすぎず、自分の判断軸を持ちましょう。
警戒すべきワードが出た時点で購入を避ける
「永遠にリバウンドしません」「運動も食事制限も必要ありません」「〇キロ痩せると決まっています」といった極端で断定的な表現が出た場合は、要注意です。
このような言葉には、不安をあおったり、夢のような結果を約束したりすることで冷静な判断を妨げる意図があると考えられます。
本当に信頼できるサービスであれば、そのような断定的な主張は行いません。
実態のない会社や所在地が不明な場合は購入を避ける
販売者情報として会社名や所在地、代表者名、電話番号などの基本情報が記載されていない場合は、信頼性が著しく低いといえます。
住所が曖昧だったり、連絡先がLINEのみだったりするような場合は、トラブルが起きても連絡がつかない、返金に応じてもらえないなどのリスクが非常に高くなります。
そのような相手から商品を購入することは避けるべきです。
ダイエット詐欺に気づいたときに取るべき行動
ダイエット詐欺に気づいた際、重要なのは証拠を残すことです。
契約書や明確な書面のやり取りが存在しないことも多く、他の商材よりも被害状況の確認が難しくなる傾向があります。
以下のような資料は必ず保管しておきましょう。
- 商品の配送伝票
- LINEでのやり取りの履歴
- 支払い明細
- 相手の情報(会社名、電話番号、メールアドレス、振込先口座、LINE名など)
「もう関わりたくない」という気持ちから証拠類をすべて削除してしまう方もいますが、結果的に返金交渉が困難になるおそれがあります。
また、関連機関へ早めに相談することで、被害の拡大を防ぎ、適切な対応が取りやすくなります。
LINE勧誘でダイエット詐欺にあったときの相談先
LINEを通じたダイエット商品の勧誘では、見た目には丁寧なカウンセリングを装いながら、実際には根拠のない痩身効果を謳って高額商品を購入させるといった詐欺的な行為がみられます。
こうした被害に気づいたら、1人で悩まず、できるだけ早く関連機関に相談することが重要です。
以下に、主な相談先とその特徴を紹介します。
警察
強引な勧誘や虚偽の説明による被害が明らかである場合は、警察の相談窓口「#9110」に連絡することで、適切な対応を案内してもらえます。
必要に応じて被害届の提出も検討できますが、警察はあくまで捜査機関であり、返金対応は行っていないため、金銭の取り戻しを希望する場合は別の機関への相談が必要です。
消費生活センター
「痩せると言われて購入したのに効果がなかった」「返金を求めたら断られた」などのトラブルは、消費者ホットライン「188」に相談できます。
商品の表示内容が薬機法に抵触している可能性や、勧誘方法が不当であるかなどを判断し、クーリングオフの可否や対応策について具体的な助言を受けられます。
司法書士・弁護士
相手が連絡に応じず、返金にも応じない場合や、被害金額が高額にのぼる場合は、司法書士や弁護士などに相談できます。
LINEのトーク履歴や振込記録などをもとに、契約の取消しや返金請求を代理人として進めてもらうことができます。
「自分は被害に遭っているのかわからない」といった段階でも相談可能です。
まとめ
LINEで勧誘されるダイエット漢方には、科学的根拠に乏しい断定的な言い回しや、高額商品の繰り返し購入を誘導する販売手法が数多く見られます。
万が一、詐欺的な販売に巻き込まれた場合には、焦って証拠を消したりせず、LINEの履歴や支払い情報、業者情報などをしっかりと保存しておくことが重要です。
被害に気づいた段階で、早めに相談しましょう。
丹誠司法書士法人では、SNSを通じたダイエット詐欺などのご相談を無料で受け付けています。
「どこに相談すればいいかわからない」「こんなことで相談していいの?」とお悩みの方も、お気軽にご相談ください。