投資詐欺のニュースを見ていて「ポンジスキーム」という言葉を耳にしたことはありませんか?
本記事では、ポンジスキームの仕組みやその被害事例について詳しく解説します。
万が一被害にあってしまった場合の相談先もご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
- ポンジスキームとは?
- ポンジスキームを使った日本の詐欺事件
- ポンジスキームを使った詐欺的被害にあわないためには?
- 被害にあった場合の相談先
投資詐欺によく使われるポンジスキームとは?
ポンジスキームとは、新たな出資者から集めた資金を、あたかも運用益であるかのように見せかけて既存の出資者へ配当として支払う、投資詐欺の手法です。
この手法の名前は、1910年代〜1920年代にかけてこの仕組みで実際に詐欺を行っていたアメリカ人のチャールズ・ポンジに由来しています。
ポンジスキームの典型的な流れは以下のとおりです。
- 「元本保証」「ノーリスクで高利回り」といったうたい文句で出資者を募る
- 集まった資金を運用しているかのように装う
- 後から参加した出資者の資金を流用し、一部を自分の利益として着服する
- 残りの資金を配当金と偽って既存の出資者へ支払う
このような手法では、新たな出資者が集まらなくなった時点で資金繰りができなくなりスキームは破綻します。
投資にローリスク・ハイリターンは存在しません。
リスクなしで高い利益が得られるという説明を受けたら、投資詐欺の可能性を疑いましょう。
ポンジスキームを使った日本の詐欺事例
実際に日本で起きた詐欺事例を2つご紹介します。
芸能人が7億円以上の投資トラブルを引き起こした事件
2022年、ある男性芸能人が総額7億円以上の投資トラブルに関与していたことが発覚し、所属事務所を退所しました。
発端は2017年、男性芸能人が仮想通貨へ興味を持ち、ビットコインを購入したことから始まります。
価格の高騰とその後の暴落を経て損失が生じ、仕事と並行して投資を学ぶのは難しいと感じた男性は、投資家を名乗るAさんに資金を預けて運用を任せます。
男性の知人も投資に関心を持ち、総額1億7,000万円以上の資金がAさんの元に集まりました。
しかし、その後男性はAさんの話の矛盾に気づき、不審に感じたため資金の返金を求めます。
Aさんは一部の6,000万円を返金し一時音信不通になりましたが、男性がAさんを見つけて問い詰めたところ、ポンジスキームだったことが判明しました。
銀行の不正融資も関与した大規模不動産投資詐欺事件
こちらは、被害者数が非常に多いだけでなく、複数の金融機関が深く関与していたことから、現在も被害者救済が完全には終了していません。
早期解決が望まれている事件の一つです。
問題の発端は、2018年頃に発覚したとある不動産会社による投資勧誘です。
同社は「賃料保証」「高利回り」などの好条件を提示し、女性専用シェアハウスへの投資を募っていました。
勧誘を受けて物件を購入した投資家は、1棟あたり平均数千万円から数億円で購入し、資金のほとんどを金融機関からの融資で賄っていました。
しかし、実際の入居率は極めて低く、想定されていた賃料収入を得ることができませんでした。
その結果、不動産会社は新たな投資家からの資金を既存の投資家への「家賃保証」に充てるというポンジスキームの手法で資金繰りを維持していました。
最終的に不動産会社は経営破綻し、多くの投資家が多額の負債を抱えたまま、金融機関への返済も困難な状況に追い込まれました。
ポンジスキームによる詐欺被害を防ぐには?
ポンジスキームによる投資詐欺に巻き込まれないためには、以下の点に注意しましょう。
- 「元本保証」「リスクなし」といった甘い言葉をうのみにしない
- 仕組みがよくわからない投資には手を出さない
- 配当の出所が不明確な場合は要注意
- 「儲かっている人がいる」という話だけで判断しない
上記に当てはまる投資取引がある場合、ポンジスキームを利用した投資詐欺の可能性があります。
以下では、投資詐欺にあった場合の返金方法について詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
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ポンジスキームの投資詐欺にあった場合の相談先
ポンジスキームによる詐欺被害にあった場合、まずは以下のような証拠を揃えましょう。
- 勧誘内容がわかる履歴
- 相手とのやり取りの内容がわかる履歴
- 相手が企業の場合はホームページのURLまたはスクリーンショット
- 投資金額がわかる支払い明細書
相談先を3つご紹介します。証拠を揃え次第、速やかに相談しましょう。
警察相談専用電話
ポンジスキームによる詐欺被害にあったら、警察相談専用電話「#9110」を利用しましょう。
緊急の事件・事故のような、「110」番へ通報すべきか判断に悩む場合でも相談できる窓口です。
受付時間は平日の8:30〜17:15までで、寄せられた相談に対して関係部署が連携し、必要な措置を講じてくれます。
消費者ホットライン
消費者ホットライン「188」へ相談すると、地方公共団体が設置している身近な消費生活相談窓口を案内してもらえます。
ここでは、12月29日〜1月3日を除き毎日相談を受け付けています。
司法書士や弁護士
被害回復を望む場合は、司法書士や弁護士に相談しましょう。
投資詐欺による被害回復の実績がある司法書士や弁護士を探して依頼すると、スムーズな返金につながりやすくなります。
まとめ
ポンジスキームとは、新たな出資者から集めた資金を、あたかも運用益であるかのように見せかけて既存の出資者へ配当として支払う、投資詐欺の手法です。
最初は親切そうに近づき、親しくなったタイミングで突然お金の話を持ち出してくるケースもあるので、「信頼してたから大丈夫」と油断しないようにしましょう。
丹誠司法書士法人では、投資詐欺に関するご相談を受け付けています。
ご相談は無料ですので、「どうしたらいいかわからない」場合も、ぜひ一度お問い合わせください。