近年、詐欺の手口はますます巧妙化しており、身近なLINEを悪用した詐欺被害も増えています。
なかには、悪徳業者に数百万円もの大金を騙し取られ、人生を大きく狂わされてしまう事例も発生しています。
しかし、詐欺から身を守る知識を身につけておくことで、自分はもちろん、家族や友人を巻き込むリスクも大幅に軽減できます。
本記事では、LINE詐欺の具体的な手口や詐欺に巻き込まれないための対策法、LINE詐欺に騙されたときの相談先を解説します。
- LINE詐欺とはなにか
- LINE詐欺によくある7つの手口
- LINE詐欺から身を守る方法
- LINE詐欺の被害にあったときの対処法
LINE詐欺とは?
LINE詐欺とは、無料のコミュニケーションアプリLINE(ライン)を悪用したさまざまな詐欺のことです。
LINEは日本の人口の約7割以上(2024年3月末時点)が利用しているほど、私たちにとって非常に身近なツールです。
また、LINEなら「友だち追加」をタップするだけで、面識のない相手とも簡単にメッセージのやりとりができます。
便利な反面、LINEは悪徳業者にとっても「大量のターゲットと手軽に接触できる好都合なツール」であり、さまざまな詐欺に悪用されているのが現状です。
LINE詐欺によくある7つの手口
LINE詐欺の被害にあわないためには、悪徳業者がどのような手口で騙そうとしてくるのか知っておく必要があります。
LINE詐欺によくある手口は、次の7つです。
- フィッシング詐欺:偽のログインページに誘導され個人情報を盗み取られる
- 架空料金請求詐欺:実際には利用していないサービスの利用料を請求される
- 投資詐欺:嘘の投資話を持ちかけられ、お金を騙し取られる
- 情報商材詐欺:役に立たない情報を高額で売りつけられる
- ロマンス詐欺:恋愛感情につけ込み金銭を騙し取られる
- なりすまし詐欺:友人・知人のアカウントを乗っ取った人物から金銭を要求される
- 支援金・懸賞金詐欺:金銭的支援を持ちかけられるが、登録料や手数料の名目で逆にお金を騙し取られる
それぞれの詐欺の特徴や手口を詳しく解説します。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺とは、偽のログインページ(フィッシングサイト)に誘導し、個人情報やパスワードを入力させて盗み取る手口のことです。
LINE公式アカウントを装う手口では、「アカウントがロックされたため、再ログインが必要」などと偽のログイン画面に誘導し、メールアドレスやパスワードなどを入力させようとします。
そのほか、宅配業者を装い「不在により荷物を持ち帰ったため、再配達のために」などの文面で偽のURLにアクセスさせようとするケースもあります。
架空料金請求詐欺
実在する企業や組織を装い、実際には利用していないサービスの利用料や未納料金を請求する架空料金請求詐欺も発生しています。
悪徳業者はLINEのメッセージや音声通話を通じて「支払わなければ法的措置を取る」「信用情報が悪化する」などと脅してくることが多く、焦りや不安から支払ってしまう方も少なくありません。
投資詐欺
LINE経由で嘘の投資話を持ちかけ、お金を騙し取る投資詐欺の被害も急増しています。
突然知らない相手に友だち追加・グループ招待され、メッセージで投資の勧誘を受けるパターンもあれば、SNS上の広告からLINEの友だち登録に誘導されるパターンもあります。
悪徳業者は「絶対に利益が出ます」「あなただけに特別な情報を提供します」などと言葉巧みに勧誘してきますが、振り込んだお金は出金できず、やがて相手方との連絡もつかなくなります。
とくに投資詐欺は被害が高額になりやすく、なかには1億円を騙し取られた事例もあります。
都合の良すぎる投資話は詐欺の可能性が高いため、安易に信用してはいけません。
情報商材詐欺
情報商材詐欺とは、「〇〇するだけで高収入が得られる」などと宣伝し、実際には説明どおりの成果が得られない情報を販売する手口のことです。
LINEを悪用した情報商材詐欺では、SNS広告やブログ、YouTube動画などで「簡単に稼げる」などとユーザーの関心を引き、LINEの友だち追加に誘導します。
最初は1~3万円程度の商材の購入を勧めてきますが、購入者にはさらに高額な商材を売りつけるのがよくある手口です。
また、情報商材をきっかけに、高額なコンサルティングやサポート契約、セミナーなどに勧誘されるケースも多く発生しています。
ロマンス詐欺
LINEを悪用したロマンス詐欺の被害も、年々増加傾向にあります。
SNSやマッチングアプリで知り合った相手からLINEでのやりとりに誘われ、金銭的な支援を求めてきたり、偽の投資話を持ちかけてきたりします。
メッセージのやりとりを通じて親密な関係を築き、ターゲットに恋愛感情を抱かせた後で金銭を要求してくるのがよくある手口です。
そのため、多少の違和感を抱いていても「相手に嫌われたくない」という気持ちから、要求に応えてしまう方も多くいます。
なりすまし詐欺
LINEを悪用したなりすまし詐欺では、他人のアカウントを乗っ取り、その人物になりすまして金銭を騙し取ります。
アカウントが乗っ取られる原因としては、偽のLINEログイン画面にメールアドレスとパスワードを入力してしまう(フィッシング詐欺)、第三者にLINEの認証番号を教えてしまう、などが挙げられます。
なりすまし詐欺では、友人・知人のアカウントを乗っ取った人物が、金銭を要求するなどの悪質なメッセージを送る手口が多く見られます。
知人のアカウントからメッセージが送られてくれば本人と疑うことがなく、騙されてしまう人も少なくありません。
また、最近では警察官になりすましてLINEに誘導する特殊詐欺も急増しています。
まったく身に覚えのない犯罪への関与を疑われ、「調査のために、あなたの口座にあるお金を指定の口座に全額振り込む必要がある」などと金銭を騙し取られてしまうケースが発生しています。
支援金・懸賞金詐欺
支援金・懸賞金詐欺とは、「支援金」「当選金」などの名目で支援を持ちかけながら、実際には相手から金銭を騙し取られる手口です。
LINEを悪用した支援金・懸賞金詐欺は、突然「〇万円の支援金が受け取れます」「〇億円が当選しました」といった魅力的なメッセージが送られてくるところから始まります。
しかし、お金を受け取ろうとすると手数料や登録料などの名目で金銭を要求され、指示通りに支払っても「支援金」「当選金」は受け取れません。
LINE詐欺から身を守る方法
LINEを安全に使うためには、詐欺の手口を理解するのはもちろん、セキュリティを強化しておくことも大切です。
ここでは、LINE詐欺から身を守るための対策法を4つ紹介します。
強固なパスワードを設定しアカウントの乗っ取りを防ぐ
第三者に推測されやすいパスワードに設定すると、LINEのアカウントを乗っ取られてしまうリスクが高まります。
下記を参考に、できるだけ強固なパスワードに設定しましょう。
パスワードの変更は「ホーム>設定>アカウント>パスワード」から可能です。
<強固なパスワードに設定するポイント>
- 大文字・小文字・数字・記号のうち3種類以上を含む8~20文字で登録する
- ニックネームや誕生日、住所などの個人情報を入れない
- 連続した数字(123456など)や規則的なキーボードの配列(qwertyなど)を使わない
また、複数のサービスで同じパスワードを使い回さないことも大切です。
「どのサービスにどのパスワードを設定したかわからなくなる」という方は、パスワードの自動生成・自動入力・保管ができる管理ツールを活用するのもひとつの方法です。
管理ツールを使えばパスワードを安全に保管できるだけでなく、覚えにくいパスワードを手動で入力する手間もありません。
ログイン通知機能を活用する
LINEにはログイン通知機能があり、現在ログインしている端末以外からのログインが検知された場合は、LINE公式アカウントから通知が届く仕組みになっています。
ログイン通知が届いた場合は、内容に身に覚えがあるか確認しましょう。
心当たりのないログイン通知が届いた場合は、メッセージに記載されているURLからログアウトし、パスワードを変更しておくことが重要です。
また、普段パソコンやタブレット、スマートウォッチなど、スマートフォン以外の端末でLINEを使わない方は、ログイン許可をオフにするのもおすすめです。
設定を変えることでスマートフォン以外の端末からLINEにログインできなくなり、乗っ取り対策につながります。
ログイン許可の設定を変更する場合は、「ホーム>設定>アカウント>ログイン許可」と進みましょう。
知らない相手からの怪しいトークは返信せずにブロックする
面識のない相手から怪しいメッセージを受信した場合は返信したりURLをタップしたりせず、ブロックしましょう。
フィッシング詐欺やなりすまし詐欺に引っかからないためには、アカウント名の左にあるバッジの色を確認することが大切です。
LINEから認証を受けたアカウントのバッジは緑もしくは紺色ですが、未承認アカウントは灰色です。
未承認アカウントがすべて詐欺まがいというわけではありませんが、バッジの色は信頼性を見極めるための目安になります。
怪しいメッセージに記載されているURLを開いてしまった場合はすぐに画面を閉じ、端末のネットワークを切断しましょう。
なお、フィッシングサイトによってはアクセスしただけでウイルスに感染する可能性もあるため、ウイルススキャンツールで確認しておくと安心です。
金銭を要求するメッセージが送られてきても応じない
友人や知人から「コンビニで電子マネーを買ってきてほしい」「お金は明日返す」などのメッセージが送られてきた場合は、十分に警戒してください。
相手のLINEアカウントが乗っ取られている可能性が高いため、安易に返信してはいけません。
金銭を要求するメッセージが届いた場合は、電話やほかのSNSのDMなど、LINE以外の連絡手段で本人に確認しましょう。
ID・電話番号から友だち追加されないように設定する
知らない相手からのメッセージ着信やグループ招待を防ぎたい場合は、IDや電話番号から友だちに追加されないように設定しましょう。
- IDによる友だち追加を拒否する手順:ホーム>設定>プロフィール>[IDによる友だち追加を許可]をオフ
- 電話番号による友だち追加を拒否する手順:ホーム>設定>友だち>[友だちへの追加を許可]をオフ
悪徳業者はIDや電話番号をランダムに入力し、ヒットしたアカウントへの接触を試みることがあります。
ID・電話番号による友だち追加を拒否すれば、知らない人から怪しいメッセージが送られてくる心配はありません。
LINEの設定を少し見直すだけでも、有効な詐欺対策になります。
LINE詐欺の被害にあったときの対処法
もしLINE詐欺の被害にあってしまった場合は、一人で抱え込まず、第三者に相談することが大切です。
ここでは、LINE詐欺に巻き込まれたときの対処法を3つ紹介します。
LINEサポートに通報する
怪しいメッセージが届いた場合や、LINE詐欺にあった場合は、LINEの運営元へ通報しましょう。
通報する際は「トーク画面右上のメニュー>設定>通報」と進みましょう。
悪質なメッセージを通報すれば、LINEヤフー株式会社による調査が行われます。
ただし、被害回復に向けて動いてくれるわけでは無いため注意が必要です。
消費生活センター・警察の相談窓口に連絡する
消費生活センターでは、LINE詐欺を含む消費生活全般の無料相談に対応しています。
消費者ホットライン(電話番号:188)に連絡すると、最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。
また、警察の警察相談専用電話(電話番号:#9110)でもLINE詐欺に関する無料相談が可能です。
消費生活センター・警察ともに相談自体は無料ですが、通話料は利用者負担となる点に注意してください。
また、消費生活センターや警察が対応できるのは、情報提供や問題解決に向けたアドバイスです。
騙されたお金を取り戻してくれるわけでは無いため、その点も踏まえて相談しましょう。
司法書士・弁護士に相談する
LINE詐欺による被害金を取り戻したい場合は、司法書士・弁護士への相談が有効です。
詐欺被害や消費者トラブルに強い司法書士・弁護士であれば、状況に応じた的確なアドバイスが得られ、返金に成功する可能性も高まります。
無料で相談できる司法書士事務所・弁護士事務所もあるため、一人で悩まず、一度アドバイスを求めてみましょう。
まとめ
LINEは普及率が高いからこそ詐欺の温床になっており、多くの方が被害にあっています。
今回紹介した詐欺の手口を理解し、警戒心をもつことで、騙されるリスクを大きく軽減できます。
LINE詐欺の被害にあった場合は一人で抱え込まず、適切な窓口に相談しましょう。
丹誠司法書士法人では、LINE詐欺の被害に関する相談を受け付けております。
「どこに相談したらいいかわからない」という場合でも構いません。
ご相談は無料ですので、ぜひ一度お問い合わせください。
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