「メタバースを悪用した投資詐欺が増えていると聞いたけど、メタバースへの理解度が浅いからどんな手口なのかわからない」と不安を感じていませんか。
メタバースは大手企業の参入によって世界的な注目が集まっており、新たな価値を生み出す可能性を秘めています。
しかし、トレンドを悪用して投資詐欺を企む業者も参入し、被害にあう方も増え続けています。
本記事では、メタバースでできることや注目される理由を解説します。
メタバースの概要を理解して投資詐欺の典型的な手口を見抜き、身を守るための知識を身につけましょう。
- メタバースの実態と危険性
- メタバースでできること
- メタバース投資詐欺でよくみられる手口と事例
- メタバース投資詐欺の対策
メタバース以外にも、投資詐欺にはさまざまな手口があります。
詳しくは、以下の記事も参考にしてください。
投資は、自己資金を使って利益を得るものです。将来的な資産を作る手段として、投資を始める方が増えています。その一方で、投資家を狙った詐欺被害が増加傾向にあります。 特に初心者は、詐欺的行為のターゲットになりやすいです。そこで今回は、投資[…]
メタバースの概要と危険性について
メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間のことです。
ゲームやアニメのような空間に実際の人間が入り込むイメージで、作成したアバターを通じて仮想空間内で自由に交流したり、買い物やゲームを楽しんだり、さらには仕事をすることもできます。
しかし、メタバースには危険性もあります。
特に、投資関連の詐欺的行為が横行している点や法整備がまだ整っていない点などが懸念されています。
実際に、2022年にはアメリカで投資家が総額4,500万ドルを騙し取られたメタバース関連の投資詐欺が報告されました。
メタバースに興味を持つ個人や企業に対して、詐欺まがいの悪徳業者が声をかけてくるケースも増えています。
「将来性がある」「今がチャンス」などの甘い言葉に騙されないよう注意してください。
メタバースで「できること」
メタバースでは、ユーザーは場所や移動手段などの制約を超えて自由に活動できるのが主な特徴で、活動範囲は現実世界よりも広がります。
企業や自治体主催でメタバースの世界を体験できるイベントも行われています。
ユーザーはオフライン特有の立地や移動などの制約を受けずに、リアルな体験を楽しめるでしょう。
メタバースでどんなことができるのか、具体的に解説します。
買い物やゲーム
メタバース内では、商品を購入したりゲームをしたりして過ごすことができます。
実際に、有名洋服ブランドや百貨店がメタバース内に出店しています。
アウターや靴、パンツなどアバターが着用するアイテムの試着や購入が可能です。
また、メタバース内ではアバター同士の生き残りをかけたバトルロイヤルゲームや交流をメインとしたコミュニケーションゲームも楽しめます。
不動産の売買・賃貸・投資
メタバース内では、不動産の売買や賃貸、投資が可能です。
土地や建物を購入・運営し、現実世界と同じように店舗やイベント会場、住宅として活用できます。
また、メタバース内で家を探しているアバターに向けて、自身が所有している不動産を貸し出すことも可能です。
メタバース内の不動産は、煩雑な手続きをせずとも手軽に購入できるうえ、建物の経年劣化に備える必要がない点がメリットと言えるでしょう。
一方で、価格変動が激しいことやブームが過ぎると資産価値がゼロになるというリスクがデメリットとして挙げられます。
メタバース内で不動産取引を専門に行う企業も増えており、現実世界とはまた違った魅力を持つ市場として注目されています。
新しいビジネスの展開
メタバースは新しいビジネスを展開する場としても注目されています。
仮想空間なら地理的な制約を超えた事業展開が可能です。
そのため、大手自動車メーカーや観光業、金融業界など多くの企業が参入しています。
たとえば、自動車メーカーではメタバース内で新車の試乗体験ができたり、観光業では仮想空間を活用した旅行プランが提供されたりしています。
これにより、現実世界と異なるアプローチが実現できるでしょう。
教育分野でもメタバースの活用が広がっています。
ある大学では、メタバース内にバーチャルキャンパスを設立し、オンライン講義や研修、オープンキャンパスを実施しています。
これにより、場所を問わず受講できる環境が整い、地理的な制約を超えた新しい学びの形が広がっているのです。
バーチャル空間でのリアルな体験は、メタバースが生む新たな付加価値への理解度が深まり、消費者の購買欲の促進に繋がります。
適切な市場調査と戦略を立てることで、メタバース内のビジネスで成功を掴めるでしょう。
その背景を悪用する業者が参入し、騙されてしまう利用者が増えています
メタバース投資詐欺でよくみられる手口を3つ紹介
メタバース投資詐欺でよくみられる手口を3つ紹介します。
メタバースは新しい分野のため法整備が追いついておらず、理解が浅い利用者をターゲットにした詐欺的行為が増加しています。
悪徳業者の手口を知っておくことで被害を防げるでしょう。
業者が専門家や著名人になりすます
悪徳業者がメタバースの専門家を装い、投資やビジネスのアドバイスを持ちかけるケースが増えています。
メタバースや投資の知識が乏しいユーザーを狙い、高額なコンサルティング料を請求して金銭をだまし取る手口が横行しています。
理解が浅い初心者では、信用できる業者なのか判断するのは難しいでしょう。
また、業者が著名人やインフルエンサー本人あるいは関係者になりすまして接触してくることもあります。
利用者の「メタバースに詳しい業界人や有名人から教えてもらいたい」という心理を利用しています。
専門用語を不自然に多用してきたり、質問に対して曖昧な回答しか返ってこなかったりするなど、不審な点がある業者には注意してください。
高いリターンが得られると騙る
「今のうちに土地を購入すれば確実に価値が上がる」と、保証がない将来の利益を確約する手口が横行しています。
メタバース内では仮想通貨やNFT(非代替性トークン)を使用した取引が主流のため、業者は「土地の価値だけでなく仮想通貨の高騰によって莫大な利益を得られる」「NFTによって土地の証明書が発行される」などの謳い文句で勧誘してくるでしょう。
さらに、「今購入しなければ損をする」と煽り、利用者から冷静な判断力を奪って騙すケースも見られます。
実際に、2000年代後半には、メタバース内に土地を購入したもののサービスがリリースされず、多額の損害を被ったケースも存在します。
不確実なものである将来の利益を過剰に強調し、結果を保証するような業者には警戒しましょう。
怪しいネットワークビジネスを勧めてくる
メタバースのブームを悪用して、マルチ商法やネットワークビジネスが行われる事例が報告されています。
「友人を紹介すれば利益が増える」「今投資すれば、共同経営者として多額の利益を得られる」などと持ちかけ、資金を集めようとしてくるでしょう。
この手口では、業者が資金を集め続ける一方で事業の進展はなく、不信感を抱いた頃には連絡が取れなくなってしまう、などの被害が見受けられます。
ほかにも、メタバースでの成功を掲げるセミナーなどを開催し、高額な受講料を請求してくるケースも考えられます。
うまい話は鵜呑みにせず、自己判断するのではなく周囲と相談するようにしましょう。
メタバース投資詐欺から身を守るための対策を解説
メタバースを悪用した投資詐欺から身を守るために、事前に対策を講じましょう。
少しの工夫で被害を未然に防ぐことができます。
誰でも実践できる具体的な方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
情報リテラシーの向上
情報リテラシーを向上させることで悪徳業者の手口を見抜きやすくなります。
メタバースに関する投資詐欺の過去事例を知っておくことをおすすめします。
自身の状況が過去の被害と似た状況であれば、その時点で「詐欺かもしれない」と気づけるでしょう。
また、メタバースや企業の公式サイトを調べることで、フェイクニュースや信憑性の低い情報に惑わされにくくなります。
複数の情報源を比較する習慣を身につけることが大切です。
インターネットでは不確かな情報が拡散されやすく、「儲かる投資」に関しては本や動画など複数の媒体から多角的に判断することが重要です。
情報リテラシーを高めることで、メタバースを悪用した投資詐欺的行為の被害を回避できるでしょう。
業者の情報を検索する
魅力的な勧誘を受けた場合は業者名を検索し、情報や評判を確認しましょう。
代表者名や所在地、電話番号などの基本情報が公開されていない業者は、トラブルが発生したとき連絡が取れなくなるリスクがあります。
また、基本情報だけでなく、レビューサイトやSNSの口コミをチェックしてください。
すでに被害にあった方が注意喚起を行っていることもあるので、評価の低い業者からの勧誘には十分注意が必要です。
さらに、過去にトラブルを起こした業者が名前を変えて営業を続けているケースもあります。
設立間もない会社や実績の乏しい業者には警戒しましょう。
情報をあまり公開していない業者は詐欺的手法を使う可能性が高いため、安易に返信したり契約してはいけません。
複数の情報から多面的に判断することで自身を守ることができます
【事例】海外で実際に起きてしまった投資詐欺を紹介
海外で実際に起きた投資詐欺の事例を紹介します。
一度騙されると莫大な損害を被る可能性があるので、事例を参考に被害にあわないよう注意してください。
2022年6月29日、アメリカのラスベガスでメタバース関連の投資詐欺を行った男性が逮捕されました。
男性は、独自の仮想通貨やメタバース向けの技術を開発する複数の企業を経営し、メタバースの利点や将来性を強調しながら投資家を勧誘していました。
「自身が所有する1社が富豪たちに買収される」と投資家に伝え、”極めて高いリターンを約束する”詐欺的な投資話を持ちかけたとされています。
また、複数の企業が買収交渉に関与していると偽り、交渉成立までの間は投資家の資金を通常どおりの企業運営に使用すると伝えていました。
しかし、実際には買い手は存在せず、彼は1万人以上から総額4500万ドル(当時の日本円で約67億円)を超える金額をだまし取っていました。
集めた資金の多くは、不動産や高級車などの彼の個人資産に充てられていたといいます。
メタバース投資を勧められたら丹誠司法書士法人へ相談を!
メタバースはインターネット上に存在する仮想空間で、現実世界と同様の社会生活を送ることができる新しい技術です。
技術の進歩によってメタバースの実現可能性が高まり、オンラインサービズの需要や新たな価値の創出が期待され、数多くの有名企業が参入し注目を集めています。
しかし、注目を悪用して専門家を名乗る悪徳業者が「元本割れしない高リターンの投資」などと謳って投資家を騙す詐欺が横行しています。
丹誠司法書士法人では、投資詐欺の被害にあわれた方に対して返金交渉や相談を承っています。
法整備が追いついていないメタバースの投資詐欺でも、類似事例をもとに適切な対応策をご提案いたします。
ぜひお気軽にご相談ください。