「SNSを利用していると、怪しい広告やDMがたくさん来るけど信じてもいいの?」と疑問に思ったことはありませんか?
誰でもすぐに稼げるとうたいながら投資や副業を勧誘されますが、詐欺の可能性がきわめて高いため注意しましょう。
本記事では、最近増えているSNS詐欺の事例と把握しておくべき5つのSNS詐欺の種類を紹介します。
被害にあわないための3つの対策も解説しますので参考にしてください。
- SNS詐欺の概要と急増している3つの理由
- 被害額が2,000万円以上の事例
- SNS詐欺にあわないための対策
- 知っておくべきSNS詐欺
急増しているSNS詐欺とは?
SNS詐欺とは、悪徳業者がLINEやInstagramなどのSNSを悪用して、利用者から金銭を騙し取る詐欺のことを指します。
警察庁によると、全国でSNSを悪用した投資詐欺やロマンス投資の被害額は、2024年1〜11月の間で約1141億円、前年の同時期に比べて約3倍に拡大していることが明らかになりました。
被害者総数は9265人、被害者の性別比率は男性の方が5割超と多く、世代比率は男性女性ともに50・60代の被害者が目立ちます。
2022年時点ではSNSは1億200万人もの方が利用していると報告されています。
悪徳業者が無造作にSNS利用者を騙すような勧誘を行うことで、被害者の数が増え続けているのです。
一度でも被害にあってしまうと、大切に貯め続けていた資産や貯金を全て失う危険性があります。
以下の記事では、SNS詐欺においての返金方法について詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
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SNS詐欺の被害者が増えている理由を3つ解説
近年、SNS詐欺の被害者数は飛躍的に増えています。
多くの方が被害にあってしまうのは、業者の手口が巧妙に進化しているからです。
ここでは、SNS詐欺の被害者が増えている理由を3つ解説するので、参考にしてください。
生成AIと翻訳技術の進歩
1つ目の要因として、生成AIと翻訳技術の進歩があげられます。
生成AIの発達により、著名人の顔や声のコピーや、容姿が整っている人物の画像を簡単に作れるようになったことで、詐欺の手口が広がりました。
たとえば、容姿が整っている女性の画像を生成AIによって作り、男性の好意を利用してお金を騙し取る「なりすまし詐欺」などがあります。
また、翻訳サイトの進歩も要因の1つです。
日本語を普段使用しない海外の詐欺グループでも、違和感のない文章を作成して悪質な勧誘が可能になっています。
科学技術の進歩によってSNS詐欺の被害者が増え続けているのです。
組織的な犯罪行為
2つ目の要因としては、犯罪行為が単独犯ではなく、組織的に行われているからです。
具体的には、「主犯・指示役」が電話やチャットで勧誘する「架け子」にマニュアルを渡して、SNS利用者を騙しています。
単独犯であれば、警察が逮捕すれば詐欺を止めることができます。
しかし、組織的な構造でSNS詐欺を行うようになると、末端の「架け子」を逮捕してもSNS詐欺は止まりません。
「架け子」が逮捕されれば、「主犯・指示役」がまた別の「架け子」を補充してしまいます。
SNS詐欺を止めるには「主犯・指示役」も含めて一斉に摘発しなくてはなりません。
組織的な犯罪になることで悪徳業者の逮捕が難しくなり、被害が拡大し続けているのです。
SNS利用者の興味を惹きつけている
3つ目の要因は、SNS利用者の興味を的確に惹きつけているからです。
SNSを利用していると頻繁に広告を目にすると思います。
SNSは利用者がフォローしているアカウントや年齢・性別などから、利用者の関心のある広告が表示される仕組みです。
そのため、一度に大人数の利用者にアプローチすることが簡単にできます。
さらに、ターゲットの年齢や性別にあわせた広告を出すことも可能です。
悪徳な業者にとってSNSでの広告は費用対効果が高いため、多くのSNS利用者が被害にあってしまうのです。
【事例】被害額2,000万円以上の事例を3つ紹介
SNSはたった1回被害にあってしまうだけで、取り返しがつかないほどのダメージを負ってしまうリスクが存在します。
ここでは、実際に起きてしまった被害額2,000万円以上の事例を3つ紹介します。
事例1.なりすまし詐欺(被害額:1億円以上)
50歳の女性はSNSを利用していると、投資関係の広告を目にしました。
興味を持った女性が広告にアクセスしたところ、著名人を名乗る男性からメッセージが届きました。
男性から「投資で損をしたくないのなら、先生(投資家を名乗る者)の指示に従えば間違いはない」と説得され、LINEグループに加入することを決めました。
サイト上では利益が確認できたことで、女性は先生を本物だと信じてしまったそうです。
コミュニケーションを重ねていくうちに女性は紹介者の男性や先生を疑わなくなり、指定口座の振り込みや電子マネーカードのコード番号を送信し続け、合計1億円以上を送金してしまいました。
事例2.SNS型投資詐欺(被害額:2,000万円以上)
60歳の女性は動画配信サイトで新NISAに関する解説動画を視聴していました。
興味を持った女性はもっと詳しく知りたいと思い、動画の概要欄に掲載されていたURLアドレスをクリックしたそうです。
広告の案内に従うと別のLINEのグループチャットへ招待されました。
招待されたLINEグループでは投資や暗号資産の情報交換が積極的に行われていました。
「今、投資をするなら暗号資産や仮想通貨だよ」
「みんなの言う通りにしていれば、すぐに利益が出せます」
「分析データを読み込んだこのソフトを使用して投資をしてください」
などとLINEグループで知り合った人に言われ、女性は指定口座への振り込みと暗号資産を送信し続けました。
結果、合計2,000万円以上を騙し取られてしまいました。
事例3.投資詐欺(被害額:1億円以上)
70歳の男性がSNSを利用していると、全く面識のない女性からフォローされました。
その後、女性から「暗号資産に投資をすれば、より資産を築くことができます」とメッセージが届いたそうです。
より経済的に豊かになりたかった男性は、女性が勧める暗号資産取引アプリをダウンロードすることにしたのです。
取引を開始しようとすると、以下のメッセージが届きました。
「損失が出るリスクに備えて、保証金として10万円振り込んでください」
「お金を引き出すには、15%の所得税を支払う必要があります。」
紹介者の女性の指示通りに指定口座へお金を何度も何度も振り込んでしまい、合計1億円以上を騙し取られてしまいました。
SNS詐欺の被害にあわないための3つの対策
SNSを利用していると、怪しい業者から勧誘される可能性があるため、トラブルを回避できるように準備をしておくことをおすすめします。
ここでは、SNS詐欺の被害にあわないための3つの対策を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
著名人やお金持ちのアカウントをうのみにしない
著名人やお金持ちアピールをしているアカウントからのメッセージをうのみにしないでください。
SNSは匿名性が高く、画像は簡単に偽造することができるからです。
たとえば、有名な大企業の役員と名乗るアカウントがあり、豪華な自宅や頻繁にリゾートへ旅行している写真を投稿していることがあります。
しかし、実際には全く関係のない業者がアカウントを運用しているかもしれません。
また、投稿している画像はAIで作成したりネットで拾ってきたりしている可能性も否定できません。
そもそも、リアルで出会ったことがない著名人やお金持ちから突然、直接連絡が来るということ自体、不自然です。
勧誘されても、一切返信しないなど落ち着いて対応しましょう。
個人情報や資産状況を公開しない
不特定多数の人が利用しているSNS上で個人情報や資産状況を公開しないようにしてください。
悪徳な業者が情報を不正に利用したり、別の業者に教えたりして、金銭を騙し取ろうとして連絡をしてくる可能性があります。
それだけではなく、SNS利用者の名前や顔写真、投稿されている高級車の写真を悪用して、別の人を騙すための素材になってしまう危険性もあります。
もし自分の個人情報が悪用されていることに気づいたら、運営へ問い合わせて報告をしましょう。
一人で判断しない
知らないアカウントから投資を勧誘されても一切無視して構いませんが、万が一やりとりを始めてしまったならばすぐに信頼できる第三者に相談するようにしましょう。
一人だけで考えていると視野が狭まり、悪徳な業者の巧妙な手口を見抜けない場合が多くあります。
特に、SNSで投資やセミナーの勧誘や情報商材を紹介されたときは、多額の金銭を請求されるケースが多いです。
業者も確実にお金を騙し取れるように時間をかけながら何度もやりとりをして、SNS利用者の信頼関係を築いていく手口に精通しています。
一人で判断せずに、友人や家族、警察や法律の専門家に相談しましょう。
知っておくべきSNS詐欺は5種類
知っておくべきSNS詐欺は以下の5種類です。
なりすまし詐欺 | 著名人や大企業の役員、容姿端麗な人物になりすまし、金銭などを騙し取る |
ロマンス詐欺・出会い系詐欺 | 相手の恋愛感情を利用して、金銭などを騙し取る |
フィッシング詐欺 | 大手の企業や役所のWebサイトに酷似させ、個人情報などを盗み出す |
闇バイト | 高額な報酬をうたい、応募者に違法な仕事をさせる |
投資詐欺・副業詐欺 | 「誰でも簡単に稼げる」などの誇大広告を出して、応募者から金銭などを騙し取る |
SNS詐欺の事例の多くが、主にこの5種類に分類されます。
よくあるSNS詐欺を覚えておけば、悪徳な業者から勧誘されても詐欺だと見抜ける確率が上がるでしょう。
SNS詐欺の被害にあったら丹誠司法書士法人へ相談
SNSでよく見られる広告や、送られてくるDMのほとんどは詐欺の可能性が高いです。
簡単にお金を稼げる方法があると期待してしまい、つい話を聞きたくなると思います。
しかし、騙されてしまうと取り返しがつかないほどの被害が出てしまう危険が潜んでいます。
SNSでよくある事例や手口を知っておけば、対策を立てることができ騙される確率は低くなるはずです。
丹誠司法書士法人では、返金請求など個人で対応するのは難しいことでも、迅速に対処することが可能です。
もしお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。