警察に詐欺の相談をしようと考えているものの「どうやって相談すれば良い?」「相談したら、警察は何をしてくれるの?」などの疑問を抱いている方もいるでしょう。
本記事では、警察に詐欺の相談をする方法や、警察で対応してもらえることについて紹介します。
問題が解決しないときの対処法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
- 警察に詐欺の相談をする方法
- 警察に相談したら何をしてくれるのか
- 警察に詐欺の相談をしても対応してくれないケース
- 警察に詐欺の相談をしても解決しないときの対処法
警察に詐欺の相談をする方法
警察に詐欺の相談をする方法は、直接相談・電話相談・オンライン相談(メール相談)の3つです。
それぞれの相談方法を詳しく紹介します。
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最寄りの警察署にある相談窓口に直接相談する
対面で警察に相談したい場合は、最寄りの警察署に直接足を運びましょう。
各警察署には、相談を受け付けるための総合的な窓口が設置されています。
最寄りの警察署を調べる際は、東京都在住の方は警視庁のホームページ、東京都以外にお住まいの方は警察庁のホームページを確認しましょう。
警察相談専用電話を利用する
電話で警察に相談したい場合は、警察相談専用電話「#9110」番を利用しましょう。
「#9110」番は全国共通の電話番号で、電話をかけると地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。
電話番号 | #9110 |
受付時間 | 平日8:30~17:15
(各都道府県の警察本部によって異なる) |
通話料 | 利用者負担 |
土日祝日や夜間は、当直による対応もしくは音声案内などに切り替わります。
警察への電話相談は何度でも無料ですが、通話料は利用者負担になることを把握しておきましょう。
「#9110」番は携帯電話からもつながりますが、ダイヤル回線や一部のIP電話(インターネット回線を利用した電話)では利用できません。
この場合は、各都道府県の相談窓口電話番号に直接ダイヤルしましょう。
なお、「110」番と「#9110」番の違いは、緊急度の高さです。
今すぐ警察官に駆けつけてもらいたいような緊急時には「110」番、緊急の対応を必要としない相談では「#9110」番を利用しましょう。
都道府県警察本部の「サイバー犯罪相談窓口」を利用する
サイバー犯罪に関する相談は、都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口を利用しましょう。
たとえば以下のような被害にあった際は、サイバー犯罪相談窓口に連絡することで専門的なアドバイスがもらえます。
- ワンクリック詐欺による被害
- フィッシング詐欺による被害
- なりすましメールによる被害
- ネットオークションでの詐欺被害
- インターネット上での商品購入に関するトラブル
警察庁のホームページでは、都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口の連絡先や警察署一覧が確認できます。
また、警察庁ではサイバー事案に関する全国統一のオンライン受付窓口も設置されており、メールでの通報や相談、情報提供が可能です。
警察に相談したら何をしてくれる?
警察に詐欺の相談をしたら、どのような対応をしてくれるのでしょうか。
以下で詳しく紹介します。
問題解決に向けた助言・情報提供・検挙
警察に相談すると、詐欺問題の解決に向けたアドバイスや助言、相手方への警告、検挙などを行ってくれます。
たとえば過去には、「孫を名乗る男から家に来るという電話があったが、本当の孫の声ではなかった」というオレオレ詐欺に関する相談が寄せられました。
警察は騙された振りをして相手を呼び寄せ、相談者の自宅付近をうろついている男らを発見しました。
男らに職務質問したところオレオレ詐欺の受け子であることが判明し、詐欺未遂罪での検挙に至っています。
詐欺に使われた口座の凍結
投資詐欺やロマンス詐欺など、預金口座などへお金を振り込ませる詐欺被害にあった場合は、警察と振込先の金融機関に連絡することで口座凍結(利用停止)の要請が可能です。
口座凍結の要請が認められると、「振り込め詐欺救済法」に基づき被害金を回収できる可能性があります。
振り込め詐欺救済法とは、犯罪に利用された預金口座へお金を振り込んでしまった被害者の救済を目的とした法律です。
オレオレ詐欺や架空料金請求詐欺、投資詐欺、還付金詐欺などの「預金口座などへの振り込みを利用したさまざまな詐欺被害」を対象としています。
ただし、凍結した口座内に残高がなければお金を取り戻せないため詐欺だと気づいた時点ですみやかに行動することが重要です。
適切な窓口・専門機関の紹介
詐欺被害の相談内容によっては、警察内に設置されている別の相談窓口に引き継がれることがあります。
また、警察以外での対処が適切と判断された場合は、法テラスや消費生活センターなどの専門機関を紹介されることもあります。
警察に詐欺の相談をしても対応してくれないケース
警察に詐欺の相談をしたからといって、必ずしも解決に向けて動いてくれるとは限りません。
ここでは、警察が対応してくれないときに考えられる理由を解説します。
民事事件の場合
警察には民事事件には介入しないという「民事不介入の原則」があり、刑事事件のみ取り扱いが可能です。
- 民事事件とは:金銭トラブルや契約トラブルなど、日常生活で発生する個人間または法人間の争いごと
- 刑事事件とは:犯罪が疑われる人に対して、警察や検察などの国家機関が捜査を行い、「その人に刑罰を科すかどうか」「どの程度の刑罰が適切か」を決めるための裁判が行われる法的な争いごと
そのため、詐欺の相談内容が民事事件(私人間のトラブル)だと判断された場合は情報提供やアドバイスに留まり、問題解決に向けて動いてくれません。
また「できるだけ早く、お金を返してほしい」という場合も、警察では対応できないことがあります。
そのような場合は、司法書士や弁護士への相談がおすすめです。
以下の記事では、司法書士に依頼した場合において、実際に返金が叶うまでの経緯を解説しています。あわせて参考にしてください。
「騙されたお金を取り戻す方法は」 「実際に手元にお金が戻ってくるのはいつごろなの?」 などという疑問や不安な気持ちを抱いたことはありませんか? 丹誠司法書士法人ではどのように詐欺被害に関する無料相談から返金請求に関する手続[…]
詐欺被害の証拠がない場合
詐欺であると立証できる明確な証拠がない場合も、警察は動いてくれません。
証拠がないと「本当に詐欺にあったのか」「被害額はどれくらいなのか」を客観的に把握できないためです。
詐欺罪として立件できないと警察に判断されれば、民事不介入の原則により、それ以上介入してくれません。
警察に動いてもらう可能性を高めるには、騙されたと気づいたらすぐに証拠を収集し、相談時はすべての資料を持参しましょう。
詐欺被害から時間が経過すると相手方に証拠を隠滅されるリスクが高まるため、迅速な行動が重要です。
相手方の身元がわからない場合
悪徳業者が行方をくらましている場合も、警察に対応してもらえない可能性が高いです。
多くの悪徳業者は、身元を特定されないように氏名や社名、住所を偽っています。
そのため、詐欺だと気づいたときには相手方と連絡が取れず、行方もわからなくなっていることがほとんどです。
この状況で警察に相談しても「相手方を特定できないと対応が難しい」と言われてしまう可能性があります。
警察に詐欺の相談をしても解決しないときの対処法
前述のとおり警察は民事不介入であり、なおかつ詐欺の相談をしても証拠不十分・身元不明などの理由で動いてもらえないことがあります。
ただし、警察が動いてくれないからといって泣き寝入りする必要はありません。
ここでは、警察に相談しても問題が解決しないときの対処法を紹介します。
\心当たりがある人はすぐ相談!/
相手を捕まえたい場合
警察に相談したり被害届を提出したりしても動いてもらえない場合、刑事告訴するのもひとつの方法です。
ただし、個人での刑事告訴は「証拠不十分」「書類不備」などの理由で受理されないことが多く、弁護士に依頼するのが一般的です。
刑事告訴とは、犯罪の被害者が検察や警察官などの捜査機関に対して犯罪の事実を申告し、処罰を求めることをいいます。
警察刑事告訴を受理すれば、すみやかに捜査を行い被害者に捜査結果を知らせる義務が発生します。
返金を求める場合
刑事告訴の依頼は弁護士のみですが、返金に向けた手続きなどは司法書士にも依頼できます。
相手に処罰を与えることが目的ではなく、被害金の回収を求めている場合は、司法書士や弁護士に相談しましょう。
警察の捜査によって相手が逮捕・起訴され、裁判で有罪となれば、懲役刑などにより処罰を与えられますが、騙されたお金が自動的に返金されるわけではありません。
金銭的被害を回復するためには、刑事手続きとは別に民事上の返金請求を行う必要があります。
警察は民事不介入ですが、司法書士や弁護士に依頼すれば、相手方の調査から返金請求まで一任できます。
また、詐欺被害に強い司法書士・弁護士に相談することで、被害金を回収できる可能性が高まります。
まとめ
警察に詐欺の相談をした場合、問題解決に向けたアドバイスや情報提供、適切な専門機関の紹介などを行ってくれます。
ただし警察は民事不介入のため、相手方の身元を特定したり、返金交渉したりなど、被害回復に向けて動いてくれるわけではありません。
そのため、被害金の回復を求めている場合は、司法書士や弁護士への相談をおすすめします。
丹誠司法書士法人では、詐欺被害の解決実績が豊富な司法書士が相談者様に寄り添い、相手方の捜査から返金請求まで全力でサポートします。
相談は無料ですので、詐欺被害にあわれた方はお気軽にお問い合わせください。