インスタで広がる副業勧誘に注意｜手口と対処法・相談先を解説

インスタをはじめとするSNSでは、「誰でも簡単に稼げる」「スマホひとつで収入アップが可能」といった副業の勧誘を目にする機会が増えています。

しかし、その中には収入につながらない、悪質な詐欺勧誘が紛れ込んでいるケースも少なくありません。

本記事では、インスタ副業詐欺の手口や注意すべきアカウントの特徴や勧誘を受けた際の対応方法などについて詳しく解説します。

以下記事では、インスタ詐欺にあったときに最初に取るべき行動について詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

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インスタで広がる副業勧誘とは

近年、インスタをはじめとするSNSやネット広告では「スキマ時間で稼げる」「誰でも簡単に高収入」などと謳う副業の勧誘が増加しています。

インスタでは、ストーリーや投稿での宣伝に加えて、知らないアカウントからの突然のフォローやDMを通じて副業を持ちかけられるケースが目立ちます。

作業内容はスクリーンショットの送信や簡単な入力作業などと紹介され、誰でもすぐに始められるかのように見えます。

しかし実際には、作業開始前や途中で「先に振込が必要」として金銭を要求され、その後は報酬が支払われない、連絡が取れなくなるといった被害が発生しています。

SNSをきっかけとした副業被害の実態

独立行政法人国民生活センターが発表した「副業に関するトラブル相談件数」を示すグラフです。

2020年度から2023年度のわずか3年間で、副業詐欺に関する相談件数は約2.7倍に増加しており、その背後にはSNSを通じた勧誘の巧妙化があります。

注目すべきは「SNSをきっかけとした相談」の割合が年々増加している点です。

2020年度は全体の23.0％だったのに対し、2023年度には63.4％、2024年度（7月末時点）には70.1％にまで達しています。

グラフを通して、副業詐欺の7割以上がSNS経由で始まっている現状が確認できます。

インスタの副業詐欺の手口

インスタで行われる副業詐欺は、最初から金銭を要求するのではなく、巧妙な演出や心理的な誘導によって、少しずつ信頼を得ようとすることが特徴です。

インスタの副業詐欺の手口について詳しく見ていきましょう。

DMで勧誘されてLINEへ誘導される

インスタを使った副業詐欺では、リゾート地で楽しむ様子や高級車の写真などを投稿している、成功しているように見せかけたアカウントからDMが届きます。

DMのやりとりではLINEへの移行を促されます。

LINEに誘導される理由は、インスタのDMよりもやりとりをスムーズに進めやすいためです。
LINEは文字数の制限がなく、長文のメッセージを一度に送信できるほか、既読の通知がリアルタイムに届くことで、相手の反応をすぐに把握できます。

LINE登録後は、入会金や情報商材、サポート契約などの名目で高額な費用を請求されるケースが多く見られます。
中には「無料で会って説明する」と持ちかけ、カフェやホテルのラウンジに呼び出すパターンもあります。

インスタグラマーが紹介する副業で被害にあう

副業詐欺の中には、フォロワー数の多いインスタグラマーを通じて信用を得ようとする手口もあります。

ストーリーズなどで紹介された「簡単に稼げる副業」に興味を持たせ、LINEへ誘導するのが典型的な流れです。

紹介元のインスタグラマーは報酬を得て宣伝しているだけで、紹介している副業が詐欺であることを把握していないケースも多いです。

インスタの副業勧誘の事例

インスタでの副業詐欺は、誰でもできそうな副業を装って接触してきます。

以下では、伊勢市のホームページで紹介されている事例をもとに、被害にあうまでの流れを紹介します。

1．インスタグラムのDMが届く

「動画に『いいね』を押すだけ」「ECサイトの商品をお気に入りに追加するだけ」など、誰でもできそうな作業で日給数千円〜数万円が得られる、副業の勧誘DMが送られてきます。

メッセージには「詳細を知りたい方はこちら」などと書かれ、LINEへの登録を誘導するリンクが貼られていました。

2．タスク専用アカウントへの登録を促される

LINEでやり取りを始めると小さなタスクが案内され、完了するとスマホ決済などで500円程度の報酬が支払われます。

さらに本格的に稼ぐには「専用システムに登録が必要」とされ、暗号資産取引所のようなプラットフォームと、海外製のチャットアプリ（TelegramやSignalなど）への登録を求められます。

3．高報酬のタスクへ誘導される

システムに登録すると、定期的に「簡単な案件」がチャットで送られてきます。
作業時間は30分〜1時間程度で、報酬は100円前後です。

継続すると徐々に報酬単価が上がる設計になっており、その後「特別報酬タスク」として、事前入金が必要な案件が案内されます。

指定口座にお金を振り込むと、タスク後に報酬を上乗せして出金できると説明されます。

4．違約金を求められる

タスクを進めていくうちに、「グループメンバーが手順を間違えたため違約金が発生した」といった連絡が入ります。

自分に非がなくても連帯責任を理由に支払いを求められ、「払えばタスク完了後に返金する」と説明されます。

5．出金時に保証金を請求される

出金しようとすると「マネーロンダリング対策として保証金が必要」「税金相当額を先に納める必要がある」などの理由で、さらに大金を振り込むよう指示されます。

どれだけ支払っても、「処理中」「不備があった」などと言われて引き出せず、最終的に連絡が途絶えます。

インスタの副業詐欺で注意すべきアカウントの特徴

インスタの副業詐欺は、見せかけの華やかさや信頼感を演出することでターゲットを引き込みます。
どのようなアカウントに注意すべきか、詳しく解説します。

札束や多額の預金残高の画像を載せている

札束の山や、数千万円〜数億円単位の口座残高の画像を投稿しているアカウントには、警戒が必要です。
こうした投稿の目的は、閲覧者に「この人は莫大な収入を得ている」「稼ぎ方を知っている人物だ」と信じ込ませることです。

しかし、それらの画像が真実とは限りません。

インターネットで拾った画像を使っていたり、札束の上部だけ本物の紙幣を重ねて見せかけることがあります。

このように「成功者を装う手法」は、見る人に「この人に従えば自分も同じように成功できるかもしれない」と思わせ、心理的な隙を突いて信頼を得ようとする戦略です。

高級店や高級車の写真で裕福なアピールをしている

副業詐欺に関わるアカウントの多くは、あたかも裕福で成功した生活を送っているかのように見せかける投稿を繰り返します。

たとえば、次のような投稿がよく見られます。

リゾート地や高層マンションなど、非日常的で華やかな場所で撮影された写真を使って「この人は経済的に成功している」と錯覚させるのが目的です。

稼ぐ方法をアピールしている

副業詐欺に関与するアカウントの中には「これを知ればあなたも稼げる」といった成功ノウハウやビジネスの心得を発信して、信頼を得ようとするものがあります。

実際にその投稿に心を動かされ「この人なら本当に信用できそう」と感じてしまう人も少なくありません。

発信内容は一見すると説得力があり、「目からウロコ」のように思えることもありますが、多くはネットや書籍に載っているような一般的な情報をなぞっているにすぎません。

また、同じ話を何度も投稿したり、やり取りの相手に見せかけたサクラを使って「感謝の声」や「成功談」を演出するケースもあります。

インスタの副業勧誘を受けたときの対応方法

「誰でも簡単に月○万円稼げる」「今だけの限定メンバー募集」など、甘い誘い文句で副業勧誘を受けた場合は、詐欺の可能性を疑いましょう。
仕事内容や報酬の仕組みが明らかにされないまま「登録料」や「初期費用」などの名目で金銭を要求されるケースは、典型的な手口です。

こうしたメッセージが届いた場合は、安易に返信せず、やり取りの画面をスクリーンショットで保存しておきましょう。

証拠として残しておくことで、万が一被害にあった際に役立ちます。

また、勧誘してきたアカウントはブロックし、インスタの運営に「不審なアカウント」として通報することも大切です。

すでに金銭を支払ってしまった場合は、1人で抱え込まずに然るべき窓口へ早急に相談することが重要です。
できるだけ早い段階で相談することで、返金の可能性が高まります。

インスタの副業詐欺にあったときの相談先

インスタを通じた副業詐欺の被害にあったら、できるだけ早く相談しましょう。
以下に、主な相談先とそれぞれの役割を紹介します。

消費生活センター

消費生活センターは、副業に関する勧誘や契約トラブルなどの相談を受け付けている公的機関です。

「報酬が約束されていたのに支払われない」「有料マニュアルを購入したが解約できない」といった問題に対し、解決に向けた助言を行います。

消費者ホットライン（188・いやや）に電話すれば、最寄りの相談窓口につないでもらえます。

警察

「最初からだます目的で金銭を要求された」「連絡を絶たれ、お金も戻らない」といった場合は、警察に相談することも方法の1つです。

インスタを通じた副業詐欺は、サイバー犯罪の一種として扱われることもあります。
警察相談専用ダイヤル（#9110）を利用すると、地域の警察窓口に案内してもらえます。

司法書士・弁護士

高額な契約をしてしまった、返金交渉を進めたいという場合には、弁護士や司法書士などに相談しましょう。

契約の取り消しや損害賠償の可能性を含め、法的にどのような対応が取れるのかを判断してもらえます。

初回無料相談を行う事務所も多いため、費用面が心配な方でも相談しやすいでしょう。

まとめ

インスタでの副業勧誘は、一見すると手軽で魅力的に見えるものが多く、収入に不安を抱えている人にとっては思わず飛びつきたくなる内容です。
しかし、その裏側には副業詐欺の危険が潜んでいます。

少しでも「怪しい」と感じた場合は、返信や送金をせず、証拠を残してブロック・通報しましょう。
また、被害にあった際は一人で悩まず、消費生活センターや警察、司法書士などに相談することが大切です。

丹誠司法書士法人では、副業詐欺や高額な契約トラブルに関するご相談を承っています。
「支払ってしまったお金を取り戻したい」「強引な契約で困っている」という方は、1人で抱え込まずにぜひ無料相談でご相談ください。