LINEなりすまし詐欺は、信頼している家族や友人を装って金銭を要求したり、LINE公式を名乗ってログイン情報を盗み取ったりと、年々手口が巧妙化しています。
メッセージのやりとり、URLのクリックから、アカウントの乗っ取りや情報漏えいにつながるケースも珍しくありません。
本記事では、LINEのなりすまし被害の特徴や見分け方、被害を防ぐための具体的な対策、万が一トラブルに巻き込まれた際の相談先まで、わかりやすく解説します。
- LINEで「なりすまし」をする目的
- LINEのなりすましの見分け方
- LINEのなりすまし被害を防ぐ対策
- LINEのなりすましによる被害にあったときの相談先
LINEの他にも、メールやSMSなどからなりすまし被害にあう可能性があります。
以下の記事では、なりすまし詐欺の被害事例や相談先について詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
インターネットが普及した現代において、サイバー犯罪はますます巧妙化し、私たちの生活を脅かしています。 近年、深刻な問題となっている「なりすまし」もその1つです。 なりすましとは、実在する個人や企業になりすます行為のことです。また[…]
LINEの「なりすまし」とは
LINEのなりすましは、他人のふりをしてLINEアカウントを悪用し、詐欺や情報の搾取を行う行為です。
乗っ取られたアカウントや偽のプロフィールを使って、友人や家族に連絡し、金銭や情報をだまし取ろうとします。
LINE公式では、電話番号・認証番号・パスワードなどを聞き出すようなメッセージについては「すべて詐欺である」と明確に警告しています。
LINEのなりすましの目的
LINEのなりすましの手口は巧妙化しており、本人や企業、宅配業者を装ったケースも報告されています。
LINEのなりすましの目的について詳しく見ていきましょう。
友人や家族を装って金銭を要求する
乗っ取られたLINEアカウントから、実在の友人や家族を装って「急にお金が必要になった」「助けてほしい」などと金銭を要求するメッセージが送られます。
中には「携帯番号教えて」「認証番号を教えて」といったやり取りから乗っ取りに至るケースもあります。
プリペイドカードやウェブマネーなどの購入を促す
「コンビニでWebマネーやiTunesカードを買ってコードを送って」と依頼し、電子マネーを不正取得する手口です。
急いで購入させたり、誰にも言わないよう強調してくるのがLINEなりすまし詐欺の典型的なパターンです。
フィッシングサイトへ誘導して情報を搾取する
メールで「LINEがロックされた」「48時間以内に認証しないと使えなくなる」などと不安をあおり、偽のログイン画面に誘導する手口です。
ログイン情報を入力すると、第三者にID・パスワード・認証番号を盗まれ、LINEアカウントが乗っ取られます。
メールの送信元ドメインが「[email protected]」以外の場合は、公式LINEではありません。
個人情報や認証番号などは絶対に伝えないようにしてください
LINEのなりすましアカウントの見分け方・特徴
LINEで送られてくるメッセージの中には、本人になりすましたアカウントによるものがあります。
被害を未然に防ぐためには、なりすましアカウントの特徴を理解し、違和感に気づけるよう備えておくことが大切です。
LINEのなりすましアカウントの見分け方・特徴について詳しく見ていきましょう。
普段の接し方と異なる
本物の友人や家族であれば使わないような口調や、不自然に丁寧・ぶっきらぼうな表現が使われている場合は要注意です。
次のようなメッセージには注意しましょう。
- 「今すぐ助けてほしい。少しだけでいいからお金を貸して」
- 「あなたにしか頼れない。至急コンビニに行ってほしい」
このように、文体や距離感が普段のやり取りとズレていると感じたら、なりすましの可能性を疑いましょう。
金銭・ギフトカードを要求される
「今すぐお金が必要」「代わりにこれを買って送って」など、金銭や電子マネーに関する要求は、なりすまし詐欺の典型的な手口です。
以下のようなギフトカードの購入を迫られるケースが多く見られます。
- Appleギフトカード
- ビットキャッシュ
- Webマネー
- ネットライドキャッシュ
- Gマネー
- セキュリティマネー
- スマートピット
いずれも手軽に購入でき、コードを写真やメッセージで送るだけで使用できます。
LINE上で電子マネーの購入や送信を依頼された場合は、たとえ相手が信頼している人物でも、まずは本人に直接確認をとることが重要です。
怪しいURLやQRコードに誘導される
なりすまし犯は、LINE上で不審なURLリンクやQRコードを送信し、ユーザーを偽のログイン画面やフィッシングサイトへ誘導する手口をよく使います。
見た目はLINE公式そっくりでも、実際は情報を盗み取るための偽装サイトへ誘導されます。
そこにログイン情報を入力すると、アカウントが第三者に乗っ取られる恐れがあります。
さらに注意が必要なのが、QRコードを読み取らせたうえで「届いた認証番号を教えて」と指示するケースです。
これに応じると、犯人が別の端末からあなたのLINEにログインできるようになり、そのまま友人へと被害が拡大します。
不自然な日本語や句読点の使い方
機械翻訳や外国人による操作であることを示す「不自然な日本語や句読点のミス」も、なりすましを見抜くポイントです。
日本語として成立していた場合でも、違和感のある表現には注意しましょう。
下記は、日本語として成立しているものの違和感のある文例です。
- あなたは、いまLINEに、ログインしてください
- ギフトカードを、買ってコードを、送ってください
- 助けて欲しい、今すぐ、対応してください
- こんにちは友達。私に、認証番号を送るのは、できますか?
また、敬語や言葉遣いが不自然に丁寧だったり、急に命令口調になったりするケースも要注意です。
認証番号を入力させようとする
「認証コードが間違って届いた」「送られてきた番号を教えて」などのメッセージは、認証番号を使ってあなたのアカウントを別端末に引き継ごうとする詐欺です。
LINEの認証番号は、本人だけが使うものであり、第三者に教えてはいけません。
たとえ親しい相手からの連絡であっても、認証番号を聞かれた時点で「詐欺」を疑い、即座にやり取りを中止しましょう。
LINEの乗っ取りを防ぐための対策
LINEアカウントは、個人情報や人間関係が詰まった大切なデータです。
乗っ取り被害を防ぐには、日ごろから適切なセキュリティ対策を講じることが必要不可欠です。
以下に、具体的な防止策を紹介します。
複雑なパスワードを設定する
LINEアカウントの乗っ取りを防ぐためには、パスワードの強化が欠かせません。
安全なパスワードとは、他人に推測されにくく、機械的な解析ツールでも容易に破られないものを指します。
大文字・小文字・数字・記号を組み合わせたランダムな文字列が理想ですが、覚えやすさも重視する場合は、意味のない複数の単語と数字を織り交ぜたパスワードを設定するとよいでしょう。
また、複数のサービスで同じパスワードを使い回すことも避けてください。
ひとつのサービスから情報が流出しただけで、芋づる式に他のアカウントまで乗っ取られる危険があります。
URLからログインを促すメッセージは無視する
「アカウントが停止される」「再認証が必要」といった不安を煽る文面で、LINEを装ったフィッシングサイトに誘導する手口が増えています。
LINE公式がログインを求めるメールを一方的に送ることはありません。
公式アプリやブックマークからアクセスするようにしてください。
LINE公式アカウントは、アカウント名の「LINE」の左に緑の公式バッジが表示されます。
マークがない場合はなりすましの可能性が高いため、メッセージが届いても無視しましょう。
怪しいURLやQRコードにアクセスした場合はすぐに閉じる
不審なURLやQRコードを開いてしまっても、ログイン情報を入力しなければ被害にはつながりません。
少しでも不審に感じた場合は、即座にブラウザを閉じましょう。
スマートフォン以外からのアクセスを制限する
LINEでは、初期設定のままだとパソコンやタブレットなどのスマートフォン以外の端末からもログインが許可されています。
この機能は便利な一方で、万が一ログイン情報が漏えいした場合、第三者による乗っ取りのリスクを高める要因となります。
不正アクセスを防止するために、「ログイン許可」の設定をオフにしましょう。
さらに、LINEにはログイン通知機能も搭載されており、別の端末からログインが試みられた際には、スマートフォンに即座に通知が届きます。
通知内容に覚えがない場合は、不正アクセスの可能性があるため、すぐにパスワードを変更し、不要な端末をログアウトさせましょう。
現在ログイン中の端末を定期的に確認する
LINEでは、複数の端末から同じアカウントにログインできるため、不正アクセスに気づかないままアカウントが悪用されるリスクもあります。
そのため、「ログイン中の端末」機能を使って定期的に端末の確認を行うことが重要です。
LINEアプリの「設定」から確認し、もし不審な端末を発見した場合は、「すべてのサービスからログアウトする」を押して、LINEのパスワードをすぐに変更してください。
LINEのなりすまし被害を受けたときの相談先
LINEのなりすまし被害は、急なメッセージや信頼している人物からの連絡を装って、冷静な判断力を失わせる巧妙な手口が使われるケースが多く見られます。
「認証番号を教えてと言われた」「電子マネーを買って送った」など、実際に金銭を支払ってしまった場合には、できるだけ早く適切な機関に相談しましょう。
ここでは、LINEのなりすまし詐欺にあった際に相談できる主な窓口について紹介します。
消費者ホットライン
消費者ホットライン「188(イヤヤ)」では、LINEやSNS関連のトラブルにも対応しており、なりすまし被害に関する相談も可能です。
「知人に頼まれて認証番号を送ってしまった」「LINEの指示通りにギフトカードを購入した」といった相談に対し、適切な対応方法や相談先の案内を受けることができます。
ただし、返金交渉や訴訟対応は行っていないため、アドバイスや情報提供が中心となる点に注意しましょう。
警察相談専用電話
LINEでなりすまし被害にあった場合は、まず「#9110」の警察相談専用ダイヤルに連絡を入れ、被害の詳細を伝えることが大切です。
直接の返金や解決に至らなくても、通報された内容は警察のデータとして蓄積され、同様の手口による被害と照合される可能性があります。
たとえば「一度お金を振り込んでしまった」「相手が急に連絡を絶った」といった状況であっても、早めに相談し事実を記録に残しておくことが、将来的な捜査や被害防止に役立ちます。
司法書士や弁護士
なりすましによって高額の金銭を支払ってしまった、個人情報が悪用されたといった深刻な被害に発展した場合は、司法書士や弁護士へ相談しましょう。
「自分だけで交渉するのは不安」という場合でも、心強い支援が得られます。初回相談が無料の法律事務所もあるため、早めの相談をおすすめします。
1人で抱え込まず、早めに相談しましょう
\無料相談はこちらから!/
まとめ
LINEは日常生活に欠かせないコミュニケーション手段である一方で、なりすましによる詐欺被害が後を絶ちません。
「友人を装った金銭要求」「公式を名乗るログイン案内」など、巧妙な手口は一見して見抜きにくいため、うまい話ほど疑う視点が重要です。
丹誠司法書士法人では、LINEのなりすましに関するご相談を無料で受けつけています。
「どうすれば良いかわからない」「知見を踏まえたアドバイスがほしい」と感じた方も、どうぞお気軽にご相談ください。