SNSでFX投資の詐欺が横行していると聞き、だまされないか不安に感じている人はいませんか?
本記事では、FX詐欺の見分け方から詐欺にあった場合に泣き寝入りしないための相談先まで詳しくご紹介します。
- FX詐欺の手口
- FX詐欺の見分け方
- FX詐欺で警察に捜査している事例
- FX詐欺で泣き寝入りしないためには?
FX詐欺の手口
消費者庁や国民生活センターが注意喚起している、FX詐欺の手口をご紹介します。
無登録業者によるFX取引
日本でFX取引等を行う場合は、金融商品取引法に基づき金融商品取引業の登録を行う必要があります。
しかし無登録業者がFX取引の勧誘を行いトラブルとなるケースが多発しています。
消費者庁でも無登録業者とのFX取引は行わないよう注意を呼びかけています。
取引前には金融庁の⾦融商品取引業者登録⼀覧で登録があるか確認をするようにしましょう。
SNSの投資グループによる勧誘
SNSのグループチャットにターゲットを参加させ、チャット内でFX取引の成功体験を伝えて取引を始めさせる手口です。
LINEでよく見られる被害で、指示通りにお金を振り込むと最初は利益が出たように見えるため、ターゲットは次々と送金してしまいます。
しかし利益が出ても出金を拒否され、最終的にはFX業者、グループチャット双方と連絡がつかなくなるのです。
悪徳業者は言葉巧みに勧誘を行います。
聞いた言葉をうのみにせず、安易に取引しないように注意しましょう。
海外FX取引
海外の業者を通じて行う外国為替証拠金取引(海外FX取引)をめぐるトラブルも増加しています。
海外で金融商品取引の資格を持つ業者でも日本でFX取引を行う場合は、金融商品取引法に基づき金融商品取引業の登録を行う必要があります。
海外に拠点を置いている業者は取引上でトラブルがおきた際に、業務の実態の把握が難しく追求できないケースも多くあります。
マッチングアプリで知り合った相手の好意を利用した勧誘
マッチングアプリで知り合った相手の好意を利用し、FX投資に勧誘する手口です。
アプリで出会ったターゲットに対して、すぐにメッセージアプリでの連絡に切り替えるよう持ち掛け、結婚後の資産形成などを目的にFX投資を勧めるのです。
ターゲットが複数回送金した後、連絡がつかなくなるケースもあります。
FX自動売買システムの販売
「何もしなくても儲かるから」と高額なFX自動売買システムを購入させる手口です。
FX取引は売買のタイミングを見極めることが難しく、取引の仕組みも複雑です。
だからこそ業者は「難しい取引はツールに任せられるので、初心者でも簡単に儲かる」などの誘い文句で、自動売買ツールの購入を促してきます。
自動売買で儲けられるほど簡単な取引ではないことを理解し、このような勧誘は断りましょう。
FX詐欺の見分け方【チェックポイント】
FX詐欺かどうかを見分ける上で確認したいポイントを9点ご紹介します。
以下の記事では、FX詐欺の被害にあったときの相談先を紹介しますのでぜひご覧ください。
少額から始められるFXは、幅広い年齢層から注目されています。しかし、FX取引に見せかけてお金を騙し取ろうとする悪徳業者も存在するため、注意が必要です。 本記事では、FX詐欺のよくある手口や被害にあったときの相談先を紹介します。詐欺まが[…]
金融商品取引業の登録の有無
日本でFXを業務として行うためには、金融商品取引法に基づいて登録をしなければなりません。
海外の業者であっても、日本の居住者と取引する際は登録を必要とされています。
そのため、金融庁が公表している⾦融商品取引業者登録⼀覧をもとに名前が掲載されている業者かどうかを、取引前に必ずチェックすることをおすすめします。
振込先に個人名義の口座を指定してくる
通常のFX取引では、個人名義の銀行口座を指定して入金させることはありません。
指定された口座が個人名義の場合やFX業者以外の名義の場合、FX詐欺の被害にあう可能性が高いため、振り込むのはやめましょう。
利益について断定的な説明
FX取引などの金融商品を取り扱う業者が、将来の利益など不確実な事項について、「絶対儲かる」「必ず利益が出る」といった断定的な説明をすることは法的に禁止されています。
投資には必ずリスクがあるため、このような説明を受けた場合取引するのはやめましょう。
マッチングアプリやSNSでのプロフィールの特徴
FX詐欺を行うアカウントには、マッチングアプリやSNSのプロフィールに以下のような特徴があります。
- 高収入をアピールしている
- 美男美女
- 不自然な日本語を使っている
- 高すぎる実績をアピールする
プロフィールの内容を確認し、上記のような要素があった場合は深くかかわらないようにしましょう。
判断を急かしてくる
FX投資をするかどうかの判断を急かされた場合も、FX詐欺を疑ってみましょう。
例として、以下のようなメッセージで投資を急かされたら要注意です。
- 期間限定
- 今日中に返信がほしい
- 早いもの勝ち
- 残り1点で二度と販売しない
悪徳業者の目的は、冷静に考える時間を与えずに、判断力を低下させることです。
すぐに決断を迫られたらきっぱり断りましょう。
高額ツールの販売やセミナーへの勧誘
FX取引で儲けることを目的とした高額なツールの購入や、セミナーへの参加を勧誘されたら詐欺を疑いましょう。
投資に「確実に儲かる」ツールやノウハウはありません。
またFX詐欺を目的としている業者は、ターゲットに借金をさせてもツール購入やセミナー参加をさせようとする場合があります。
そして一度の購入をきっかけに、次々と契約を迫るといった強引な勧誘を行うこともあるのです。
ツールやセミナーは「情報そのもの」が商品となるため、契約前に中身を確認することはできません。
簡単に大金を稼ぐことができる商材は存在しないため、安易な契約は避けましょう。
著名人を名乗って勧誘を行う
有名な投資家や経済アナリストの写真を無断に使用したり、悪徳業者が助手を名乗るなどして、FXに勧誘してくることもあります。
投資で成功している著名人だからといってすぐに信用してはいけません。
集客を目的として、画像や名前を悪用している場合がほとんどです。
著名人を名乗ったり、つながりを示して勧誘をされた場合もFX詐欺を疑いましょう。
LINEグループへ招待される
LINE株式会社では、LINEのチャットで著名人になりすまして投資の勧誘をし、詐欺の可能性が高い投資商品の購入を促すケースがあったと注意喚起しています。
詐欺の可能性があるオープンチャットの特徴は以下の通りです。
- 著名人や投資家になりすました人物が先生役となり長文の投資情報を一方的に投稿する
- 生徒役のサクラが成功体験を投稿してターゲットを信頼させる
- 「早い者勝ち」「残数が少ない」といった煽り文句で投資への判断を急かす
グループチャットやオープンチャットで投資に誘われたら、きっぱりと断りましょう。
文章がおかしい・文字化けしている
勧誘時に日本語の文章が不自然だったり、違和感があった場合は詐欺の可能性があります。
日本貿易振興機構は、貿易経験の浅い人を狙った詐欺被害が多発しているとして注意を呼びかけています。
特に、Web上の翻訳機能を利用した投資勧誘が増加しており、不審な提案には慎重な対応を求めています。
違和感を感じるメッセージを受け取った場合、返信はしないようにしましょう。
FX詐欺での被害事例
2025年1月30日に静岡第一テレビでは、浜松市に住む60代の男性がSNSを通じたFX詐欺被害にあったことを報じました。
男性はSNS広告を通じて知り合った相手からFX投資に勧誘されました。
複数回にわけて支払いを行い、現金300万円と暗号資産1,200万円をだまし取られました。
被害総額は約1500万円にも及びます。
警察では特殊詐欺事件として捜査し、好条件をうたう投資広告は詐欺の可能性があると注意を呼びかけています。
一度FX詐欺にあうと、複数回にわたって金銭を振り込んでしまうケースがほとんどです。
被害金額が大きくなりやすい傾向にあるため、十分な注意が必要です。
FX詐欺に気づいたら取るべき行動
FX詐欺に気づいたら取る必要のある行動を3つご紹介します。
取引をやめる
FX詐欺だと気づいた時点ですぐに取引を中止しましょう。
既に支払っている金額の惜しさで取引を続けてしまい、高額被害になるケースも多くあります。
被害金額をこれ以上増やさず、自分の大切な財産を守るためにも重要な行動です。
やりとり履歴などの証拠確保
FX詐欺にあった場合は、被害の事実を伝えるために証拠を確保しましょう。
証拠として保存する必要があるものは次の通りです。
- 加害者の情報(SNSアカウント、メールアドレス、口座情報など)
- 加害者とのやり取りの内容がわかるスクリーンショットや音声
- 送金や取引の明細書
- FX取引に使ったツールやアプリ
- FXを知るきっかけとなった広告のスクリーンショット
デジタルデータだけではなく、紙でも保存しておくとより安全です。
支払い履歴の照会
FX詐欺で複数回に渡って金銭を送金した際は、すべての支払い履歴を照会しておきましょう。
インターネットバンキングではデータをダウンロードして保存し、ATMから振り込んだ場合は通帳に記帳を行います。
1回ずつの明細だけではなく、履歴もわかると取引の流れが把握しやすくなります。
FX詐欺で泣き寝入りしないためには?
FX詐欺にあって泣き寝入りしないためにはどうすればよいのでしょうか。
3つの方法をご紹介します。
金融機関に連絡して振り込め詐欺救済法の適用を受ける
FX詐欺にあった場合、振り込め詐欺救済法に基づいて振り込んだ口座を凍結し、口座の残高や被害額に応じて被害額のすべてまたは一部の支払いを受けられる可能性があります。
そのためFX詐欺にあったと気づいたら、金融機関に連絡して手続きを行いましょう。
手続きに必要なものは以下の通りです。
- 申請書
- 本人確認書類
- 振込の事実を確認できる資料
書類と資料をそろえたら、できるだけ早く金融機関に連絡をすることが大切です。
クーリング・オフ制度を利用する
クーリング・オフとは、特定商取引法に基づき一度契約や申込をした場合でも一定の期間であれば無条件で契約解除や契約の申込撤回ができる制度です。
上記の表のように、販売方法や取引の内容に応じてクーリング・オフができる期間は異なります。
FX詐欺にあった場合もクーリング・オフの適用を受けられる可能性があるため、自己判断はせずに一度相談してみると良いでしょう。
弁護士や司法書士へ相談をする
FX詐欺にあって自分1人でさまざまな手続きをするのが不安な場合は、弁護士事務所や司法書士事務所に相談するとよいでしょう。
相談前に証拠だけではなく、詐欺にあうまでの流れを時系列で整理してまとめておくとスムーズです。
弁護士事務所や法律事務所のホームページでFX詐欺への対応実績や事例などを確認し、どこに相談するかを決めましょう。
まとめ
FX詐欺の見分け方で一番大切なのは、金融庁が公表している⾦融商品取引業者登録⼀覧に名前が掲載されている業者かどうかを、取引前にチェックすることです。
またやり取りの中で感じる違和感を見逃さないことも重要です。
この記事も参考にして、FX詐欺にあわないよう十分に注意してください。
司法書士や弁護士は悪徳業者に対して返還請求を行えます。
場合によっては被害金を取り戻せるかもしれません。
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